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ROH:ROH on HDNet Volume.9の分析


名勝負 なし
好勝負 なし

約3時間です。
@ケージ・マッチ:デリリウスvs.オースチン・エリーズ(Episode #74 9/20/10)
 抗争決着戦で脱出ルールはなし。
 デリリウスが後頭部をケージに叩きつけるような攻撃性と耐え表現でエリーズに迫っていきます。
 エリーズも観客に見せつけるいやらしい攻めで流血させ、
 ドロドロとした遺恨と技の攻防、両方をしっかり見せる。
 脱出ルールがないためにケージを登る必然性がない中で
 ANEの乱入を絡めてケージ上でのサブミッション・フィニッシュに持って行ったのは上手い。
 中々良い試合でした。
 試合後ANEが加わってデリリウスをリンチし完全にKO。

Aキングス・オブ・レスリングvs.スーパー・スマッシュ・ブラザーズ(Episode #75 9/27/10)
 序盤はベビーフェイスが活躍するのが常とはいえ
 KOWの強さをまったく考えない安易な攻めで何もつながらない。
 中盤の孤立を担当するKOWも凡庸なもの。
 試合時間が短い事もあってスカッシュ・マッチに毛が生えた程度です。
 少し悪い試合。

Bロデリック・ストロング、ハウス・オブ・トゥルース(ジョシュ・レイモンド、クリスチャン・エイブル)vs.ブリスコ・ブラザーズ、クリストファー・ダニエルズ(Episode #75 9/27/10)
 ブリスコズがリズミカルに攻撃を積み重ね、ダニエルズは柔軟に攻防。
 ベビーフェイス側の技量が目立つ一方で
 HoTは相手とどのようなものを生み出せるか決心に到らず。
 悪くはないが物足りない活躍となっています。
 最後はマルティニの転落芸からのダニエルズの丸め込みで見事に盛り上がりましたが、もう一伸び欲しかったか。
 まあまあ良い試合。

CTV王座戦:エディ・エドワーズ(ch)vs.ケニー・キング(Episode #76 10/4/10)
 エドワーズが柔軟な動きを見せているが、
 チョップやハーフ・ボストン・クラブなど今では定番の技も
 この頃は何となしに繰り出されていますね。
 ケニーもムーブ自体は踊るように軽やかながら
 そのムーブとムーブの間をどうつなぐかはまだまだです。
 両者まだ発展途上で試合を作り上げるのに苦心しているが一応形がつく所までは持っていった。
 まあまあ良い試合。

Dピック・ユア・ポイズン・マッチ:デイビー・リチャーズvs.エル・ジェネリコ(Episode #76 10/4/10)
 ジェネリコはポイズンとして選ばれたからか
 一つ一つの動きを丁寧に描き、相応する敵としての存在感を押し出しています。
 TVマッチにしては珍しく格式を押し出してきた内容で
 デイビーがじっくり足を攻め、ジェネリコは抵抗しながらリアリティーを見せる。
 後半からは意図的に勢いを落としながら同格の一進一退。
 本来の魅力をそのまま出した訳でうはないので全体的に鈍ったい印象も残るが
 一つ一つ細やかな部分に至るまで見応えのある攻防でした。
 中々良い試合。

Eオール・ナイト・エクスプレスvs.ダーク・シティ・ファイト・クラブ(Episode #77 10/11/10)
 双方の意思がばらばら。
 特にDCFCが只技打つだけになっていていまいち。
 悪い試合。

Fロデリック・ストロングvs.クリストファー・ダニエルズ(Episode #77 10/11/10)
 最初の打撃から気合が入っている事が伝わってきます。
 ハイ・テンポな攻守の入れ替えからダニエルズがトペを敢行。
 中盤はストロングがじっくりした腰攻め。
 グラウンド・サブミッションを中心にしっかりベースを落とします。
 ダニエルズの反撃をねじ伏せるやり方は少々強引ですが良いですね。
 ダニエルズの反撃も相手を切り崩す意図が一つ一つ通っていて
 細かい一進一退の完成度は非常に高い。
 その一進一退を組み合わせて盛り上がる流れを作って、最後はHoT乱入で締める。
 タイトルがかかっている訳ではないが充実の一戦。
 好勝負に少し届かず。

