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東京スポーツ新聞社:Match of the Year 10's Part1の分析


名勝負 なし
好勝負 Jrタッグ王座戦:アポロ55(プリンス・デヴィット、田口隆祐)(ch)vs.飯伏幸太、ケニー・オメガ(新日本プロレス 10/11/10)

IWGP王座戦:オカダ・カズチカ(ch)vs.棚橋弘至(新日本プロレス 6/16/12)

G1公式戦:中邑真輔vs.飯伏幸太(新日本プロレス 8/4/13)

G1優勝決定戦:中邑真輔vs.オカダ・カズチカ(新日本プロレス 8/10/14)

2010年
@Jrタッグ王座戦:アポロ55(プリンス・デヴィット、田口隆祐)(ch)vs.飯伏幸太、ケニー・オメガ(新日本プロレス 10/11/10)
 ポージングが利いているし、流れるように動くけれど序盤は一般的な枠を超えないレスリングです。
 孤立も日本式で戦略性要素が薄いですね。
 しかし孤立役のデヴィットは心得たもので中々細かい一進一退を刻んでいました。
 1対2スポットを皮切りに終盤へと突入していきます。
 同時技のタイミングが本当に同時だったりと
 神がかったスポットが幾つか見られ、雪崩式も迫力がありました。
 94年頃の新日Jrタッグが復活したとでもいうような驚異的なインテンシティーを誇る内容です。
 ただし世界的に見た時にその独創性、ボリューム、チーム間の攻防は絶賛する程のレベルではありません。
 今の新日の他団体を受け入れる懐の広さあっての試合ではあるけれども、
 だからといってJr、タッグの壁をぶち壊して年間最高試合を獲得させるような試合でもあるまい。
 ぎりぎり好勝負。
 (執筆日:12/29/10)


2011年
A小橋建太、武藤敬司vs.矢野通、飯塚高史(All Together 8/27/11)
 小橋は晩年のアンドレを見ているかのような状態でしたが
 そういう弱さを纏いつつも真っ直ぐさを失わないチョップ・スタイルは意味がある。
 同じくコンディションの悪い武藤ですが、
 控えとしての抗議の仕方が上手く、予期せぬ形で貢献しています。
 矢野、飯塚は満足いく動きの出来ないレジェンドの迎え方として
 単純なヒール・ワークの枠に収まる形を取っています。
 こんなカードでも一応試合時間はある程度稼がなければならないので
 ヒール・ワークを只数打つ形になり
 矢野、飯塚が能力を発揮できていませんが、
 能力を使った所で能力で返ってくる相手でもありませんから問題なし。
 表面的な内容ながら連続ムーンサルトのフィニッシュといい、その象徴性の高さは歴史の重み。
 平均レベル。
 (執筆日:9/9/11)


2012年
BIWGP王座戦:オカダ・カズチカ(ch)vs.棚橋弘至(新日本プロレス 6/16/12)
 序盤のレスリング。
 オカダがカリスマ性を感じさせるアピール及びダイナミックな基本技を見せます。
 棚橋はこれに対し脚狙い。
 序盤らしく抑え気味に攻めて行きます。
 1回コーナー上からの転落ネタを挟んでから定番のコーナー上へのドロップ・キック炸裂。
 これでオカダのペースとなります。
 オカダの攻めは前回に比べ多視点から見ても隙のないものでしたね。
 棚橋が低空ドロップに場外へのダイビング・クロス・ボディを決め反撃。
 ここまではお互いの正統な良さを出す必然の構築です。
 それ故若干既視感は覚えますが、
 2戦目らしい読み合いの攻防を後半まで抑え、
 前半を完成度の向上に努めたことには好感が持てます。
 終盤は棚橋のテキサス・クローバー・ホールドの見せ方が上手く、一層深みのある攻防でした。
 完成度はピカイチ。ただ名勝負と呼ぶにはドラマ性、特別性がほんの少し足りないかもしれない。
 文句なしに好勝負。
 (執筆日:9/?/12)


