TOPアメリカン・プロレステリトリー(NWA) →Houston Wrestling:Best of Houston Wrestling 1979

Houston Wrestling:Best of Houston Wrestling 1979の分析


名勝負 なし
好勝負 USアメリカン王座戦、3本勝負:ワフー・マクダニエル(ch)vs.ザ・スポイラー(4/21/79)

3本勝負:ジャック・ブリスコvs.ザ・スポイラー(7/27/79)

@NWA王座戦、3本勝負:ハーリー・レイス(ch)vs.アンドレ・ザ・ジャイアント(1/7/79)
 スローな立ち上がり。

 アンドレがサブミッションをかけていき、
 レイスが苦境を表現しますが、
 スローで展開が少ないので退屈ですね。

 レイスが凶器を使ったヒール・ワークで
 1本目から2本目の展開を演出。
  
 アンドレも腰の痛みを訴えながら
 リングに投げ入れる等迫力ある攻めでギアを入れていきます。

 さあ3本目だという所ですが
 打撃戦を始めると比較的早く、
 レイスが場外に誘って両者リングアウトに持ち込むエンド。
 筋は通っているけれども
 100%のぶつかり合いがあって初めて受け入れられるもの。
 これは物足りない終わりでしたね。

 まあまあ良い試合。

Aテキサス・デス・ケージ・マッチ:ジノ・ヘルナンデスvs.ホセ・ロザリオ(1/19/79)
 (フォール後30秒のインターバル後10カウント数え起き上がれなかったら負け)
 ゆったりと打撃を叩き込みあって下地作り。

 ケージ攻撃と固有技で
 このルール特有のフォール・シーンを多数作って盛り上げます。
 ただフォール数が8回あり、流石に1、2回は省略しても良かったのでは。

 間と勢いの両立が出来ていたので
 危惧する間延びは決して起きていなかったですが、
 ナンダカンダ30秒のインターバルは長いですからね。

 後は双方の流血で盛り上がったものの
 フィニッシュが現代感覚からすると弱すぎて物足りない。

 中々良い試合。

BUSアメリカン王座戦、3本勝負:ワフー・マクダニエル(ch)vs.ザ・スポイラー(4/21/79)
 スポイラーの打撃にワフーは早くもダウン・モード。
 流血も早々にしますが、素晴らしいダメージ表現を見せましたね。
 
 細い細い反撃の糸口を繋いでいき、
 一気に両者打ちあう打撃戦に持って行って盛り上げました。
 
 場外、鉄柱、椅子をとエスカレートする仕掛けが
 適切に用意されており、綺麗にフィニッシュ。

 2本目。
 ワフーがスポイラーのマスクの顎紐をずらして口輪をするなど遺恨表現良好。

 アイアン・クローや1本目のフィニッシュを使った攻防作りも良く、
 そしてスポイラーの受け身もまた良し、と
 褒めるべきポイントが山のようにあります。

 惜しむらくは3本目の結末がマスクずらしによるアイアン・クロー誤爆、
 という良くあるお約束で終わって、
 それは良いにしてもその判定後
 スポイラーがワフーにベルト攻撃して去っていく、という
 爽快感皆無のエンディングだったということですね。
 
 ぎりぎり好勝負。

C3本勝負:テリー・ファンクvs.マーク・ルーイン(4/27/79)
 ヒールのルーインがヘタレ・ワークで盛り上げ。
 一転攻勢に回ると得意の手刀をテリーの腕に振りおろしていき、
 余りの攻めにテリーも力尽きて1本。
 大雑把ですが、ルーインのキャラは鮮烈に印象に残りました。

 2本目。
 テリーがルーインの脚狙いと
 ボクシング・スタイルを混ぜ合わせ、
 こちらも印象的にまとめあげます。

 3本目。
 1-2本目で強調したそれぞれの個性を基に
 発展的な攻防を演出していて
 キャラクターを上手く利用したプロレスでしたね。

 好勝負に届かずも中々良い試合。

D3本勝負:ジャック・ブリスコvs.ザ・スポイラー(7/27/79)
 日本ではスタイルのデフォルメが強いスポイラーでしたが、
 この試合では見栄えのする技を使っていますね。
 試合の合間を埋めるだけでなく、
 これが決まれば勝つ、という見せ方をしているのが良い。

 また、ゆったり動くだけに拘らず
 場合によっては早く動くことも選択肢があるのは大きいですね。
 
 ジャックは打撃とレスリングをバランス良く織り交ぜて対応し、
 良い化学反応を生み出しています。
 
 フィニッシュ・シーンも実質1本勝負に近い演出ですが、
 フェイス/ヒールらしいまとめ方ですし、
 中途半端にやるよりも一気にまとめあげた印象は良し。

 ぎりぎり好勝負。
 (執筆日:8/?/20)

注目試合の詳細

なし

試合結果

@NWA王座戦、3本勝負:ハーリー・レイス(ch)vs.アンドレ・ザ・ジャイアント(1-1)(両者リングアウト)(1/7/79)
Aテキサス・デス・ケージ・マッチ:ジノ・ヘルナンデスvs.ホセ・ロザリオ(1/19/79)
BUSアメリカン王座戦、3本勝負:ワフー・マクダニエル(ch)vs.ザ・スポイラー(2-1)(DQ)(4/21/79)
C3本勝負:テリー・ファンクvs.マーク・ルーイン(2-1)(DQ)(4/27/79)
D3本勝負:ジャック・ブリスコvs.ザ・スポイラー(2-0)(7/27/79)