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WCW:TV Matches 〜1987の分析


名勝負 NWA王座戦:リック・フレアー(ch)vs.リッキー・スティムボート(Night of Champions 5/29/84)
好勝負 ノーDQ:タリー・ブランチャードvs.リッキー・モートン(9/19/87)

@タッグ王座戦、ケージ・マッチ:ドン・ケンドール、サージェント・スローター(ch)vs.リッキー・スティムボート、ジェイ・ヤングブロッド(Final Conflict 3/12/83)
 序盤リッキー、ジェイがレスリングによる支配で韻を踏んで構築。
 ドン、サージが受け手として何もしないのが残念ですね。
 ラフ・ファイターなので苦手な領域なのでしょうけど。
 中盤の孤立にいく前に序中盤があったのは良かったですね。
 相手の陣営に引きずり込まれながらも攻撃して脱出、
 盛り上がる技を決めて優位性をアピールしており、秀逸な繋ぎです。
 中盤はリッキーの孤立。
 ここでもドン、サージの捕まえ方は褒められたものではなく緩めです。
 しかし要所ではしっかりケージや飛び技を使っています。
 全体的な展開作りに関しては上手いですね。
 終盤はトルネード気味に盛り上げました。
 最後控えがリングのカバーを入れ替えるフィニッシュだったのはちょっと物足りなかった。
 密度ではなく試合時間で勝負しクオリティを稼いできました。
 中々良い試合。

ANWA王座戦:リック・フレアー(ch)vs.リッキー・スティムボート(Night of Champions 5/29/84)
 フレアーの歩き方は完全にコントロールされている。
 リッキーと理解していてどこまで踏み込むか、踏み込めるか同じイメージを抱くことが出来ている。
 まずは上質なレスリングをまったりと。
 リッキーの基本的なムーブを大きく見せます。
 基本ヘッド・ロック決めているだけの展開なのに
 そのタイミング、変化、立体感だけでここまで面白くなるとは相変わらず驚きですね。
 密着していようと仕切って離れても2人の間の緊密度が変わりません。
 これまでの手合わせの経験も完全に+の形で利用されています。
 またスリーパー、スタンガンやボディ・リフト、これらの技の性質を完全に理解している。
 レスリングをベースに全ての技を最大の意味性、効果と共に織り交ぜる。
 これがリッキーXフレアーです。
 面白すぎて笑ってしまいます。
 終盤4の字を決めた後がそれまでと比べるとやや雲散霧消しているように思えましたが
 最後はばっちし決めるし、幸せな30分間でした。
 89年の4連戦と比べても遜色ない内容です。
 文句なしに名勝負。
 (執筆日:3/17/11)

Bタッグ王座戦:ロックンロール・エクスプレス(ch)vs.ミッドナイト・エクスプレス(Superstars on the Superstation 2/7/86)
 Clash of the Championsが始まる前、
 同じようなコンセプトで無料放送のSP版が行われた事がありました。
 その一つがこのSuperstars on the Superstation。
 ファン投票により選ばれたドリーム・マッチが組まれた大会でした。

 さて試合はMNEの奇襲からスタート。
 RREが反撃し相手2人をぶつけたりして華のある攻めを見せています。
 MNEは要所で連携技を叩き込みながら
 試合の大枠の流れを作る孤立シーンを上手く作っています。
 ただ相手の抵抗の抑え方という点ではやっぱりスタン・レーンに劣りますね。
 この頃はレーンではなくデニス・コンドレ-の時代ですから。
 フィニッシャーの合体技ロケット・ランチャーをかわしてRREがタッチ成功。
 爆発的な盛り上がりを生むとコルネットの介入絡みの攻防に持っていく。
 ベビーフェイスとヒールの役割を明確に分け、
 孤立シーンのダイナミズムで魅了した古きよきNWAタッグらしい内容。
 この試合でMNEは初のタッグ王座を獲得しました。
 中々良い試合。

