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Wrestling Observer:Match of the Year 20's part1の分析


名勝負 タッグ王座戦:ハングマン・ペイジ、ケニー・オメガ(ch)vs.ヤング・バックス(AEW 3/1/20)

タッグ王座戦、ケージ・マッチ:ヤング・バックス(ch)vs.ルチャ・ブラザーズ(AEW All Out 9/5/21)
好勝負 なし

2020年
@タッグ王座戦:ハングマン・ペイジ、ケニー・オメガ(ch)vs.ヤング・バックス(AEW 3/1/20)
 バックスの動きの見せ方は完全にコントロールされてますね。
 全速力は簡単。制動するのはより難しい。
 キャリアを重ねた今だからこその動きです。

 そして丁寧に紡いできたペイジのバックスに対する不穏な感情。

 リスペクトのある攻防と棘のある乱戦を一つの試合の中で両方楽しめます。

 チーム間だけでなくチーム内も感情が渦巻く。
 ヒートアップするペイジをオメガが抑えようとしたり、
 逆に控えめなオメガにペイジがイラついたり。
 バックス内もニックとマットでスタンスは細やかに違いがあります。

 六通りの感情の交錯による最高峰のストーリー・テリング。

 アクションも上質な連携技は勿論のこと、
 スポットだけで押さずに焦らしを入れたり、
 タッグの構成の作り、空間の使い方、
 あらゆる要素で一級品のものを見せています。

 花道の攻防、スパイク・ツームストンによるペイジのKOシーンで
 ドラマも最高潮に爆発させてフィニッシュ。
 最後ペイジがニック、マットそれぞれに
 パックショット・ラリアットを叩き込み、
 ペイジ一人で勝ったような演出をしたのは
 まだTo be Continued?って感じで
 進展がなかったとこぐらいでしょうかね、不満点は。

 文句なしに名勝負。
 (執筆日:1/?/20)

Aタッグ王座戦、ケージ・マッチ:ヤング・バックス(ch)vs.ルチャ・ブラザーズ(AEW All Out 9/5/21)
 ケージという閉じられた空間ながら空間構成が見事。

 縦横斜め平面的にも立体的にも
 どこでもアクションが出来る。
 そしてそのアクションを構築論の中で描ける。
 両方があってこそ初めて出来る上質なワーク。

 手錠による孤立の代替シーンもありアイディアもはまっていますね。
 バックスの煽り、ルチャズの手慣れたアクションのチェーン。

 両者ともタッグの総体として動いて盛り上げていますね。

 流血などのドラマ要素もバッチリ兼ね備えています。

 絵作り盛りだくさんなので足し算のプロレスにも近く、
 もう少し有機的に描けたかもという思いは一部ありますが、
 トップ・クラスのタッグにしてケージ・マッチです。

 ぎりぎり名勝負。


注目試合の詳細

なし

試合結果

@タッグ王座戦:ハングマン・ペイジ、ケニー・オメガ(ch)vs.ヤング・バックス(AEW 3/1/20)
Aタッグ王座戦、ケージ・マッチ:ヤング・バックス(ch)vs.ルチャ・ブラザーズ(新チャンピオン!)(AEW All Out 9/5/21)