TOPアメリカン・プロレスWWE 2019年 →WWE:NXT Takeover Toronto II 8/10/19

WWE:NXT Takeover Toronto II 8/10/19の分析


名勝負 なし
好勝負 イオ・シライvs.キャンディス・ラレー

ノース・アメリカン王座戦:ヴェルヴェティーン・ドリーム(ch)vs.ピート・ダンvs.ロデリック・ストロング

@タッグ王座戦:ストリート・プロフィッツ(アンジェロ・ドーキンス、モンテス・フォード)(ch)vs.アンディスピューテッド・エラ(カイル・オライリー、ボビー・フィッシュ)
 アンジェロがアマレス・スキルを見せ、
 モンテスが長身を活かした見栄えのする演舞。
 SPは王者を任せるに足る輝きを放っていますね。

 UEは鉄板で自分の魅力を伝えつつ、
 相手も同時に立てる上手さを見せています。
 まだまだ構築で弱いところのあるSPに対して
 モンテスへの脚攻めで方向性を明示していましたね。

 充実のオープニング。
 好勝負に届かずも中々良い試合。

Aイオ・シライvs.キャンディス・ラレー
 キャンディスが入場するなり殴りかかって試合開始。
 闇落ちしたイオが実況席へのブレーン・バスターなど
 過激な攻めでキャンディスをダウン・モードに追いやります。

 アスリートとしてはベストではないものの
 フェイスとしての資質はトップ・クラスのキャンディスを
 イオが完全コントロールしベスト・マッチ。
 これまでWWEで日本人がヒールとして振舞う時に
 少なからず異国感を出さないといけなかった中で
 イオが無国籍のヒールの振る舞いで煽れていたのには感心しました。

 構成、ドラマ性が飛び切りで盛り上がりましたね。
 理論上はそれを実現しうるカードだけど
 本当にここまでの試合になるとは夢にも思わなかった。
 まさかのMOTNです。
 文句なしに好勝負。

Bノース・アメリカン王座戦:ヴェルヴェティーン・ドリーム(ch)vs.ピート・ダンvs.ロデリック・ストロング
 攻めは的確で受けも適切。
 3人が個性を出しつつ、調和が取れているのは見事です。

 ロデリックがヒールとして中盤の軸と成り、
 数珠打ちで後半盛り上げていくシーンなど
 この面子にしては王道過ぎるきらいはあるものの
 この試合順ということを考えると仕方ないか。
 飛びぬけて凄い試合を狙ってはいないが、

 80点のラインを狙ってしっかり実現させた技量に拍手。
 ぎりぎり好勝負。


CNXT女子王座戦:シェイナ・ベイズラー(ch)vs.ミア・イム

DNXT王座戦、3本勝負:アダム・コール(ch)vs.ジョニー・ガルガーノ
 (1本目:通常形式、2本目:ストリート・ファイト、3本目:?)

 何度となく戦っているマッチアップなので
 序盤から多くの細かなフェイントを織り交ぜていますね。
 ガルガーノが鉄階段誤爆から脚攻め、
 コールがエプロンへのジャーマンから首攻め。
 それぞれの部位攻めが切り返しの際に利いてきたり、
 数え歌ならではの多数のカウンター合戦が展開されたりと
 実に見応えのある内容に仕上がっています。
 コールが挑発の為に取り出した椅子を
 ガルガーノが敢えて使って1本目はDQフィニッシュ。

 コールが生意気キャラからヘタレ・キャラへ転調しガルガーノによる制裁へ。
 3本勝負のロング・マッチなので、
 このストーリー重視のフィニッシュは正解でしょう。
 ストーリー上一方的でなければいけない場外戦においては
 その一方的であることで退屈させないよう
 ビジネス・チェア、バリケード破壊、実況席と
 小さなものから大きいものまでスポットを揃えていましたね。
 また観客の期待に応えてテーブルを取り出しつつ、
 テーブルを使わずに3本目に雪崩れ込む展開も
 良い意味で読みを外しつつ、攻防自体はしっかり帰結されています。

 3本目。
 事前に明かされなかった形式ですが、
 ウェポンズ・ケージ・マッチに。
 ただのケージ・マッチではなく脱出ルールなしで、
 ありとあらゆる凶器がケージについている形式ですね。

 ただこれは完全な失敗でした。
 更なる過激なもの、という合理性は分かるし
 2本目のストリート・ファイトを場外偏重にして事前配慮も出来ていますが、
 散逸な凶器の浪費にしかなっていません。
 ダメージ設定も壊れている。

 一方で金網自体は凶器として使われなかったですね。
 現代では過激度が低いと見なされてしまう金網ですが、
 伝統的な凶器で、これで凄惨さを表現したかった。
 勿論流血禁止はその追求の上でかなり厳しいハードルなのですが、
 この2人ならどうにかしてくれる、と信じていたのに。

 そしてケージ脱出ルールもない中で
 最後に一番迫力のあるスポットをフィニッシュに持ってくるのは良いですが、
 これ明らかにコールの方が下でダメージ重いはずですよね。
 リングに墜落後たまたま体が上にあった、というのを狙っていたのでしょうか。
 それが出来なかった時点で手痛いマイナス要素。
 それなら普通にコールが技をかける側で良かった。

 最初の2本はブック、パフォーマンスともに諸手で賛辞を送る内容ながら
 3本目がひどくて、抗争決着戦としては物足りない結果に。
 好勝負に少し届かず。

 (執筆日:8/?/19)
Rating:★★★★☆

注目試合の詳細

なし

試合結果

@タッグ王座戦:ストリート・プロフィッツ(アンジェロ・ドーキンス、モンテス・フォード)(ch)vs.アンディスピューテッド・エラ(カイル・オライリー、ボビー・フィッシュ)
Aイオ・シライvs.キャンディス・ラレー
Bノース・アメリカン王座戦:ヴェルヴェティーン・ドリーム(ch)vs.ピート・ダンvs.ロデリック・ストロング
CNXT女子王座戦:シェイナ・ベイズラー(ch)vs.ミア・イム
DNXT王座戦、3本勝負:アダム・コール(ch)vs.ジョニー・ガルガーノ(2-1)