Wrestling Observer:Worst of the Year 20's part.2の分析
| 名勝負 | なし |
| 好勝負 | なし |
2025年
@WWE王座/ユニバーサル王座戦:コーディ・ローデス(ch)vs.ジョン・シナ(WWE Wrestlemania 41 Sunday 4/20/2025)
RRの優勝からECで衝撃のヒール・ターンをしてこの一戦。
シナは今回のヒールVerとしては初の試合です。
どのような試合を見せてくれるか。
黒で色調を統一した登場シーンが期待感を高めます。
序盤シナは場外を多用して、焦らして煽っていきます。
観客も含めて巻き込んで空気を整えていくスキルは素晴らしく、
アクション自体は緩くても問題ありません。
シナは衰えとヒールの位置づけを含めてダウン・スタイルを再構築していて、
メリハリと打撃の見せ方によるヒールとしての攻撃性の出し方もGOOD。
一方のコーディはまさしく往年のシナばりにダウン・モードで相手を立てます。
クローズラインに対する一回転受け身など利いていましたね。
これはストーリー・ラインのシナへのリスペクトを補強していてぐっと来ましたね。
技の威力といったアスリートとしての絶対値だけではない世界。
その前後の身振り、表情そういったものトータルの中での勝負の世界。
シナがヒール・ターンしてから一発目で
ここまで自身を理解してヒール像を見つけてくるとは思いませんでした。
懐事情と折り合いをつけ、内向的でありつつ所々でシニカルさを表に出す。
コーディもまた自らの役回りに徹し、
技ではない所でストーリーを語っていて
シナの攻め比率が高い中で成立させています。
試合の中でも特にフライング・ショルダー・タックルの切り込み方、
その不意を突いた織り込み、2発目への時間のかけ方は印象的なシーンで
まさしく試合が生き物足り得ていると実感するポイント。
その生ものという点においては
観客もコントロールが利きませんが、
途中からシナの振る舞いに歓声が上がり、
コーディの反撃にブーイングが起きる逆転現象。
これは不思議でしたね。
ザ・ロックvs.ホーガンのように冒頭からあった訳でもなく、途中から生まれて来ました。
シナのヒール・ターンの否定な訳もなく、
試合を愉しむ中で生まれたラスベガスの気まぐれ(ギャンブル)でしょうか。
ラスト・ランを頑張るシナへの敬意でしょうか。
しかし真逆の反応をすれば特別な試合になるというのは余りに分の悪い賭けです。
ザ・ロックvs.ホーガンも観客の横暴であって、
勝手に傷つけ、アドリブが功を奏して、最後の筋書きが救いになって、癒され良い終わりを迎えただけのこと。
余りに意味のないオール・インで、
ここはひたすらにコーディに声援を送り、シナにブーイングを送るのが正しい愉しみ方でした。
そして普通のギャンブルなら観客が無謀な賭けに出れば胴元が儲かるのですが、
胴元もまた読みを誤って損をする。
攻防のスピード上げ抑揚とリズム感も出来て終盤。
満たした上でレフェリー気絶が入り全員一致で演出を待ち構えます。
それなのに出てきたのはトラヴィス・スコットのみで、
クロス・ローズを受けたことがサプライズ…?
2025年いっぱいかけて引退するよといっているので
その過程であるといっても一つのピークには違いない。
それなのにECでの爆弾に比べると余りに物足りない演出です。
タイパを重視して消費的な現代において否定的に取られることは分かっていたでしょうに。
ザ・ロックが出るかどうかは別にしてもう少しなんとかならなかったか。
昨年のWMの一大演出の記憶も新しい中でこれは辛い。
個人的には試合としては満足の出来でした。
大注目を集めるストーリーの中で、
クライマックスの演出だけでこの試合が実態より低く評価されてしまうのはやるせない。
かといってシナのストーリーに則ったマイクのようにファン批判するほどWWEの肩を持てる状況でもなく、
あまりに肩透かしという気持ちは十二分に理解できて反論の余地は蟻が通る隙間すらない。
現地観客が演出レスなこの結末に対する反対表明で
ブーイングでも起こしてくれたらガス抜きになるんですが、
試合後もシナに対しては結構な歓声が上がっていましたね。
ラスベガスの不思議…。
中々良い試合。
(執筆日:4/?/25)