CNWA王座戦:リック・フレアー(ch)vs.ロニー・ガービン(Superstars on the Superstation 2/7/86)
 アダム・ピアースにさえマジック・タイムがあったのだから
 トミー・リッチよりもNWA王者になった事が解せぬロニー・ガービンという男にもその瞬間があったのかもしれない。
 そう思ってWrestling Observerで評価されているこの試合を見つけたけれども・・・
 あぁ、普通の試合ですねぇ。
 鉄の拳なんて通り名を持っているロニーですけれども、張り手とその拳を使い分ける気はありません。
 その打撃の後にたいした攻撃も続かず、
 またフレアーの型にはまっていく、素直さとでもいうべき性質も持ち合わせていない。
 耐え表現もないのでフレアーに迫る様子も様になっていないし、
 反応が遅いせいで一進一退もタイミングがずれています。
 ロニーがレスラーとしてとても評価できない事を改めて実感しただけの試合でした。 
 悪くない試合。

DUSタッグ王座戦:ミッドナイト・エクスプレス(ch)vs.バリー・ウィンダム、ロニー・ガービン(5/16/87)
 まずはMNEがパンチに対して大きく受けます。
 この頃はまだ控え受けはしてないようですね。
 1度仕掛けを防がれて前振りしてからガービンを孤立させます。
 攻め入る獰猛性、逃さない引き締めどちらも優れていて完成度の高いタッグ・ワークを見せます。
 次はウィンダムの孤立。
 ガービンと異なりウィンダムの強さに配慮したスタートでしたが、
 途中から追い込みではなく捕らえ続ける事が目的の攻めになってしまったのが残念ですね。
 終盤はコルネット介入などのスポットを重ねて盛り上げました。
 ガービンは相変わらず魅力がなかったけれど他はしっかり仕事している。
 中々良い試合。
 (執筆日:3/16/11)

ETV王座戦、$100,000マッチ:ダスティ・ローデス(ch)vs.タリー・ブランチャード(6/6/87)
 ダスティの最大の強みはエルボーを構えてポージングするだけであれだけ盛り上がる事。
 これにより瞬間最高盛り上がりを生み出します。
 後は1シーンで区切られる試合運び面の弱点をどうするかですが、
 ダスティ自身の待つか動くかの判断も
 タリーの派手な受身か、場外で間を置くかの判断も
 どちらも優れていて、仕切りながらストーリーを奏でました。
 交通事故にあったマグナムTAが見守っているという
 シチュエーションも華を添えましたね。
 終盤も読み合いを含んだ深みのある攻防でした。
 これまでで観たダスティの試合の中で一番高度な内容でした。
 好勝負に少し届かず。
 (執筆日:1/15/12)

FノーDQ:タリー・ブランチャードvs.リッキー・モートン(9/19/87)
 タリーは相手の攻めに攻め返しておきながらヘタレる。
 ヘタレるという行為の機能性から
 最近はこういう能動的な使い方は余り見られなくなりましたねぇ。
 タリーが軽く流血した所で一旦仕切る。
 中盤はタリーが場外を使ったり、脚を狙ったりと
 様々な戦略で追い込んでいきます。
 その一種の取り留めのなさと焦燥は
 スマートなキャラのタリーらしからぬもので
 ノーDQならではの雰囲気を醸しています。
 テンポ良く通常形式のレベルを乗り越えると
 当時のお約束、定番の攻防を数多く意欲的に取り込み、
 最後も素晴らしいフィニッシュで〆てきました。
 当時のノーDQなので今の過激さとはずれがありますが、
 ハードで革新的な素晴らしい試合でした。
 ぎりぎり好勝負。
 試合後アーンが襲撃。
 タリーがモートンにベルトを打ち付けていくと、ウィンダムが現れ追い払う。
 (執筆日:1/15/12)

