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全日本プロレス:鶴龍対決:Tsuruta vs. Tenryu Seriesの分析


名勝負 三冠王座戦:ジャンボ鶴田(ch)vs.天龍源一郎(全日本プロレス 6/5/89)
好勝負 ジャンボ鶴田vs.天龍源一郎(全日本プロレス 8/31/87)

ジャンボ鶴田vs.天龍源一郎(全日本プロレス 10/6/87)

ジャンボ鶴田vs.天龍源一郎(全日本プロレス 10/28/88)

三冠王座戦:天龍源一郎(ch)vs.ジャンボ鶴田(全日本プロレス 10/11/89)

三冠王座戦:ジャンボ鶴田(ch)vs.天龍源一郎(全日本プロレス 4/19/90)

①CC公式戦:ジャンボ鶴田vs.天龍源一郎(全日本プロレス 4/16/82)
 (前半はハイライト)
 日本人離れしたスケール感を強調。
 単なる技の見栄えだけでなく、その前後の余白、余韻の見せ方が上手いですね。

 ただカットで見ているからそこまで気にならないものの
 構成的には前半もう少し技は温存できればという気もします。

 鶴田が天龍の攻めを引き出しつつコントロール。

 鶴田の張り手に天龍が突っ張りで応戦し、
 打撃の打ち合いで盛り上げると残る試合時間は5分。

 4の字やローリング・クレイドルなど
 その当時のレベル差、格の差の中で
 適切に5分を消化する策は用意出来ていて、
 天龍に箔をつける30分時間切れという結末になりました。

 好勝負に少し届かず。
 (執筆日:12/?/21)

②ジャンボ鶴田vs.天龍源一郎(全日本プロレス 4/20/83)
※収録なし
 前回に続き30分時間切れ。

③ジャンボ鶴田vs.天龍源一郎(全日本プロレス 8/31/87)
 3度目の対決。
 まずは持ち技を外してお手軽に緊張感を作り上げ、
 天龍は鶴田にひるみつつも気圧されていない所を示します。
 技の織り交ぜ自体は少々雑な印象を受けますが
 ベースとなるグラウンドが刺々しく突発性が機能しやすい土台です。
 最初の大きな見せ場は天龍の掟破りのハイ・ニー。
 このサプライズのまま天龍の展開に持っていくのもありでしたが
 鶴田がすぐにやり返し、そう簡単なライバル関係でないことを見せます。
 中盤は試合運び自体は基本的なものでしたが
 サブミッションも投げもスケールが大きく鶴田ならではのものがあります。
 今度は鶴田が普段やらないセカンド・ロープから場外へのダイブを見せサプライズ。
 ここから怒涛のハイ・スポットの畳みかけで、
 リングに戻るかどうかをニア・フォール合戦と等価のレベルで見せてきたのには感心しましたね。
 数え歌として発展途上にあることを感じさせつつも
 1つの凄い試合として完成されています。
 文句なしに好勝負。
 (執筆日:3/6/12)

④ジャンボ鶴田vs.天龍源一郎(全日本プロレス 10/6/87)
 (放送日は10/10/87)
 強烈な打撃によろめきながらも
 体幹がしっかりしているので即座に反撃に出ることができ、
 攻守一体となって相対していますね。

 鶴田が攻撃的なストンプに鉄柱攻撃。
 このスケール感に対して、
 天龍はヘッド・ロックで抑え込む対応。
 どういう形にしろ一度鶴田から勝利を奪った立場として
 受け止めていなすプロレスを見せたのは味わい深かった。

 それぞれ立ち位置から繋ぐ前半でしたが、
 後半はそこから一歩踏み込み合ってギアを入れます。

 技を押し出していく中で少し道筋が見えなくなると共に、
 技をつぶしたのか食らってしまったのか良く分からないシーンも。
 最後のセコンドの抗議による裁定撤回、
 それにキレて鶴田がレフェリーに暴行、というのも難しかったですね。
 ただその雰囲気に合うカオスな感じは攻防が激化する中でありましたから
 繋ぎの試合として見落とすには勿体ない数え歌の一つです。

 ぎりぎり好勝負。
 
 試合後、全日復帰のブロディが現れ鶴田を襲撃。
 (執筆日:12/?/21)

⑤ジャンボ鶴田vs.天龍源一郎(全日本プロレス 10/28/88)
 アクションを抑えつつ
 日本人トップ対決としてのスケール感、
 ベースラインを作り上げていきます。

 仕掛けてギアを上げて、、しっかり戻してコントロールが利いています。
 その仕掛けはプロレスの作り手としての動機もありますが、
 戦いの上での理由付けもあるのが素晴らしいですね。

 天龍が延髄切りを打ってもそれまでのダメージ差が大きく戦局がひっくり返らなかったりと
 細かな表現も加えて豊かな攻防となっています。

 椅子攻撃や得意技の相打ちも踏まえながら
 しっかりと後半へ向けて引き込んでいきます。

 後半は落ち着いた展開で、
 天龍の脚攻めの影響や疲労を感じさせながらの
 腰を据えた見せ方をさせているので、
 前回に比べると36分引っ張ってアクシデント的に入った急所蹴りの反則、という
 結末は余りにも受け入れづらい所があります。

