TOPアメリカン・プロレスWWE 2004年 →WWE:Bad Blood 6/13/04

WWE:Bad Blood 6/13/04の分析


名勝負 なし
好勝負 なし

3試合目はそれぞれ有望株同士
切磋琢磨して粗いながらも良い試合に。

E世界ヘビー級王座戦:クリス・ベノワ(ch)vs.ケイン
ベノワは攻撃性が売りとはいえ
 最初にハードな打撃がケインに利いているのは勿体無い。
 それで一進一退が可能になっているけれど
 ケインが耐える形にすればその後のケインの怪物性を際立たせる
 ベノワの努力に対してより相応のリワードが得られたと思います。
 それはともかくとしてベノワのキャリーによってケインのキャリアの中でも随一の内容になっています。
 好勝負に届かずも中々良い試合。
 (執筆日:11/1/09)

Fヘル・イン・ア・セル:トリプルHvs.ショーン・マイケルズ
ドル箱カードの最終決戦。
 その変転する奇怪な姿は最後に本質が見えるけれどもひとまずは順序を追ってみていきます。

 1/4。
 HHHが間をいつも以上に置き、HBKも最初のカバーから疲労感を出してくる事に違和感を感じますね。
 場外を多用するものの、試合を作るために使う気はありません。
 また感情に流されている割に雄弁に見せるつもりもない。
 しかし咀嚼できる攻めで間違いなく悪いものではない、と。

 2/4。
 この頃になると歯車は回ってきます。
 言葉が足りないと感じるものの、表情は出始めているし、
 やっている事はスローでも、スローには感じさせない。
 リズムのつけ方も良くなっています。
 HIACという事で過激な面も出てきますね。
 椅子へのサイド・スラムなどが行われますが、
 初期のような、体を張った頑張りに依存する物ではありませんでした。
 しかしそれが売りなのは間違いありません。
 過激化の代償をしなくても良いのに彼らは払っています。
 トップ・スターとしてWWFの過激化を肌で体験していますからね。
 やはりその血がさせたのでしょうか。
 この時点でまだ実体は見えませんね。 
 47分の長時間を前提とした構築ではないし、
 10分が20分、30分と続いていく内容でもありません。

 3/4。
 初めて、大きな仕掛けがありました。
 流血レベルと凶器の配置、表情で段階を踏む事を考えていたようで1ステージ上げています。
 それに伴い構築手法の全貌も見えてきます。
 思いのほか単純で技、切り返しを全て書き出し、それを分散させる、というものですね。
 HIACですが閉じ込められている印象はなく
 あるとすれば物理的より精神的な閉塞感でした。

 4/4。
 両膝をついての殴り合いから支えあって起き上がり必殺技を決めるもダウン、という完全に死闘モードな内容です。
 でもそんなに盛り上がっていません。
 なぜならまずエンターテインの部分を観客の感じる余地として丸投げしたものの、
 結局観客が自発的に行間を埋める物が2人には足りなかったからですね。
それで残ったのは私的すぎる戦い。
 スケール・アップしない等身大な物なのでダウンや間が長かったのも当然ですね。
 疲れをそのまま溜め続ける。
 力を振り絞って疲れを跳ね除けて動くという事がない。
 自分の為にしか戦っていないので120%の力も出ず、何も背負っていない。
 名勝負になるぬも当然といった事で。

 ある種の異形の試合としての面白みはあったけど
 結局このカードのゴールド・スタンダードがRawの一戦のみになるとは思いませんでした。
 中々良い試合。
 (執筆日:11/5/09)
DVD Rating:★★★☆☆

注目試合の詳細

E世界ヘビー級王座戦:クリス・ベノワ (ch)vs.ケイン
  凶獣が襲い掛かるがケインのパワーが強すぎてレスリング勝負に持ち込めない。
  試合の流れは徐々にケインのほうに傾いていく。
  ケインはベノワの首に狙いをつける。
  ベノワはケインを鉄柱にぶつけると脚を攻めグラウンドに持ち込む。
  ビッグ・ブーツを避けるとシャープ・シューター!
  ケインはロープを掴み取る。
  ベノワはジャーマン3連発からコーナーへ登るもケインがむくっと起き上がる。
  更にジャーマン3連発きめダイビング・ヘッド・バッド!
  しかしそれでもケインはむくっと起き上がる。
  ケインはクロス・フェイスを防ぐとチョーク・スラム!
  カバーに行くもカウントは2!
  ならばとツームストンを狙うも避けられる。
  ビッグ・ブーツを決めるとダイビング・クローズラインへ。
  しかしベノワはその勢いを利用しクロス・フェイスに捕らえる!
  ケインは力任せに立ちあがる!
  ベノワは逆の腕を取りクロス・フェイスかと思わせて丸め込み1,2,3!
  ベノワが防衛!

Fヘル・イン・ア・セル:トリプルHvs.ショーン・マイケルズ
  憎しみが強すぎてレスリングにならない。
  HBKが優勢に進める。
  HHHはHBKを場外に投げ捨て自分のペースに持っていこうとする。
  HBKがHHHをセルにぶつけ流血させる。
  HHHはHBKの腰に狙いをつける。
  椅子攻撃を避けられるも鉄柱、セルにぶつけ痛めつけていく。
  椅子を使って腰を破壊していく。
  ペディグリーに捕らえるもHBKはロー・ブロー。
  鉄階段状でパイル・ドライバー狙うもリバース・スープレックスに返される。
  鉄階段攻撃を避けるとフライング・フォア・アームズを決め跳び起きる。
  スイート・チン・ミュージックに行くもHHHは避けて鉄階段攻撃 で流血させる。
  HBKはスリーパーから逃れるとDDT。
  椅子をHHHの脳天に叩きこんでいく!
  カバーするがカウントは 2!
  HBKはラダーを使って攻撃していく!
  ダイビング・エルボー・ドロップに行くが自爆!
  2人は残った力を振り絞り殴りあう。
  HHHをテーブルに載せるとラダー上からダイビング・エルボー・ドロップ!
  カバーするもカウントは 2!
  HBKは前奏をならしスイート・チン・ミュージックへ!
  しかしHHHは避けロー・ブローからペディグリー!
  カバーするがカウントは 2!
  互いを支えにして起き上が る。
  電光石火のスイート・チン・ミュージックが決まるもカウントは2!
  HHHがペディグリー!
  更 にもう一発ペディグリーを決めカバー1,2,3!でHHHの勝利!
 

試合結果

@世界タッグ王座戦:ラ・レジスタンス (ch)vs.クリス・ベノワ、エッジ(DQ)
Aクリス・ジェリコvs.タイソン・トムコ
BIC王座戦:ランディ・オートン(ch)vs.シェルトン・ベンジャミン
C女子王座戦:ヴィクトリア(ch)vs.ゲイル・キムvs.トリッシュ・ストラタス(新チャンピオン!)vs. リタ
Dユージーンvs.ジョナサン・コーチマン
E世界ヘビー級王座戦:クリス・ベノワ(ch)vs.ケイン
Fヘル・イン・ア・セル:トリプルHvs.ショーン・マイケルズ