phenomenal14さんが選んだアメプロ大賞2010
MVP1位:タイラー・ブラック
実質的な活動は9月までだったが、その9ヶ月はそのまま2010年のROH世界王座の歴史そのもの。4月以降は驚異的な充実ぶりでロドリック・ストロング、デイビー・リチャーズ、ケビン・スティーンらと素晴らしい名勝負を残した。
WWE移籍が決まりヒールターンしてからはややクオリティを落としたが、ヒール王者として新たな一面を見せるなど活躍を続け、チャンピオンの役割を全うしてから輝かしいROHでのキャリアを終結させた。
2位:デイビー・リチャーズ
ROHではタイラー・ブラック、クリストファー・ダニエルズ、ロドリック・ストロング、PWGではケニー・オメガ、クリス・ヒーローと年間ベスト級の名勝負を作り上げ、2009年よりさらにシングルプレイヤーとしての進化を遂げた1年だった。
1年通して名勝負製造機ぶりを遺憾なく発揮し、今や完全にアメリカ・インディーマットのトップレスラーとしての地位を確立したと言っていいだろう。
2011年はケニー・オメガのように日本での活動が多くなりそうで心配。リチャーズがフルタイムで働けるがが2011年のROHのカギ。
3位:ケビン・スティーン
何と言ってもエル・ジェネリコとの1年がかりの抗争に尽きる。狂気と凶暴さを押し出したキャラクターを確立すると、ヒザの状態が悪い中で数多くのハードコアマッチで身体を張ったハードワークを見せる。本当にROH世界王者にしてもおかしくないぐらいの素晴らしい活躍だった。ROH離脱が惜しまれる。
最優秀試合
1位:ROH世界王座戦
(C)タイラー・ブラック VS デイビー・リチャーズ
ROH「DEATH BEFORE DISHONOR VIII」(6/19 カナダ オンタリオ州トロント)
インディー界のトップレスラー同士のよる最高級の一戦。ハイレベルなレスリングと気持ちを全面に出した激しい打ち合いを展開し、35分に渡る死闘を演じた。場内の90%以上がリチャーズを応援する中で、タイラーが試合を通じて観客に自分を認めさせたという点も素晴らしい。
2位:PWG世界王座戦
(C)ケニー・オメガ VS デイビー・リチャーズ
PWG「AS THE WORM TURNS」(2/27 カリフォルニア州レセダ)
こんなにも自由でこんなにも刺激的な試合にはなかなかお目にかかれないだろう。終盤にかけての場内一体となったテンションの高さは筆舌に尽くし難く、試合後にリチャーズが観客をリングに呼び込み勝利を祝う姿は感動的なものだった。インディーアメリカンプロレスが新時代に突入したことを告げるような最高の瞬間。
3位:ROH世界王座戦
(C)タイラー・ブラック VS ケビン・スティーン
ROH「SALVATION」(7/24 イリノイ州シカゴ・リッジ)
リチャーズ vs ダニエルズと迷ったがこっちに。ROH世界王者として素晴らしい充実ぶりを見せるタイラーと、ジェネリコとの抗争でレスラーとしてレベルアップしたスティーンの一戦。ハイレベルな攻防を繰り広げながら、2人のキャラクターや感情表現を随所に見せていく。「Match of the Year」と呼ばれるような特別な空間を作ることはできなかったが、純粋な完成度の高さでは上位2試合に引けを取らない。
最優秀タッグ
1位:キングス・オブ・レスリング
2006年にインディータッグ戦線を制圧した時を遥かに上回るような絶対王者ぶり。Young KO Kidのキャラを確立し、エルボーをインディー最強のレベルまで磨き上げたヒーローと、鋼の肉体を手に入れインディー屈指のパワーファイターとなったクラウディオ。3年間でそれぞれ飛躍的に成長を果たした2人が組んだKOWがインディー最強タッグの座に君臨したのは至極当然のことだった。
2位:Bruderschaft des Kreuzes
2010年のCHIKARAを大成功に導いた最大の要因となったBdK。個々がそれぞれに力を発揮し好勝負を連発、1年に渡りストーリーの中心に位置、さらにはティム・ドンスト、リンセ・ドラド、ピンキー・サンチェスといった若手を成長させるなど様々な効果を生み出した。ここまで成功したユニットはGeneration Next以来ではなかろうか。
3位:ジェイ & マーク・ブリスコ
派手さや破天荒さと引き換えに円熟のタッグ戦術を手に入れ、新境地を切り開いた1年。KOWと1年がかりの抗争で多くの好勝負を作り出した。ここ2年ほどは思ったように活躍できなかったが、「インディータッグ界にブリスコ兄弟あり」を改めて証明した。
敢闘賞
1位:ブライアン・ダニエルソン a.k.a. ダニエル・ブライアン
プロレス大賞には敢闘賞がないのでMVP部門に入れたが、この1年の大健闘を讃えて敢闘賞の1位に。デビュー、解雇、復帰、王座獲得、1年に渡り最高の「アメドラ劇場」で楽しませてくれた。