 それを除けばこの数え歌の中でも
 トップ・クラスの充実感がありました。

 文句なしに好勝負。
 (執筆日:12/?/21)

⑥三冠王座戦:ジャンボ鶴田(ch)vs.天龍源一郎(全日本プロレス 4/20/89)
※三冠王座統一後の初防衛戦

 相手に対して仕掛ければ
 それに対して火を噴くようなリアクションを見せていた所を今回は静かに進めます。
 三冠王座戦としての体裁もあるでしょうが少し勿体ない。

 鶴田優位の中から天龍がようやく反撃。
 最初の10分の溜めを爆発させて
 トペにエプロンでのスポット、と
 激しく攻防を重ねていき盛り上がっていきます。

 厳しい攻め合いといってもここから更に発展するのが鶴龍対決と認識している中で
 鶴田が非常に危険なパワー・ボムを放ってKO。
 16分という短い試合時間で唐突なフィニッシュ。

 結果的に最後のフィニッシュだけが数え歌の中で意味を持つ試合になってしまいました。 

 中々良い試合。
 (執筆日:12/?/21)

⑦三冠王座戦:ジャンボ鶴田(ch)vs.天龍源一郎(全日本プロレス 6/5/89)
 器の大きな構え。
 首攻めで一貫した強力な攻め。
 圧倒的な観客の支持。
 この三拍子が揃った絶頂期の鶴田という壁に、
 天龍が一歩ずつ確認を起きながら階段を上っていく内容。
 三沢-鶴田に似ていますね。
 こういうどこか負けるために戦っている部分やノー・サイドの風が、
 演出とは違う形で生み出てきて
 遺恨、格差と打ちけし合わずに多層に存在しえる、
 リアリズムがあるのはアメリカでは中々出来ない、日本ならではの物ですね。
 ぎりぎり名勝負。
 (執筆日:2/1/10)

⑧三冠王座戦:天龍源一郎(ch)vs.ジャンボ鶴田(全日本プロレス 10/11/89)
 得意技をかわし合ったりと意識をバチバチに散らし
 お互いの力をぶつかり合います。
 鶴田の部位狙いのある攻め、天龍の執拗なヘッド・ロック、
 共にレスラーとしての完成度の高さを感じますね。
 椅子やテーブルも出てくるし、特別な技も使用して
 かなりの雰囲気、他のカードと違う鶴田vs.天龍というオリジナル性まで生み出しています。
 ただリアルタイムで見てないと凶器に対する反則の甘さ、
 試合中のストーリー・テリングで省かれた終盤の鶴田が壁になる攻防はややしっくり来ないですね。
 文句なしに好勝負。
 (執筆日:12/5/09)

⑨三冠王座戦:ジャンボ鶴田(ch)vs.天龍源一郎(全日本プロレス 4/19/90)
 ハンセンが入場してきた天龍を襲撃しラリアット。
 鶴田がハンセンを追い払ってから試合開始。

 それに基づきシチュエーションの中で鶴田優位の構成。
 ハンセンに襲撃されたといってもこんなものか、と挑発的に当たりつつ
 場合によっては仕留めよう、という厳しさを見せます。

 これに対して天龍はぎりぎりのポイントで鶴田の技を防ぐと、
 反撃時は体力回復も踏まえながら攻め手を選んでいたりと
 シチュエーションの見せ方は上手いですね。

 その一方で天龍の退団が決まっているが故に
 12分と短めの決着で試合後は鶴田がハンセンを呼び込んでの次回予告。
 仕方ないとはいえ寂しさを感じる対応でしたね。

 その中で2人が意地を見せて
 控えめにそれでいて数え歌として幕を閉じました。

 ぎりぎり好勝負。
 
 ※この試合を最後に天龍が全日本プロレスを退団する
 (執筆日:12/?/21)


注目試合の詳細

なし

試合結果

①CC公式戦:ジャンボ鶴田vs.天龍源一郎(30分時間切れ)(全日本プロレス 4/16/82)
②ジャンボ鶴田vs.天龍源一郎(30分時間切れ)(全日本プロレス 4/20/83)
③ジャンボ鶴田vs.天龍源一郎(リングアウト)(全日本プロレス 8/31/87)
④ジャンボ鶴田vs.天龍源一郎(DQ)(全日本プロレス 10/6/87)
ジャンボ鶴田vs.天龍源一郎(DQ)(全日本プロレス 10/28/88)
⑥三冠王座戦:ジャンボ鶴田(ch)vs.天龍源一郎(全日本プロレス 4/20/89)
⑦三冠王座戦:ジャンボ鶴田(ch)vs.天龍源一郎(新チャンピオン!)(全日本プロレス 6/5/89)
⑧三冠王座戦:天龍源一郎(ch)vs.ジャンボ鶴田(新チャンピオン!)(全日本プロレス 10/11/89)
⑨三冠王座戦:ジャンボ鶴田(ch)vs.天龍源一郎(全日本プロレス 4/19/90)