2013年
CG1公式戦:中邑真輔vs.飯伏幸太(新日本プロレス 8/4/13)
 緊張感ある蹴りの交錯でスタート。
 中邑が戦う技術を見せれば飯伏はハイ・フライヤーとして魅了。
 自分の得意分野で
 相手の土俵際になってもしっかり対抗できています。
 主導権を握った中邑がスター性を発揮し、
 飯伏が素晴らしい受身でサポートします。
 中邑は完全に優位に立った形ですが
 攻め手を緩めず情熱的に攻め立てました。
 飯伏も反撃すると一発一発芸術品の技の数々。
 攻防の混ぜ方はそこまでレベルの高い方法は取っておらず
 ドリーム・マッチが目の前で成功した形で繰り広げられている、
 その事実に私自身含め観客が酔っている所はあるものの終始ワクワクさせてくれました。
 必殺技が出た後に、キレて更なるクライマックスにつながったのもナイス。
 文句なしに好勝負。
 (執筆日:8/?/13)


2014年
DG1優勝決定戦:中邑真輔vs.オカダ・カズチカ(新日本プロレス 8/10/14)
 序盤の入りは特に引っ掛かりはないですね。
 丁寧に積み上げていこうという意図のようで、
 ニーを連続で食らったオカダが
 カウント7で場外からリングに戻るシーンもあります。
 中邑の優雅な間の取り方、オカダの綺麗なドロップ・キック、と
 それぞれが自分の得意分野で貢献しながら試合を高めていきます。
 とはいっても中邑が頭一つ抜き出ていましたか。 
 飛びつきアーム・バーでアクセント入れたり、
 G1を通してそうでしたが今回も素晴らしい疲労感を見せたり。
 オカダは中邑に少々のせられていたきらいもありますが、
 最後はレインメーカーの前に
 ショート・レンジ・ラリアットを2発入れるという
 非常にインパクトのあるフィニッシュだったため
 その印象を払拭した状態で試合がまとまりました。
 公式戦に比べ試合時間を長くとった一方で、
 密度が薄まっているところがあり、
 熾烈なG1 24の決勝として"ふさわしい"とまで冠することまではできないが、
 フィニッシュ含め素晴らしい試合ではありました。
 ぎりぎり好勝負。
 (執筆日:8/?/14)


