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WCCW:Best of WCCW 1984の分析


名勝負 なし
好勝負 テキサス・デス・マッチ:キラー・カーンvs.テリー・ゴディ(11/22/84)

@NWA王座戦:リック・フレアー(ch)vs.クリス・アダムス(2/3/84)
 アダムスはケリーに襲いかかってヒールになったばかり。
 フレアーはそのケリーから王座を奪った選手ながら
 このアダムスが相手とあって歓声も集まりベビーフェイス的位置づけになっています。
 といってもヒールっぽい振舞いも残っています。
 アダムスのロープを悪用したり、髪を引っ張って倒して
 じっくりしたレスリングで腕を狙うのに対し、
 フレアーは挑発、ラフ・ファイト、ロープや場外を使った攻めでやり返します。
 同じダーティ・ファイトなのに
 アダムスが密着しているのに対し、フレアーが距離を取っている対比性が素晴らしいですね。
 最後はセコンドのゲイリー・ハートが乱入する形ながら
 いつもと違うフレアーの試合で面白かったですね。
 好勝負に届かずも中々良い試合。

Aエニシング・ゴーズ:フリーバーズvs.ザ・フォン・エリックス(7/4/84)
 時々エリックスが3人同時のドロップ・キック等を見せますが
 それ以外はベルト、ブーツを常備で一心不乱に乱闘です。
 確かに素晴らしい乱闘だけど余りその人ならではの物を感じませんでした。
 別格の格好良さで存在感を示すケリーを除けば
 他の5人はフリーバーズ、エリックスの1人でしかなかった。
 そもそもケビンは素人か、って思うような動きでしたし。
 またわずか7分、キラー・カーンの乱入援護のフィニッシュですからねぇ。
 これはFeud of the Yearで取り上げるべき試合のように思います。
 常日頃からHotなWCCWの観客が更に熱狂していたけれど盛り上がりとは別次元の特別性は感じなかった。
 中々良い試合。
 (執筆日:10/?/09)

Bバンクハウス・イリミネーション・ケージ・マッチ:マイケル・ヘイズ、テリー・ゴーディ、バディ・ロバーツvs.ケリー、ケビン&マイク・フォン・エリック(9/3/84)
 マイクはこのショーのジノ・ヘルナンデスとの試合で肩を負傷したため欠場。
 2対3ですが良くも悪くもそれを感じさせないカオスな乱戦となっています。
 ブーツを奪い、それで殴りつけて流血させるシーンは
 2ヶ月前のエニシング・ゴーズを彷彿とさせます。
 しかしケージで移動領域が限られているだけ少しスケールは小さいですね。
 容易にカットされるのでグダグダになりかけていますが
 肝心の脱落に関しては合体パイル・ドライバーで分かりやすく盛り上げ、
 マイクが登場する形で1-2から2-0に一瞬で逆転させるフィニッシュも良かったですね。
 まあまあ良い試合。

Bテキサス・デス・マッチ:キラー・カーンvs.テリー・ゴディ(11/22/84)
 大柄な体格を持つ選手同士の殴り合いと噛みつき合い。
 単純ながら距離を上手く取って成立させています。
 そしてそこに2人の夥しい流血が加わる。
 倒れた部分に血だまりが出来、2人が動くごとにリングが血でよごれていく始末です。
 シンプルだからこそ数少ない技は最大限に価値を発揮し、
 フォール後30秒のインターバルを置いて10カウントを数え始める、という
 今では考えられないまどろっこしいルールも試合に自然とフィットしている。
 ブロッドバスに位置づけられる試合の最高峰。
 文句なしに好勝負。

Cミッドナイト・エクスプレスvs.ファンタスティックス(12/25/84)
 NWA程ベビーフェイス/ヒールの機能が特化されていませんが、
 WCCWらしいリアリティーはより出ている。
 序盤はヒールが前振りの動きをしてからベビーフェイスが技を決める形。
 中盤はロジャースの孤立。
 ミッドナイト・エクスプレスが憎らしい打撃を打ちこみつつ、
 腹狙いで着実に追いこんで試合のボルテージを高めていきました。
 合体技に対してロジャースがカウンターでサンセット・フリップを決める、という
 当時としては斬新な方法からタッチ成功し爆発。
 4人が乱れた状態の中でフィニッシュに持って行きました。
 常々デニス・コンドレーを後のスタン・レーンと比べて見劣りする印象を持ってしまうのだけど
 この試合においてはデニス・コンドレーが抗争に入り込んだ見事なラフ・ファイトを見せ輝いていたのが印象的でしたね。
 好勝負に少し届かず。 