Gタイラー・ブラックvs.デイビー・リチャーズ(Episode #78 10/18/10)
 タイラーのROHラスト・マッチ。
 タイラーはいきなりトペコンを放つも計画的とは思えずヒール味も薄め。
 一方のデイビーは序盤からふらついて勢いがありません。
 タイラーとは反対にゆったりと積み立てようとしていて
 その攻めには勝つ気がなく、かかってこいよ、と声をかける余裕がある。
 試合に対する向かい方のずれが目立ちましたね。
 タイラーがプロキシズムを決め支配する展開に。
 ここからじっくり構築するモードになって安定しましたね。
 ただ相当のロング・マッチになる中で
 必然的に同じような動きを行わざるをえない訳だけど
 そこに既視感を覚えさせないようにする工夫はいまいち。
 最初の一戦がパーフェクトでしたからね。
 デイビーの感情の見せ方も付け加えた感じで
 vs.タイラーだとこういうものを見せなきゃいけないな、と思い出して行動している印象を受けます。
 掟破りなども出て30分を超える激戦でしたが
 試合を重ねるごとに完成度が下がってしまった事は否めない。
 ラスト・マッチという事を表に出して最初から特別な試合という舞台設定にした方が良かったかもしれませんね。
 好勝負に少し届かず。

Hタッグ王座戦:キングス・オブ・レスリング(ch)vs.ブリスコ・ブラザーズ(Episode #79 10/25/10)
 散々やっただけに最初の攻防から作りこまれていますね。
 ブリスコズが得意のリズミカルからたたみ掛け始めます。
 プランチャまで持って行きこんな所で打ち止めかなと思ったらヒーローを場外で投げまでする。
 このカードの平均以上の物を見せる、という思いが伝わってきますね。
 サラが体重となるもそこからKoWがマークを孤立させます。
 ダイナミックさと細かい配慮を両立させている所は流石KoWですね。
 しっかりタッチ成功まで盛り上げました。
 終盤はTV放送という事でハガドーン乱入で終わる控えめな物だが見応えは十分ある。
 好勝負に届かずも中々良い試合。 

Iケージ・マッチ:スティーブ・コリノ、ケビン・スティーンvs.コルト・カバナ、エル・ジェネリコ(Episode #80 11/1/10)
 入場するなり襲いかかって場外乱戦からスタートするもやや物足りないですね。
 リングに入るもトルネード・タッグという事が
 悪く作用して深くストーリーを奏でられない。
 連携は取れているし、煽りもちゃんと出来ている事は出来ているんですけどね。
 一方で終盤はジェネリコが思わぬ形でケージ外に転がり落ちて
 1対2、そのままフィニッシュまで雪崩れ込むので逆に攻防の面白さに欠ける。
 他の遺恨戦に比べると制限を感じさせる内容。
 平均的な良試合です。

