SPW:Thornstowe vs. Luxary Seriesの分析
名勝負 | ダニエル・マカベvs.ティモシー・サッチャー(3-2-1 BATTLE! 7/28/17) |
好勝負 | ダニエル・マカベvs.ティモシー・サッチャー(3-2-1 BATTLE! 7/13/18) ダニエル・マカベvs.ティモシー・サッチャー(3-2-1 BATTLE! 7/12/19) ダニエル・マカベvs.ティモシー・サッチャー(ACTION 4/4/24) |
@ダニエル・マカベvs.ティモシー・サッチャー(3-2-1 BATTLE! 7/28/17)
ダニエル・マカベは初見でしたが、
中々のグラウンド・テクニックを持っていて
ティモシーとしっかり渡り合っています。
プロレスの力学による科学と
ティモシーの恐ろしさによる表現が融合。
猪木がいつぞや殺し、という言葉を使っていた気がしますが、
このプロレスには殺しがあります。
打撃から主導権を掴んだティモシーは
投げを打ち、マウントを取って打撃を打ち込んでいきます。
マカベが隙を作ってバック・ドロップを打とうとするも
ティモシーは打たせません。
この試合は簡単にマカベに技を打たせたら
世界観が崩れてしまいますからね。
鏡のような繊細な世界観は
マカベにロープに振ることすら許しません。
一方的にマカベは潰されていきますが、
このプロレスはMMA的に見るとありえない仮想的なものでありながら
圧倒的な緊張感を見るものに与えます。
地道に積み重ねなければ反撃はなく、
今を耐えなければ反撃は無い。
プロレスのリアルを求め続けたティモシーの世界が
豊かに描き出された驚異の試合。
ぎりぎり名勝負です。
(執筆日:9/?/17)
Aダニエル・マカベvs.ティモシー・サッチャー(3-2-1 BATTLE! 7/13/18)
去年のMOTYCの再戦が実現。
マカベがヒールになっているので、
前回の幻影に悩ませることは無し。
期待に応えるリアルなレスリング。
マカベの姿勢がティモシーの本領を引き出します。
サブミッションが決まるまでの体勢に
どう持って行くのかが鍵としっかり見せれている。
テクニカルな見せ場だけでなく
フェイスvs.ヒールならではの刺々しさもあり、
これは前回のようにアンダードッグ性を使えない中での
格差をなくす要素として上手く使えています。
ティモシーのバーサーカー・モードもあり、
クライマックスも劇的に仕上がっている。
去年程ではないにしろ今年も最高の内容。
文句なしに好勝負。
(執筆日:12/?/18)
Bダニエル・マカベvs.ティモシー・サッチャー(3-2-1 BATTLE! 7/12/19)
それに値する黄金カードとはいえ
まさか3年連続で組まれるとは嬉しいですねぇ。
レスリングは少々端折っているがテクニカル。
不意のビッグ・ブーツからティモシーが主導権を掴むと荒々しい攻め。
ティモシーのこの厳しさは
場内実況形式のこの団体では非常に映えます。
反撃の流れを作る中でマカベはもう少し間を置くと映えた印象。
テンポを優先させすぎたか。
終盤のサブミッション合戦は
決める為の攻防を焦点にしていて彼ららしい。
過去2戦と比べると少し散逸ながら、
テクニカル度に関しては引けを取らず素晴らしい内容です。
ぎりぎり好勝負。
(執筆日:7/?/19)
CAMBITION 準決勝:ティモシー・サッチャーvs.ダニエル・マカベ(wXw 8/8/19)
こちらも体格差はあるのだけれども
静かなレスリングにおいて
極める前の攻防を見せることができるので
プロ格的世界観では全然違ったクオリティとなります。
ポジション、それぞれの腕、脚の入れ方に意味性があるので
ディティールにおいて誰もができるスポット以上の見応えがあります。
かなりプロ格に寄せても良かったように思うが
表面的な見栄えにも後半は歩み寄っている。
ただ打撃"技"を押し出す余り
最後延髄切り一発でダウン・カウント9で
起き上がったところに平手打ちを3発打ってカウント10というのは
この世界観でも余りにリアリティがないように見えます。
前半はUWFから現代に一歩踏み込んだのに
後半は猪木に異種格闘技戦時代に逆行したようなな9分間。
まあまあ良い試合。
Dダニエル・マカベvs.ティモシー・サッチャー(ACTION 4/4/24)
マカベを知ることになったきっかけがティモシーでしたので
マカベの引退が決まったこの2024年に再び組まれたのは嬉しいですね。
ティモシーは押し黙った表情で怖さを見せ、
黙々とレスリング・テクで殺しにいく。
これがティモシーの本来あるべき姿ですよね。
スタイルは確固としたものありつつ
奥底のこのモードに入ることはかなり少ないのが
ティモシーの歯がゆい所ですが、マカベが真のティモシー を呼び起こしました。
組み合った状態でのせめぎ合いから
レスリングの攻防、攻撃的な打撃と見所は多い。
そしてクライマックスは両手使わずの頭突き合戦に、最後はグーパン連打。
数え歌の締めくくりにふさわしいフィニッシュでしたね。
文句なしに好勝負。
(執筆日:12/?/24)