注目試合の詳細

ANWA王座戦:リック・フレアー(ch)vs.リッキー・スティムボート(NWA Night of Champions 5/29/84)
  組むとスティムボートがヘッド・ロック。
  フレアーが押し上げロープに振る。
  スティムボートがショルダー・タックル。
  ロープに走る。
  リープ・フロッグを潜ると止まってドロップ・キック。
  もう1発。
  構えるとフレアーがびびって下がる。
  組むとフレアーが脚を掴んで倒しバックを取る。
  スティムボートがバックを取り返した様子。
  腕を取る。
  フレアーはドロップ・トー・ホールドからバックをとる。
  もがくスティムボートにフロント・ヘッド・ロック。
  スティムボートが逃れヘッド・ロック。
  フレアーは起き上がると持ち上げる。
  スティムボートが首投げでグラウンドに戻す。
  フレアーは起き上がるとコーナーに押し込む。
  ショルダー・ブロック。
  チョップ。
  コーナーに振ろうとする。
  スティムボートは振り返すとショルダー・スルー。
  フライング・ヘッド・シザース。
  グラウンド・ヘッド・ロック。
  フレアーが両肩をつけにいく。
  スティムボートは何とかカウント2で耐える。
  ロープに振られショルダー・タックル。
  ロープに走る。
  伏せたフレアーを飛び越えると同時にヘッド・ロック。
  フロント・ヘッド・ロック。
  フレアーは持ち上げるとコーナーに叩きつける。
  スティムボートは耐えて締め上げる。
  フレアーは持ち上げるとコーナーに叩きつける。
  スティムボートは耐えて締め上げる。
  フレアーがブレーン・バスター。
  それでもスティムボートは離さず上にかぶさる。カウント2。
  フレアーは起き上がるとコーナーに押し込む。
  離れずチョップ。
  パンチ。
  トップ。
  スティムボートもチョップで打ち返していく。
  ダブル・チョップ。
  クロス・チョップ。
  スナップ・メアでチン・ロック。
  フレアーはロープに振るとヒップ・トス。
  エルボー・ドロップへ。
  避けられたのでロープに走りショルダー・タックル。
  ロープに走る。
  スティムボートがボディ・リフト。
  フレアー許しを請う。
  組むとフレアーがニー。
  場外に落とす。
  スティムボートが素早くコーナーに上って飛び脳天チョップ。
  スナップ・メアからヘッド・ロック。
  フレアーがコーナーに押し込みエルボー。
  顔にパンチ。
  チョップ。
  顔にパンチ。
  スティムボートが体勢を入れ替えチョップを連打。
  コーナーに振る。
  フレアーが一回転。
  拳を振る。
  スティムボートはかわすとクロス・チョップ。
  フレアーはたまらず場外に出る。
  組むとフレアーがヘッド・ロック。
  ハンマー・ロックへ。
  スティムボートがヘッド・ロックに返しグラウンドに倒す。
  フレアーはカウント2で返すとロープに振る。
  スティムボートがショルダー・タックル。
  ロープに走る。
  フレアーがカウンターでスタンガン。
  スナップ・メア。
  ニー・ドロップ。
  バタフライ・スープレックスを狙う。
  抵抗されたのでブレーン・バスター。
  カバーするもカウント2。
  アブナミドル・ストレッチ。
  レフェリーが見えないようにタイツや髪をつかんで威力を強化。
  見つかったので離してチョップで倒す。
  レフェリーの胸を突く。
  レフェリーもつき返す。
  その隙をついてスティムボートが丸め込み。
  フレアーはカウント2で返すとチョップ。
  コーナーに振ろうとする。
  スティムボートが振り返しスリーパー。
  崩れたフレアーをカバー。
  フレアーの脚がロープにかかる。
  スティムボートがロープに走りボディ・プレスへ。
  フレアーが両膝を立てて迎撃。
  (映像が乱れる)
  スティムボートがフレアーのチョップを耐え殴りつける。
  チョップで倒す。
  パンチ。
  フレアーが腹にヘッド・バッド。
  ブレーン・バスターを狙う。
  スティムボートが後ろに逃れスリーパー。
  押してコーナーにぶつけ丸め込む。
  カウント2で返されるなりフロント・ヘッド・ロック。
  フレアーがひざを突きながらロープに押し込む。
