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新日本プロレス:Tanashi vs. Okada Series part.2の分析


名勝負 IWGP王座戦:オカダ・カズチカ(ch)vs.棚橋弘至(10/14/13)

IWGP王座戦:オカダ・カズチカ(ch)vs.棚橋弘至(1/4/16)

G1公式戦:棚橋弘至vs.オカダ・カズチカ(G1 26 N17 8/12/16)
好勝負 G1公式戦:オカダ・カズチカvs.棚橋弘至(8/10/13)

IWGP王座戦:棚橋弘至(ch)vs.オカダ・カズチカ(1/4/15)

EG1公式戦:オカダ・カズチカvs.棚橋弘至(8/10/13)
 何度も手を合わせたカードながら
 序盤の丸め込みの見せ方は意表をついていて
 ながら見させない強力なスポットでした。
 数分も経っていないのにカウント3を信じさせましたからね。

 緊張感をとぎらせず寸止めにより
 上手く積み重ねて行きました。
 棚橋の低空ドロップ・キックをかわす連続シーンはセンスありますね。

 棚橋の腕攻め後、オカダの主導権へ。
 試合の構成上若干トーン・ダウンするも
 しっかり表情で魅せて試合のシリアスさは失わせず
 体力の削りあいとして観客の注意を引いています。

 棚橋が脚へのハイ・フライフロー、ストンピングで追い込みます。
 展開上は必要不可欠ながら
 攻防としてはオカダがロープに走れなくまでなった
 この脚攻めを引きずれ切れていなかったのが残念。

 しかしながら一進一退の完成度は鉄板で
 時間制限含め三つ巴でバランスよく帰結させました。

 ぎりぎり好勝負。
 (執筆日:6/?/13)

FIWGP王座戦:オカダ・カズチカ(ch)vs.棚橋弘至(10/14/13)
 最終決戦。

 相手のムーブを外すのは数を重ねた試合での定番ながら
 ロープ・ワークの使い方はよろしくない。
 棚橋の執拗なヘッド・ロック、オカダの首狙いで温めた後、
 演舞を挟んできた流れの中で棚橋が着地した際に脚痛めるアクシデント。
 と思いきや、怪我した振りで低空ドロップ・キックを決めます。
 この試合の中で印象的なシーンではあるものの
 戦いが複雑化していない中でヒールでもないレスラーがやるには効果として弱い。

 棚橋が低空ドロップ・キックをあくまで
 相手の動きを止めるものとして位置づけ、そこから腕攻め。
 細かい段組のテンポは素晴らしいですね。
 オカダがドラスク後、得意のスケール感に加えて、
 絶妙な勢いづけを加えてクオリティを確かなものにします。

 場外で過激度も高めていく。
 極端なスポットに走らず、繊細に徐々にあげていく感覚が良いですね。
 棚橋の腕攻めを上手く絡めて終盤を最終決着戦模様に仕立てあげました。

 いつも中盤で使われる場外へのハイ・フライフローを
 情熱の証明、捨て身の一撃として再定義し直したのも素晴らしかった。
 クライマックスも既視感はなかったです。

 ただ一つ言うなら最後のレインメーカーの一撃は
 この試合を締めくくるには若干インパクトに欠けました。

 ぎりぎり名勝負。
 (執筆日:11/?/13)

GIWGP王座戦:棚橋弘至(ch)vs.オカダ・カズチカ(1/4/15)
 風格を感じさせる間でスタート。
 ヘッド・ロックを基調にして韻は踏めているが
 少々オーソドックスすぎるきらいがあります。
 ただ不意打ちのオカダのターンに入ると
 柵DDTから花道で追加の一撃を狙う等
 特別性への配慮を加えていきます。
 攻守の切り替えは前回と比べるとやや大雑把。
 メインとしての作り方も起因しているが
 所々で良いスポットが出て加速度も増していきます。
 棚橋のカウンターがもう少し改善されれば
 流れもよりスムーズで夾雑物も入らなかった。
 それぞれ一度必殺技が不発に終わった後、
 脚への攻撃に移り落ち着き過ぎるのではと危惧していたところで
 柵越えのハイ・フライ・フロー。
 試合時間中ずっと右肩上がりではないものの
 下がりうる可能性を毎回しっかり潰しており、
 棚橋vs.オカダのブランドの強さを感じさせました。
 ぎりぎり好勝負。
 (執筆日:4/?/15)

HIWGP王座戦:オカダ・カズチカ(ch)vs.棚橋弘至(1/4/16)
 棚橋のエルボーでライバリティを描いた後、
 棚橋が強制力のある脚攻めへ。
 展開する前にロックアップを挟み、
 そのロックアップで力の入れ具合を十分に伝えたことが利いてますね。

 オカダは今回七色ドロップ・キックによる構築。
 変則ドロップ・キックを
 反撃のキー・ムーブにしていますね。
 棚橋の脚攻めが展開ベースなのに対して
 スポットで華を添えられるのが強い。
 まさに構築スタイルとしてかみ合っています。

 ライバルならではの鬩ぎあいで
 中盤のボリューム感は見事でした。
 棚橋の脚攻めもえぐさを増し、
 定番のリングアウト寸前シーンも
 いつも以上の説得力を感じさせましたね。
 カウンターのネック・ブリーカーへの切り返し合いといい
 何度も手を合わせた2016.1.4だからこそできる動きがあります。

 中盤直後の脚攻めの引きずり合い具合が
 少し軽い印象を受けるもののそれ以外は感心し放し。

 棚橋は挑戦者の位置づけから始まりつつも 
 攻めの流れは流石で団体エースとして昇華し、
 情念の面でも一歩も二歩も上のものを見せる。
 一方でオカダも王者として相手の激流を全て押切り、
 最後に正調ドロップ・キックで完結させるシンプルで完成度の高い試合構築。
 それぞれの必殺技をカウント2で返す、
 単純ながら最後のステージを登るに値する内容。

 文句なしに名勝負。
 (執筆日:1/?/16)

IG1公式戦:棚橋弘至vs.オカダ・カズチカ(G1 26 N17 8/12/16)
 黄金カード再び。

 今回の特別なシチュエーションとしては
 勝者が決勝に進出できる一方で、
 引き分けるとお互いが敗退するというもの。

 だからこそオカダの奇襲には意味があるし、
 それを凌がれてゲーム・メイクを少し長くするのもまた意味がある。

 細やかなステップを踏んでいく試合展開。
 奇襲から始まったからこそ10分経過時に
 疲労感表現の要素も組み込むことが出来て上手く回っています。

 後半に突入するに当たって
 柵へのドラスクという前半の脚攻めとはレベルを変えた同種の攻め。
 ここで脚攻めという展開で時間を潰さなかったのが良かった。

 オカダが場外ツームストンで張り合ったことで
 あくまでライバリティとしての同質性が強く残りました。
 同質性とはいっても細かな違いが個性としても現れているのだから立派。

 棚橋は各種スリング・ブレイドを起点としているものの
 スポットでの構築で分担している訳でもなく、
 まだまだ全般的な能力でわたりあってベストな試合を目指します。
 最後はハイ・フライ・フローを決めカバーした所で時間切れ。
 最後オカダはカウント2で返さなくてもドラマチックな気もします。
 またマスターピースが生まれました。

 文句なしに名勝負。
 (執筆日:8/?/16)