WCCW:Best of WCCW 1985の分析
名勝負 | なし |
好勝負 | ヘア・マッチ:ジノ・ヘルナンデス、クリス・アダムスvs.ケリー&ケビン・フォン・エリック(10/6/85) |
@アメリカン・タッグ王座戦:ファンタスティックス(ch)vs.ミッドナイト・エクスプレス(1/11/85)
序盤、終盤では複雑なアクロバティックなスポットに挑戦していますね。
その華やかさの裏で自然な感じは少し失われています。
中盤はフルトンの孤立。
前回のような生々しい遺恨は感じられず、
試合運びのベースと他とを区別した観ていて分かりやすいファイトとなっています。
総じてTVスタジオ向きに試合内容がシフトしています。
上質ではあるものの当時の売れ線といった内容で、
彼ら本来の魅力から成された物に見えないのが残念。
平均的な良試合。
ANWA王座戦:リック・フレアー(ch)vs.ケビン・フォン・エリック(5/5/85)
フレアーが序盤からピンチを演出し、ぎりぎりで凌いでいきます。
一気に盛り上がった後はフレアーがタイツを掴んでのアブナミドル・ストレッチなど
コテコテのヒールの見せ方でその盛り上がりをベビーフェイスvs.ヒールに変質させて引き継ぐ。
フレアーが一回転してコーナーに乗り上げるムーブを利用してもう1つのリングに落ち、
ケビンが追いかけてダイビング・クロス・ボディを決めるシーンは見事でしたね。
WCCW、ダブル・リングという状況に対応しながら
手を変え品を変えで退屈させない攻防を生み出します。
ケビンは上にかぶさられた所からブリッジで起き上がる動きなど見ても
レスリングのスキルとしてとても評価できないのは相変わらずでしたが、それにしても凄い盛り上がりでした。
最後はクロー決めた後両リンでフレアーらしい防衛っぷり。
中々良い試合。
Bヘア・マッチ:ジノ・ヘルナンデス、クリス・アダムスvs.ケリー&ケビン・フォン・エリック(10/6/85)
まずはケビンの孤立。
ケビンは型なんておかまいなしですが、その野生児的な動きは観る者を盛り上がらせます。
ヘルナンデス、アダムスもそんなケビンをきちんと孤立させました。
続いてはケリーの孤立。
ケリーは型にはまって行動自体は特筆すべき物はないが、
外見は理想的で、そこから繰り出される拳は最高峰。
そして80年代のプロレスにおいて拳こそ他のどんな技よりも重要なものです。
ヘルナンデス、アダムスは引き続き安定して孤立シーンを作り上げ、
プラス1として椅子やスリーパーの攻防をつけくわえています。
両者タッチから終盤に入るとカオスな攻防に突入。
後頭部にスーパー・キックを打ち合うという抗争決着戦ならではのムーブもありますが、
1つ1つの構成因子に過ぎないムーブよりも展開の価値を知っていたのが80年代プロレス。
パウダーでケリーを眼つぶしして、1対2の絶体絶命のピンチを演出し、
最後はジャスト・タイミングで復活したケリーが丸めこんでエリック兄弟の勝利というハッピー・エンド。
素晴らしい試合でしたね。
ぎりぎり好勝負。
(執筆日:10/12/11)
注目試合の詳細
なし試合結果
@アメリカン・タッグ王座戦:ファンタスティックス(ch)vs.ミッドナイト・エクスプレス(1/11/85)ANWA王座戦:リック・フレアー(ch)vs.ケビン・フォン・エリック(両者リングアウト)(5/5/85)
Bヘア・マッチ:ジノ・ヘルナンデス、クリス・アダムスvs.ケリー&ケビン・フォン・エリック(10/6/85)