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新日本プロレス:Tanashi vs. Okada Series part.2の分析


名勝負 IWGP王座戦:オカダ・カズチカ(ch)vs.棚橋弘至(5/4/18)

G1公式戦:棚橋弘至vs.オカダ・カズチカ(8/10/18)

WK挑戦権争奪戦:棚橋弘至(co)vs.オカダ・カズチカ(9/23/18)
好勝負 G1公式戦:オカダ・カズチカvs.棚橋弘至(7/6/19)

G1公式戦:棚橋弘至vs.オカダ・カズチカ(9/19/21)

JIWGP王座戦:オカダ・カズチカ(ch)vs.棚橋弘至(5/4/18)
 まずは棚橋が攻めの起点をばらまいて伏線を引きます。
 オカダのコーナーへのドロップ・キックに対して、
 耐えて逆上がりで戻ろうとした所をオカダが捕まえDDT。
 象徴的なシーンで棚橋の気持ちを物理的にオカダが上回る
 シチュエーションを語りました。

 トップ・エース対決ではなく棚橋が一線を退いていることを改めて示し、
 ノスタルジックに訴えかけましたね。
 ただとはいっても攻守バランスを思いっきりオカダに寄せている訳でもないのが上手い。
 一つ一つの余韻を持たせる形で印象付けています。

 棚橋がハイ・フライフローを決めるも
 オカダが即座に場外ツームストン。
 ここで両者リングアウトぎりぎりでリングに戻る展開とし、
 一気に消耗感を出してきたのは良いですね。

 ただオカダは消耗するとはいえ、
 棚橋のレベルまで下がる必要はなかったかな。
 少しリアリティに物足りなさも感じました。

 最後は掟破り等使いながら正統な尽きない切り返し合い。
 最後の数え歌として立派なものを仕上げました。

 ぎりぎり名勝負。
 (執筆日:5/?/18)

KG1公式戦:棚橋弘至vs.オカダ・カズチカ(8/10/18)
 Aブロックの決勝進出をかけた最終戦。
 棚橋が引き分け以上で、オカダは勝てば決勝進出というシチュエーションです。
 棚橋が峠を越えたので前回の王座戦が最後の数え歌かと思っていたら
 再びの対戦で絶妙な試合をやってのけました。

 ノン・スポットの抵抗と受身後の仕草で衰えを色気と共に表現。
 今回はオカダもそれに合わせて
 技ではないところの表現で気迫をぶつける。
 良くも悪くも飄々としているオカダが
 こういう見せ方が出来るとは思いませんでした。

 一方で技と技のぶつかり合いはポイントに凝縮する。
 棚橋のリスキーなハイ・フライ・フローから
 ドラスクでの追い込みは最高のドラマチックでした。

 残り時間が見えてからも得意技の切り返しを上手くはめこみ、
 これまで以上にチェーンさせ
 新しいものまで見せてきたのはお見事というしかないでしょう。
 ぎりぎり名勝負。
 (執筆日:8/?/18)

LWK挑戦権争奪戦:棚橋弘至(co)vs.オカダ・カズチカ(9/23/18)
 脚のダメージ。
 これを1.相手による攻撃
 2.不慮のアクシデント
 3.脚を使う自らの攻め
 三者三様それぞれを組み合わせて
 双方が痛みを背負っていく。

 ずっとやってきた棚橋が最上級ですが、
 オカダもまたオカダのやり方で
 それに引けを取らないものを提示できています。
 シーンを切り取ればスローで特別なことはやっていないので
 試合全体がどんなクオリティになるかも分かりません。
 それでも欲を欠かず一歩一歩積み重ねる道を行きます。 

 こういう脚の痛みを背負った試合運びにおいても
 緩急の急においては試合の流れやアドレナリンを
 理由にして動いてしまうものだけれども
 自制心働かせとにかく中盤まではぶらせない。
 技の後の間を緻密にコントロールして
 スローなだけの試合にならないようにしています。

 そして終盤へ。
 場外ツームストンから棚橋が場外へのハイ・フライング・フロー。
 震える足元が神々しい。
 満点の終盤がそれまでの序盤中盤と掛け算されて
 売れ線に媚びない老いの美学を実現しました。

 ぎりぎり名勝負。
 (執筆日:10/?/18)

MG1公式戦:オカダ・カズチカvs.棚橋弘至(7/6/19)
 いまだに黄金カードの認識があり
 観客はウェルカムな雰囲気で二人を迎え入れます。

 オカダの定番ムーブの構築と
 棚橋の打撃主体に寄せた試合運びで
 間違いの無いクオリティを実現させます。

 細かく刻める関係性の基、
 実に丁寧に積み上げていきます。

 オカダの変調からの終盤も
 棚橋のクイックなど効果的にスポットを作っている。
 見事な間で観客と共に良いものを作り上げましたね。

 ぎりぎり好勝負。
  (執筆日:7/?/19)

NG1公式戦:棚橋弘至vs.オカダ・カズチカ(9/19/21)
 ベーシックなレスリングでスタート。
 黄金カードの強みで、特殊なことをせずとも
 観客は高い集中力で見守ってくれるのでOK。

 動き出してそれぞれ試合に色をつけていきます。
 丁寧で調和感が素晴らしい。

 棚橋の足攻めも良くも悪くも今回はタッチに抑えます。

 それぞれの持ち技を適切に配置した上質な構築で、
 ロング・マッチも軽々と作っていきます。

 レインメーカーのアピールも焦らして溜めて、
 これまでとは微調整してこの試合独自のアクセントをつけて楽しませてくれました。

 過去の試合はどの激戦ではないにしろ非常に楽しい内容でしたね。
 新日の代表カードであることを今一度示しました。

 ぎりぎり好勝負。
 (執筆日:9/?/21)

OIWGP世界ヘビー級王座戦:オカダ・カズチカ(ch)vs.棚橋弘至(2/18/23)
 US興行のメインはこの数え歌。

 オカダが焦らず場を上手く使いながら
 アメリカの観客の空気を掴んでいきます。

 棚橋は衰えつつあるものの得意の脚攻めは鉄板。

 少し攻防は読めるし、終盤の棚橋の攻めが物足りないものの
 それでも面白いのは変わらないし、
 それをアメリカの観客に見せることがこの試合の意義でもあるので良し。

 好勝負に届かずも中々良い試合。
 (執筆日:3/?/25)

P棚橋弘至vs.オカダ・カズチカ(2/11/2024)
 数え歌を重ねる中で複雑になりがちですが、
 棚橋の衰えもある中でシンプルなものに回帰。

 オカダがヒールっぽく柵に押しつけ。
 本心でないこと分かりつつ観客もブーイングで後押し、
 あくまでアクセント・レベルですが
 共犯関係で試合を楽しんでいきます。

 最後かもしれない17度目の数え歌。
 印象的なシーンが蘇っていきますね。

 それぞれはコンパクトに表層的に留まっているものの
 そのチョイスと出てくる場面自体は良く走馬灯のようでしたね。

 中々良い試合。
 (執筆日:3/?/25)