TOPアメリカン・プロレスWWE 2020年 →WWE:Backlsh 6/14/20

WWE:Backlsh 6/14/20の分析


名勝負 ランディ・オートンvs.エッジ
好勝負 なし

@キックオフ・マッチ、US王座戦:アポロ・クルーズ(ch)vs.アンドレード

@女子タッグ王座戦:ベイリー、サーシャ・バンクス(ch)vs.アレクサ・ブリス、ニッキー・クロスvs.アイコニックス
Aシェーマスvs.ジェフ・ハーディ
BRaw女子王座戦:アスカ(ch)vs.ナイア・ジャックス
Cユニバーサル王座戦、ハンディキャップ・マッチ:ブラウン・ストロウマン(ch)vs.ジョン・モリソン、ザ・ミズ
DWWE王座戦:ドリュー・マッキンタイア(ch)vs.ラシュリー

Eランディ・オートンvs.エッジ
 前回のWMは奇襲RKOからのスタートでしたが
 今回はレスリングから始め様式美を感じさせます。
 一方でオートンがエッジのムーブを空振らせ心理的優位に立ったり、
 エッジの頭部へのダメージを心配させたりと情緒にも富んでいます。

 伝統的でありながら表現的。

 場外スーパープレックス狙いを防いだエッジが
 エプロンのオートンにダイビング・クローズラインを決めるとオートンが流血。
 最高の試合は最高の試合足り得るアクシデントも味方になります。

 エッジがキャリア最高の色気を振りまく試合運び。
 オートンが強引に切り替えると
 実況席へのバック・ドロップなど荒い攻めでエッジを甚振ります。
 
 脳震盪で一回引退している背景もありますが、
 それがなくても心打たれる程、
 エッジの表情、仕草はリアリスティック。

 エッジは03年怪我前の時期こそ若さあふれる躍動感がありフェイスとしてピークで、
 ヒールとしてはマット、リタとの騒動で吹っ切れた時期がピークだと思っていました。

 そのピークの時でさえ、
 時の人としてスパスタとしては一流でも
 レスラーとして見た時には不器用な所がありベストなレスラーではなかった。
 それが引退した後に今唯一無二の表現で自分の限界を超えてきたことは信じられない。
 まさに奇跡の復活です。

 オートンも毛並みの良いプロレスをする一方で
 RKOだけでお金を取れたり、モチベーションに波があるせいか
 意外に試合としては一線を越えない印象がありますが、
 今回はアイアン・マン・マッチを除けば
 キャリアの中でも最長?の試合をしっかりやりきりました。

 2人がキャリアを築いてきた中で接してきた
 因縁のレスラーの技を織り交ぜた
 終盤の攻防も意趣に富んでいて
 単なるニア・フォール合戦に終わらせないでいる。

 Greatest Wrestling Match Everという
 売り文句を誇大広告にせずに貫徹して見せましたね。

 反面これはこの試合が人造的であることの象徴でもあります。

 Greatestという言葉は戦いという建前の中、演者側から事前に放たれるには余りに不適切です。

 Rated-RKOという好タッグの元パートナー同士とはいえ
 組んだ時にそれぞれ個として完成されていたので、
 オートンvs.エッジというカードには小橋vs.三沢のような歴史の厚みも感じさせません。

 そして歓声を編集で追加(増幅というレベルではなく)するのは文字通り人造的です。

 しかしGreatest Wrestling Match Everというミッションを与えられて
 それを紡ぎだす為に自分を振り返り、見つめなおし、
 今を生きて、相手と向かい合った2人のプロセスは極めて人間的です。

 人間的である為に人造的であったならば
 その多少の過ちも恩赦が与えられて然るべきでしょう。
 
 マスターピース。
 
 ぎりぎり名勝負です。
 (執筆日:6/?/20)
DVD Rating:★★★☆☆

注目試合の詳細

なし

試合結果

@キックオフ・マッチ、US王座戦:アポロ・クルーズ(ch)vs.アンドレード
@女子タッグ王座戦:ベイリー、サーシャ・バンクス(ch)vs.アレクサ・ブリス、ニッキー・クロスvs.アイコニックス
Aシェーマスvs.ジェフ・ハーディ
BRaw女子王座戦:アスカ(ch)vs.ナイア・ジャックス(ダブル・カウントアウト)
Cユニバーサル王座戦、ハンディキャップ・マッチ:ブラウン・ストロウマン(ch)vs.ジョン・モリソン、ザ・ミズ
DWWE王座戦:ドリュー・マッキンタイア(ch)vs.ラシュリー
Eランディ・オートンvs.エッジ