  ぐったりしている振りしていきなりチョップをうとうとする。
  スティムボートは防ぐとチョップにパンチで倒す。
  フレアーを起こすとパンチにチョップ。
  フレアーがチョップ。
  ヘッド・ロック。
  スティムボートがロープに振りリープ・フロッグからダブル・チョップ。
  許しを請うフレアーにパンチを叩き落す。
  もう1発。
  ボディ・リフト。
  ゴリラ・スラム。
  起こそうとする。
  フレアーがインサイド・クレイドル。
  スティムボートがカウント2で返し丸め込み。
  フレアーはカウント2で返すとチョップ。
  ふらついたスティムボートにブレーン・バスターを狙う。
  スティムボートは脚をかけて防ぐとブレーン・バスター。
  カバー。カウント2。
  コーナーに上りダイビング・クロス・ボディ。カウントは2。
  ロープに走りエルボー・ドロップへ。
  フレアーがかわして自爆させる。
  チョップ。
  スティムボートがチョップ。
  ヘッド・ロック。
  フレアーがニー・クラッシャー。
  4の字へ。
  スティムボートは脚を掴んで耐えるも決まってしまう。
  スティムボートが体勢を入れ替える。
  解いたフレアーの脚にエルボー・ドロップ。
  脚を掴む。
  フレアーが蹴り飛ばす。
  ニー・ドロップへ。
  スティムボートは受け止めると持ったまま起き上がる。
  拳をかわすとチョップで倒し4の字。
  フレアーが何とかロープを掴む。
  両足を掴むと引っ張りあげマットに叩きつける。
  脚にエルボー・ドロップを決めレッグ・ロック。
  フレアーが髪をつかんで引き離そうとする。
  スティムボートがマウントで殴りつけていく。
  フレアーは跳ね除けると構えて拳を振る。
  スティムボートはかわすとチョップで倒す。
  チョップで倒す。
  モンゴリアン・チョップ。
  フレアーが腹にパンチ。
  場外に落とす。
  スティムボートが素早くエプロンに上がってくる。
  ロープ越しにサンセット・フリップ。カウント2。
  インサイド・クレイドル。カウント2。
  フレアーがチョップ。
  ロープに振りショルダー・スルーを狙う。
  スティムボートが馬飛びで超えてドロップ・キックへ。
  読んでいたフレアーがスウェーして自爆させる。
  バック・ブリーカー。
  カバー。カウント2。
  コーナー上へ。
  スティムボートが捕まえデッドリー・ドライブ。
  フィスト・ドロップ。
  ボディ・リフト。
  ゴリラ・スラム。
  コーナーに上る。
  ダイビング・ボディ・プレス。
  フレアーの脚がロープにかかる。
  起こしてチョップ。
  チョップ。
  コーナーにもたれたフレアーにチョップを決め殴る。
  フレアーがニー。
  グラウンド・ヘッド・ロック。
  グラウンド・ヘッド・シザースに返されるも跳ね除け上にかぶさる。
  スティムボートがブリッジで起き上がりバック・スライド。カウント2。
  フレアーが腹にパンチ。
  バック・ドロップへ。
  スティムボートが後ろに着地しオコーナー・ロール。
  フレアーが体勢を入れ替えタイツを掴む。カウント3!
  フレアーの防衛!

試合結果

@タッグ王座戦、ケージ・マッチ:ドン・ケンドール、サージェント・スローター(ch)vs.リッキー・スティムボート、ジェイ・ヤングブロッド(新チャンピオン!)(Final Conflict 3/12/83)
ANWA王座戦:リック・フレアー(ch)vs.リッキー・スティムボート(Night of Champions 5/29/84)
Bタッグ王座戦:ロックンロール・エクスプレス(ch)vs.ミッドナイト・エクスプレス(新チャンピオン!)(Superstars on the Superstation 2/7/86)
CNWA王座戦:リック・フレアー(ch)vs.ロニー・ガービン(Superstars on the Superstation 2/7/86)
DUSタッグ王座戦:ミッドナイト・エクスプレス(ch)vs.バリー・ウィンダム、ロニー・ガービン(5/16/87)
ETV王座戦、$100,000マッチ:ダスティ・ローデス(ch)vs.タリー・ブランチャード(6/6/87)
FノーDQ:タリー・ブランチャードvs.リッキー・モートン(リングアウト)(9/19/87)