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Wrestling Heart:Match of the Year 60's part2の分析


名勝負 ル・ペティット・プリンスvs.ミシェル・サルニエール(French Catch 10/4/69)
好勝負 3本勝負:エイブ・ギングバーグ、ジョン・フォーリーvs.レネ・ベン・チモール、ギルバート・セスカ(French Catch 2/28/65)

3本勝負:ビリー・カタンザロ、ギルバート・ル・マゴルーvs.ヴァシリオス・マントポロス、フランシス・ルイス(French Catch 8/19/66)

3本勝負:レネ・ベン・チモール、ウォルター・ボルデスvs.インカ・ペルアーノ、アントン・テジェーロ(French Catch 3/9/68)

ル・ペティット・プリンスvs.ミシェル・サルニエール(French Catch 1/1/68)

1965年
@3本勝負:エイブ・ギングバーグ、ジョン・フォーリーvs.レネ・ベン・チモール、ギルバート・セスカ(French Catch 2/28/65)
 エイブとフォーリーは道化ヒール。
 押さえつけてタッチしたり、レフェリーの目を盗んでロープを使って煽る一方で、
 ありえない所で自爆して間抜けな姿を晒して盛り上げます。

 チモール側はフェイスとしてやられたことは同じ手法でやり返す倍返し。
 エイブとジョンを絡ませて動けなくしたシーンは盛り上がりましたね。

 少々ファン・マッチ的な雰囲気ではありましたが、
 途中からギアが入りヒール側がラフな打撃。

 リアリティが入るとセコンドの膝へのバック・ブリーカーや
 ヘッド・バッド・アタック、ドロップ・キック連打など
 見栄えの良い場面をラッシュして華やかに締めくくりました。

 2本目はメリハリに課題こそあるものの
 引き続き見栄え宜しく最後も美しいヴィクトリー・ロール。

 3本目。
 クロス・ロープ・ワークから始めると
 先ほどのヴィクトリー・ロールをキーにして攻防を作り上げるという
 60年代とは思えない現代的な取り組みが見られて驚きでしたね。

 文句なしに好勝負。
 65年のMOTYです。
 (執筆日:4/?/21)


1966年
A3本勝負:ビリー・カタンザロ、ギルバート・ル・マゴルーvs.ヴァシリオス・マントポロス、フランシス・ルイス(French Catch 8/19/66)
 ハイ・テンポでレスリングを展開。
 タッチ・ワークも小気味よく
 序盤なりのアクションに抑えつつ、これは凄いぞ、としっかり惹きつけますね。

 ルイスの派手な受けが光り、1本目を適度にまとめあげます。

 2本目も1本目のフィニッシュを活かして攻防のストーリー。
 セコンドとの距離感が場の攻防の中の一要素として
 しっかりあるのは好感度高い。

 セコンドがぶつけられて転落した中での
 カウンターのボディ・スラム、と
 2本目のフィニッシュもカットされない理屈が十分伴っています。

 3本目も勢い衰えず、マントポロスの華麗なバック・ブリーカーから始まり、
 フェイス2人がヒール2人を同じムーブでやっつける
 現代にも残っているタッグの定番シーンを連発して盛り上げました。

 これは見事なタッグで1966年のMOTYです。
 
 文句なしに好勝負。
 (執筆日:4/?/21)


1967年
Bル・ペティット・プリンスvs.ミシェル・サルニエール(French Catch 9/30/67)
 ハイ・テンポで華やかな攻防。

 投げられつつも着地してキャンセルしたり、
 フライング・ヘッド・シザースを連打したり、と
 ライト級ならではの時代を先取りした攻防を見せています。

 アーム・ロック等をかけて、逃れて、かけなおして、と
 韻踏みした中盤の攻防作りも良いですね。

 一方でクライマックスへの盛り上げは薄く、
 良くも悪くも常に全力で見栄えのする攻防を作って、
 最後の時を迎えた形になっています。

 69年の同一カードには劣るもののこれまた特別な内容でしたね。

 ぎりぎり好勝負。 
 (執筆日:5/?/20)

1968年
C3本勝負:レネ・ベン・チモール、ウォルター・ボルデスvs.インカ・ペルアーノ、アントン・テジェーロ(French Catch 3/9/68)
 インカの間合い取りとポージング。
 緩急が、素晴らしいですね。

 アントンは安定感ある受けを見せ、

 ボルデスはやって欲しいことを察知しつつ俊敏な動き。

 チモールはいつも通り良くも悪くも暴走気味ですが、
 パートナーがボルデスなので少しぐらいは大目に見てもらえますね。

 インカの執拗な介入でヒート・アップする中、
 インカ、アントンが首ロープ挟まりに場外転落受け身の大判振る舞い。
 1本目から盛り上がりましたね。

 2本目。
 インカの試合運びが見事で、
 これはもう10年先のプロレスをやっているといっても良いレベル。
 迫力あるツームストンが決まって3本目にもつれ込みます。

 3本目もお互いポイントを突いた攻めで一進一退。
 紐による首絞め、不意打ちの誤爆など
 しっかり盛り上げて絶妙なタッグを堪能させてくれました。

 文句なしに好勝負。
 1968年のMOTYです。
 (執筆日:11/?/21)


1969年
Dル・ペティット・プリンスvs.ミシェル・サルニエール(French Catch 10/4/69)
 軽妙に動いてレスリングの演武。
 現代的な攻防でこれが69年に見られるとは驚き。

 良くも悪くも身体能力出し惜しみせず
 見せ場を豊富に織り交ぜます。
 
 対角ロープ・ワークを使ったり、
 アーム・ロックを決めて屈ませた上で
 相手の体の上で一回転して倒したりと
 その三次元の攻防はまさに初代タイガー・マスクを見たときの衝撃と同じ。

 ニア・フォールの攻防も見応えがあり、
 ロープ際の為に決まり切らないことで
 ぎりぎり感も出ていて実にお見事でした。

 French Catchの名品です。
 ぎりぎり名勝負。
 (執筆日:4/?/20)

注目試合の詳細

なし

試合結果

@3本勝負:エイブ・ギングバーグ、ジョン・フォーリーvs.レネ・ベン・チモール、ギルバート・セスカ(2-1)(French Catch 2/28/65)
A3本勝負:ビリー・カタンザロ、ギルバート・ル・マゴルーvs.ヴァシリオス・マントポロス、フランシス・ルイス(2-1)(リングアウト)(French Catch 8/19/66)
Bル・ペティット・プリンスvs.ミシェル・サルニエール(20分時間切れ)(French Catch 9/30/67)
C3本勝負:レネ・ベン・チモール、ウォルター・ボルデスvs.インカ・ペルアーノ、アントン・テジェーロ(2-1)(French Catch 3/9/68)
Dル・ペティット・プリンスvs.ミシェル・サルニエール(30分時間切れ)(French Catch 10/4/69)