 (執筆日:10/12/11)

注目試合の詳細

@テキサス・デス・マッチ:キラー・カーンvs.テリー・ゴディ(11/22/84)
 レフェリーはケリー・フォン・エリック
 殴り合う。
 カーンが噛みつく。 
 ケリーに見えないように拳を入れる。
 もう1発。
 スナップ・メアで倒してストンピング。
 噛みつく。
 ゴディが距離を取り殴りつける。
 噛みつく。
 ケリーが引き離す。
 ゴディがエルボーを打ちおろしていく。
 カーンがゴディを場外に落とす。
 ロープ越しに頭部を掴むと鉄柱にぶつける。
 ケリーがカーンに警告を与える。
 流血したゴディをエプロンに引き上げると噛みつく。
 リングに戻ったゴディに噛みつく。
 セカンド・ロープから拳を振り降ろす。
 ロープに振りフォア・アームズで倒す。
 バック・ブリーカー。
 ダイビング・ニー・ドロップ。カウント3。
 カーンが俺の腕を上げろとケリーに迫る。
 ケリーは嫌そうに腕を上げる。
 30秒後カウントが数えられる。
 カウント4で起き上がったゴディを殴り倒す。
 ロープに走り殴り倒すと噛みつく。
 ゴディが殴り蹴りつける。
 場外に落とす。
 エプロンに上がってきたカーンがゴディを鉄柱にぶつけようとする。
 ゴディが防いで逆に鉄柱にぶつける。
 カーンも流血する。
 リングに引き入れるとロープに振りラリアット。
 パイル・ドライバー。カウント3。
 30秒経つ。
 カウント9で起き上がったカーンをゴディが殴り倒す。
 殴りつける。
 起こしてボディ・スラム。
 セカンド・ロープから飛びエルボー・ドロップ。カウント2。
 起こそうとする。
 カーンが下から殴りつけ倒す。
 レッグ・ドロップ。カウント2。
 ブレーン・バスターを狙う。
 ゴディが逆に持ち上げようとする。
 お互い耐えていく。
 ゴディが殴りつけブレーン・バスター。
 カバーするもカウント2。
 カーンが蹴り。
 スナップ・メア。
 セカンド・ロープから飛びニー・ドロップへ。
 ゴディがかわし自爆させる。
 オリエンタル・スパイクを決める。
 カーンが動かなくなりカウント3が入る。
 ケリーがゴディを引き離す。
 30秒経ちカウントが入る。
 カウント8になってもカーンは起き上がれない。
 敗北かと思われたがカーンのセコンドが入ってくる。
 それを見てケリーはカウントをやめて殴りかかり、警告する。
 バン・バンが乱入してきてゴディを背後から殴り倒す。
 ケリーがバン・バンを殴りまくる。
 カーンがケリーを殴りつける。
 ゴディがカーンを殴りつける。
 2人でバン・バンを殴りつけていきリングから追い出す。
 バン・バンが椅子を持って入ってくる。
 ケリーが蹴りつけ椅子を取り上げ追い出す。
 ケリーはゴディの勝利を告げ握手を求める。
 ゴディは判定には感謝するがそれは無理だ、という仕草。
 ケリーはならいいさ、と去っていく。
 ゴディが呼び戻すとゴディから手を差し出し、握手を交わす。
 

試合結果

@NWA王座戦:リック・フレアー(ch)vs.クリス・アダムス(DQ)(2/3/84)
Aエニシング・ゴーズ:フリーバーズvs.ザ・フォン・エリックス(7/4/84)
Bバンクハウス・イリミネーション・ケージ・マッチ:マイケル・ヘイズ、テリー・ゴーディ、バディ・ロバーツvs.ケリー、ケビン&マイク・フォン・エリック(9/3/84)
Cテキサス・デス・マッチ:キラー・カーンvs.テリー・ゴディ(11/22/84)
Dミッドナイト・エクスプレスvs.ファンタスティックス(12/25/84)