注目試合の詳細

@タッグ王座戦:プリンス・デヴィット、田口隆祐(ch)vs.飯伏幸太、ケニー・オメガ
 デヴィ対飯伏で試合開始。
 組むとデヴィが腕を取る。
 飯伏が前転から取り返す。
 デヴィが前転から取り返しスナップ。メア。
 チン・ロックへ。
 飯伏が回転しハンマー・ロックへ。
 デヴィが脚を取って倒しヘッド・ロックへ。
 飯伏がグラウンド・ヘッド・シザースに返すもすり抜けられる。
 両者交代。
 組むと田口がヘッド・ロック。
 ロープに振られショルダー・タックル。
 ロープに走る。
 ヒップ・トスをアーム・ドラッグに返しそのまま腕を取る。
 細かいタッチを繰り返しながらリスト・ロック。
 2人でオメガをロープに振り田口の低空ドロップ・キックからデヴィがドロップ・キック。
 ロープに振ろうとする。
 オメガが振り返す。
 ロープに走り背を取ってからロープに走り低空ドロップ・キック。
 ファイヤーマンズ・キャリーからタッチ。
 2人でロープに振りリープ・フロッグ。
 飯伏が蹴り。
 オメガが馬飛びフェイス・バスター。
 カバーするも田口がカット。
 飯伏がスナップ・メアからチン・ロック。
 デヴィが起き上がり腹にエルボー。
 ロープに走る。
 飯伏がバック・エルボーで倒す。
 交代したオメガが蹴り。
 デヴィが2人に打撃を叩き込む。
 オメガが蹴りつけ黙らせる。
 殴りつける。
 ターン・バックルにぶつけ蹴りつける。
 チョップ。
 5分経過。
 アイリッシュ・ウィップ。
 ポーズをとる。
 自陣に連れて行く。
 交代した飯伏がスナップ・メアから背中に蹴り。
 カバー。カウント2。
 交代したオメガがカナディアン・バック・ブリーカー。
 デヴィが腹にパンチ。
 オメガが殴りつけ黙らせる。
 ロープに走る。
 デヴィがチョップ。
 ロープに走る。
 オメガがカウンターでキッチン・シンク。
 タッチすると2人でロープに振りショルダー・スルーを狙う。
 デヴィが飯伏を蹴り上げる。
 オメガのクローズラインをかわしバックを取る。
 オメガがバックを取り返す。
 飯伏がハイ・キックへ。
 デヴィはかわして誤爆させると飯伏にペイレイ・キック。
 タッチ。
 田口が2人にミサイル・キック。
 飯伏をコーナーに振ろうとする。
 振り返されるもその先のオメガにバック・エルボー。
 突進してきた飯伏をかわしオメガにドロップ・キックを誤爆させる。
 田口が飯伏にブレーン・バスターを決めカバー。カウント2。
 インディアン・デス・ロックの体勢。
 近づいてきたオメガを蹴りつけブレーン・バスター。
 飯伏にブレーン・バスター。
 もう1発。
 持ち上げフェイス・バスター。
 カバーするもカウント2。
 エプロンに転がり出た飯伏を起こすとブレーン・バスターを狙う。
 飯伏が抵抗し逃れる。
 田口が蹴りをいれDDT。
 デヴィが場外の2人にトペ・コンヒーロ。
 マイケルも巻き込まれる。
 飯伏をリングに戻しデヴィにタッチ。
 田口が飯伏を押さえ、デヴィがコーナー上へ。
 オメガがデヴィを殴り落とす。
 飯伏がバックを取り返す。
 田口がバック・エルボーで逃れロープに走る。
 飯伏がドロップ・キックで落とす。
 飯伏とオメガがそれぞれ対角コーナーへ。
 反対コーナーを指差すと走り、コーナーを飛び越えてセカンド・ロープに着地。
 ムーンサルトを決める。
 オメガがデヴィをリングに戻す。
 2人で1コーナーに上りゴールデン・シャワーへ。
 かわされるもそのまま前転して着地。
 同時にデヴィにドロップ・キックを決める。
 田口が飯伏を殴りつける。
 オメガが田口をコーナーに振ろうとする。
 田口が振り返し突進。
 オメガはかわすとハリケーン・ラナ。
 飯伏が蹴りつけバックを取る。
 田口が振り払うもそこにオメガが波動拳。
 吹っ飛んだ田口を飯伏がキャッチしそのままジャーマン。
 オメガがロープに走り場外の田口にトペ・コンヒーロ。
 飯伏がデヴィにソバット。
 蹴り倒す。
 スタンディング・シューティング・スター・プレス。
 セカンド・ロープからムーンサルトへ。
 かわされるも着地してムーンサルト。カウント2。
 コーナーのデヴィに突進。
 デヴィがカウンターでバック・エルボー。
 コーナー上へ。
 飯伏が側転からのペイレイ・キック。
 コーナー上トップ・ロープから雪崩式ハリケーン・ラナ。
 カバーするもカウントは2。
 ボディ・スラム。
 コーナー上へ。
 デヴィがドロップ・キック。
 雪崩式バック・ドロップ。
 ダイビング・ダブル・ストンプ。
 カバーする、オメガが田口を抑えているもカウントは2。
 デヴィが飯伏がブラッディー・サンデーを狙う。
 飯伏が着地しペイレイ・キック。
 田口が飯伏にミサイル・キック。
 オメガが田口にジャンピング・キック。
 デヴィがオメガに延髄切り。
 全員ダウン。
 田口が飯伏を起こしドドン。
 前に抱え、デヴィがダブル・ニー・ガット・バスター。
 カバーするもオメガがカット。
 田口がオメガを落とし三角飛びプランチャへ。
 しかしかわされ自爆。
 デヴィが飯伏にフロント・ヘッド・ロックを決め投げようとする。
 オメガがリングに入り肩車。
 そこからジャーマン。
 飯伏が続けてハーフネルソン・スープレックス。
 カウント2で田口がカット。
 オメガが田口を連れ場外へ。
 飯伏がデヴィにフェニックス・スプラッシュを決め勝利!
 新チャンピオンに! 

試合結果

@Jrタッグ王座戦:アポロ55(プリンス・デヴィット、田口隆祐)(ch)vs.飯伏幸太、ケニー・オメガ(新チャンピオン!)(新日本プロレス 10/11/10)
A小橋建太、武藤敬司vs.矢野通、飯塚高史(All Together 8/27/11)
BIWGP王座戦:オカダ・カズチカ(ch)vs.棚橋弘至(新チャンピオン!)(新日本プロレス 6/16/12)
CG1公式戦:中邑真輔vs.飯伏幸太(新日本プロレス 8/4/13)
DG1優勝決定戦:中邑真輔vs.オカダ・カズチカ(優勝!)(新日本プロレス 8/10/14)