2位:クラウディオ・キャスタノーリ
ROHではKOW、CHIKARAではBdKとそれぞれで絶対的な支配力を発揮、PWGでは世界王座を獲得するなど一時インディー4冠王というMVP級の大活躍を見せた。
3位:エル・ジェネリコ
クリス・ヒーローも入れたかったが敢えてジェネリコで。1年間心に傷と闇を抱えたキャラクターを演じ、「喋らないマスクマン」という大きなハンデがありながら、その表現力で大河ドラマの主役を演じ切った。
新人賞
1位:ティム・ドンスト
BdKの残した功績の中でも大いに評価されるべきは若手の成長を促進させたこと。その筆頭にあたるのがドンスト。1年前、ドンストがブライアン・ダニエルソンと好勝負を演じることなど誰が想像できただろうか。ふてぶてしいキャラクターで自身のヒール像を作り上げた。
2位:リンセ・ドラド
同じくBdKに入り成功を遂げた1人。元々素晴らしい身体能力と華麗な飛び技を持っていたが、そこへヒールプレイを織り交ぜて生意気なキャラを作り上げた。
3位:ジョニー・ガルガーノ
前半にEVOLVEやDGUSAに出ていた頃はそれほどではなかったが、CHIKARAに参戦するようになってからは充実した戦いぶりを披露。CHIKARAではF.I.S.T.入り、DGUSAではRoninの結成などムーブメントも起こし、2011年は更なる飛躍が期待される。
最優秀大会
1位:PWG「AS THE WORM TURNS」(2/27 カリフォルニア州レセダ)
オープニングからメインまでハズレなしのハイクオリティ・ショー。次々と好試合を連発すると最後はMatch of the Year級の名勝負の末に新世界王者が誕生。まさに完璧の一言。PWG歴代最高ショーであり、インディー・アメプロファン必見の最高の大会である。
2位:ROH「SUPERCARD OF HONOR V」(5/8 ニューヨーク州ニューヨーク)
には及ばないものの「AS THE WORM TURNS」こちらも全編通して非常にクオリティの高い素晴らしい大会。セミのKOW vs MCMG、メインのタイラー vs ロドリックが共に好勝負になるなど「SOH」の名に恥じない最高のショーを見せてくれた。
3位:ROH「DEATH BEFORE DISHONOR VIII」(6/19 カナダ オンタリオ州トロント)
スティーン vs ジェネリコの遺恨戦でスタートを切るとダニエルズ vs オメガ、KOW vs ブリスコ兄弟が見応えのある好勝負。そしてメインは2010年のみならずROH歴代でもトップクラスに入るタイラーとリチャーズの名勝負。iPPVのビッグマッチに相応しい素晴らしいショーとなった。
最優秀団体
1位:ROH
1年に渡りROHらしい好勝負を連発するとビッグマッチを次々と成功させるという充実ぶり。良い大会と悪い大会の差が激しい傾向もあったが、トップ選手、ベテラン、若手を上手くミックスさせながら平均的なクオリティを保ち続けた。2011年はおそらく「育てる」年になりそう。
2位:CHIKARA
1年に渡るBdKストーリーが大成功。興行数もROHのハウスショーと同じくらいの数をこなし、次々と新たな土地に進出。着実にインディー界でその地位を上げてきている。
3位:PWG
2009年の驚異的なクオリティからするとやや落ち着いた感はあるが「As The Worm Turns」や「Seven」といった2010年のインディー界を代表する好大会を作り上げるなど好調を維持。しかし新時代を託すはずだったオメガとリチャーズが共にPWGより日本を取ったというのは大きな誤算だった。2011年はここ1、2年使い続けてきた若手がどこまでトップ戦線に上がってこれるか楽しみ。
頑張りま賞
1位:ポール・ロンドン
いや、もう頑張ってという気持ちすらなくなってきているというか。WWEを解雇された時に「ROHに帰ってきて欲しい」と思っていたのが嘘のようだ。
2位:ホミサイド
あれだけの最高の復帰の瞬間を見せてくれたんだから、もう少し試合でも魅せてくれよと。あの興奮をなかったことにはしたくない。
3位:ケニー・オメガ
2011年はもっとアメリカで活動して欲しいということでだが、年末のゴタゴタを見る限りROHでは出禁だろうか。
最優秀女子レスラー
1位:サラ・デル・レイ
2位:デイジー・ヘイズ
CHIKARAで男子選手と普通に戦う姿は非常に見応えがあった。
コントロパーシャル賞
1位:ブライアン・ダニエルソンの衝撃解雇、インディー復帰、WWEへ電撃復帰までの一連の流れ。
2位:デイビー・リチャーズがDGUSA撤退、引退発言の後撤回、PWG王座返上などいろいろと騒がせる。
3位:ケニー・オメガが足首脱臼でROH出場をキャンセル、その10日後に日本でケガの影響を微塵も感じさせない全開の動きを見せる。