総評
 抗争の長期化に伴い、カードに新鮮味は足りないが久しぶりに充実した内容。
 (執筆日:9/17/11)
DVD Rating:★★☆☆☆

注目試合の詳細

Gタイラー・ブラックvs.デイビー・リチャーズ(Episode #78 10/18/10)
 デイビーが殴りかかる。
 タイラーが応じヘッド・ロック。
 ロープに押されショルダー・タックルへ。
 デイビーが受け止め張り手。
 エルボーの打ち合い。
 タイラーが連打しロープに走る。
 ドロップ・キックを狙う。
 かわされたので着地しもう1度狙う。
 ロープを掴んでかわされるもロープに走ったデイビーにドロップ・キック。
 トペ・コンヒーロ。
 デイビーはチョップを打ち返しながら距離をとる。
 タイラーがデイビーをフェンスにぶつけリングに戻す。
 のどの上にのる。
 ボディ・スラム。
 喉を踏みつけようとする。
 かわしたデイビーを蹴り倒し喉を踏みつける。カウント1。
 抵抗するデイビーにコーナーでストンピング連打。
 コーナーに振り突進。
 デイビーはエプロンに出るとターン・バックルにぶつけようとする。
 タイラーが防ぎ逆にぶつける。
 ロープに走る。
 デイビーはロープを下げてタイラーを場外に落とす。
 エプロンを走り胸をける。
 胸を蹴りつける。
 リングに戻す。
 チン・ロック。
 前腕を叩きつけ腰に膝を当てストラングル・ホールド。
 タイラーが体勢を入れ替え逆に決める。
 デイビーは外すと蹴り倒す。カウント2。
 バック・ドロップ。カウント2。
 首4の字。
 テキサス・クローバー・ホールド。
 背中をける。
 エルボーの打ち合い。
 デイビーがロープに走る。
 タイラーが同ロープに走りプロキシズム。
 たまらず場外に出たデイビーをタイラーが追撃。
 リングに戻し打撃を叩き込んでいく。カウント2。
 エルボーと張り手の打ち合い。
 タイラーがスーパー・キック。カウント2。
 インディアン・デス・ロック。
 ロープ・ブレイク。
 タイラーは余裕を見せる。
 エルボーとパンチの打ち合い。
 タイラーが押しバック・ドロップへ。
 着地したデイビーに突進。
 デイビーはかわしてロープを下げる。
 エプロンに何とか留まったタイラーの背中を蹴り落とすとトペ・スイシーダ。
 リングに戻すとミサイル・キック。
 お互いカウンターで蹴り。
 エルボーの打ち合い。
 ロープに振られたデイビーがハンドスプリング・延髄切り。カウント2。
 DRドライバーを狙う。
 タイラーがコーナーに押し込みショルダー・ブロック。
 コーナーに振り突進。
 デイビーはコーナーを使ってかわすとハリケーン・ラナを狙ったタイラーにパワー・ボム。
 シャープ・シューターを決める。
 胸を蹴りつけていく。
 喉をかっきり蹴りを放つ。
 タイラーがかわしスクール・ボーイへ。
 かわされるも側頭部蹴り。
 オコーナー・ロールから持ち上げると場外に投げ落とす。
 フェンスの上からムーンサルト。
 リングに戻す。
 コーナーのデイビーに突進。
 ショルダー・スルーを食らうもエプロンに着地してジャンピング・キック。
 スプリングボード式クローズライン。
 フェイス・バスターでカバー。カウント2。
 フェニックス・スプラッシュを狙う。
 デイビーが起き上がりタイラーの体勢を崩す。
 雪崩式技を狙う。
 タイラーが抵抗。
 デイビーは落とされるも駆け上がって雪崩式ジャーマンへ。
 タイラーが着地しロープに走る。
 デイビーが打ち上げ蹴り上げる。
 ラリアットへ。
 かわされるもソバット。
 タイラーがジャンピング・キック。
 リバース・ハリケーン・ラナ。
 デイビーが気合で起き上がりラリアット。
 両者ダウン。
 両者エプロンで起き上がる。
 出ビーが蹴り、タイラーがエルボー。
 デイビーが胸に蹴りを連打。
 DDT。
 リングに戻る。
 タイラーは起き上がるもそのまま帰ろうという素振り。
 ぎりぎりで踏みとどまりリングに戻る。
 デイビーがバック・ドロップ。カウント2。
 側頭部を蹴りジャーマン。カウント2。
 SSPへ。
 タイラーはかわして自爆させるとコーナーへのパワー・ボム。
 頭部にスーパー・キック。カウント2。
 シャープ・シューター。
 デイビーが反転し丸め込む。カウント2。
 デイビーがロープを背にカウンターの蹴り。
 もう1発。
 蹴りをかわしてロープに走る。
 タイラーが打ち上げ蹴り上げる。
 ゴッド・ラスト・ギフト。カウント2。
 フェニックス・スプラッシュへ。
 デイビーがタイラーの体勢を崩す。
 胸を張っていく。
 タイラーも抵抗。
 デイビーが打って来いという。
 タイラーがバック・エルボー。
 張り手を打ち込んでいくとデイビーは逆さ吊り状態。
 タイラーがコーナー上からダブル・ストンプ。
 コーナー・トゥー・コーナーのスプリングボード式ドロップ・キック。カウント2。
 フェニックス・スプラッシュへ。
 デイビーが両膝を立てて迎撃する。
 コーナーのタイラーに突進。
 タイラーがカウンターで蹴り。
 スーパー・キック。
 デイビーが耐えラリアット。
 DRドライバー。カウント2。
 コーナーへのパワー・ボム。
 側頭部をける。
 ゴッド・ラスト・ギフト。カウント2。
 シャープ・シューター。
 タイラーが遂にタップする!

試合結果

@ケージ・マッチ:デリリウスvs.オースチン・エリーズ(Episode #74 9/20/10)
Aキングス・オブ・レスリングvs.スーパー・スマッシュ・ブラザーズ(Episode #75 9/27/10)
Bロデリック・ストロング、ハウス・オブ・トゥルース(ジョシュ・レイモンド、クリスチャン・エイブル)vs.ブリスコ・ブラザーズ、クリストファー・ダニエルズ(Episode #75 9/27/10)
CTV王座戦:エディ・エドワーズ(ch)vs.ケニー・キング(Episode #76 10/4/10)
Dピック・ユア・ポイズン・マッチ:デイビー・リチャーズvs.エル・ジェネリコ(Episode #76 10/4/10)
Eオール・ナイト・エクスプレスvs.ダーク・シティ・ファイト・クラブ(Episode #77 10/11/10)
Fロデリック・ストロングvs.クリストファー・ダニエルズ(Episode #77 10/11/10)
Gタイラー・ブラックvs.デイビー・リチャーズ(Episode #78 10/18/10)
Hタッグ王座戦:キングス・オブ・レスリング(ch)vs.ブリスコ・ブラザーズ(Episode #79 10/25/10)
Iケージ・マッチ:スティーブ・コリノ、ケビン・スティーンvs.コルト・カバナ、エル・ジェネリコ(Episode #80 11/1/10)