PPV 名 |
ROH:Supercard of Honor V 5/8/10 |
ベ スト・マッチ |
なし |
グッ ド・マッチ |
タッグ王座戦:キングス・オブ・レスリング(ch)vs.モーター・シティ・マシン・ガンズ→詳細 ROH王座戦:タイラー・ブラック(ch)vs.ロデリック・ストロング→詳細 |
レビュー |
1枚、約2時間50分です。 @ブリスコ・ブラザーズvs.ケニー・キング、リェット・タイタス ブリスコズはその場にあった技を見せていて安定感が抜群 控えにもちょっかいを出しテンポを出しています。 一方のキング、タイタスは悪くはないが、 ブリスコズの提供する物に乗っかってはいけず。 両チームの働きを見るともう少し短くした方が締まる内容だが、観客を非常に良い形で盛り上げたオープニング。 平均より少し上。 Aオープン・チャレンジ:エリック・スティーブンスvs.グリズリー・レッドウッド スティーブンスのキャラを考慮しても時間をかけすぎ。 決してつまらない内容ではなかったけど、やはりスカッシュ・マッチであるべきです。 悪い試合。 試合後マホニーが登場しエンバシーを蹴散らす。 Bアメージング・コングvs.サラ・デル・レイ サラはドミネイト・キャラを捨てた事もあって TNAレスラー、コングにチャンレンジする側という色合いが与えられています。 対等な関係を期待していたのですが、 ROHの大会における位置づけを考えると一気に入っていけるこういう方向性をとられるのは仕方ない事でしょうね。 しかし観客がコングに対して熱狂的な反応を返しているので その結果として今までのように女子プロだからと不当に無視される事もなく 良い盛り上がりの中でトップ・プレイヤーが激突しているのは見ていて嬉しいですね。 布石や迫力ある技の詰まったエネルギッシュな内容です。 ただShimmerにおいてシングルでフォールを奪われた事のない アメコンがエルボー・パッドをつけたローデッド・エルボーでカウント3を奪われたりと 少々軽んじられた印象も受けないでもないのです。 まあまあ良い試合。 Cクリストファー・ダニエルズvs.エディ・エドワーズ 基本的な動きでストーリーを奏で、堂とした立ち振る舞いを見せる。 これぞダニエルズ。 ダニエルズのあるべき姿であり、期待していたものです。 空間の使い方が素晴らしかったですね。 エドワーズも良くついていきましたが格差の扱いはもっと改善できますね。 ダニエルズはそこまで主導権に固執する事ないし、 エドワーズはヒールだからと間を意識するよりも 感情に任せてかぶりついていった方が良かったです。 またダニエルズはインディー復帰後BMEをフィニッシャーに選んでいますが、 スタイル、性質を考えるとエンジェルズ・ウィングかラスト・ライツの方が エキサイティングのまま締められるので絶対的に良いですよ。 中々良い試合。 Dオースチン・エリーズvs.デリリウス エリーズがマネージャーへとシフトするために デリリウスとの遺恨を唐突に引っ張り出してきた形ですかね。 短い時間でデリリウスがレフェリーの制止を無視してチョークし続け反則負け。 ストーリーのための試合でクオリティはありません。 試合後デイジーがデリリウスにゴングを渡し更なる攻撃を加えようとした所でキング、タイタスがエリーズを助けに現われる。 3人でデリリウスに仕返ししようとするも追い払れます。 E34thストリート・ラスト・マン・スタンディング・デス・マッチ:ケビン・スティーンvs.コルト・カバナ 椅子やテーブル、ラダーを持ち込んで過激な攻防を行っています。 単純に言えば素晴らしい試合ですが、 ハードコア・レスリング、デス・マッチ、ラスト・マン・ススタンディングの3要素を含んだが故の背反作用は否定できない。 ハードコア・レスリングとしてはスポットに出来る物の扱いの軽さや、 ラダーへのボディ・スラムにおいてそのラダーを横に立てたりと好ましくない体の張り方も目立つ。 デス・マッチとしては凶器なしの攻防が少々長い時があります。 ラスト・マン・スタンディングとしては通常形式より過激な事を、という目的で 終盤まで無視され、試合構築に活かされていない状況です。 良い意味よりも悪い意味で洗練されていませんでした。 冷静に考えればカバナは当事者ではないのでここまでやれば十分なレベルともいえますけどね。 中々良い試合。 Fタッグ王座戦:キングス・オブ・レスリング(ch)vs.モーター・シティ・マシン・ガンズ→詳細 正直MCMGにはマンネリ感を抱いていてこの試合も物量で勝負してくるのかな、と思っていましたが見事予想を覆してくれました。 セイビンXCC、シェリーXヒーローと1対1で特別な関係を築き、 更にその上で要所に独創的なスポットを一気に凝縮させる。 後者はKOWも得意とする所ですから勝負と同時にレスラーとしての力量を競い合う、非常に良い形になっています。 またKOWのタイミング取りも冴えていましたね。 いつ入れても成立するような物を最大限に輝くタイミングで切り込んでくる。 両者が非常に高いレベルで派手さを追求した結果、 その過程で生まれた雑多な副産物、マイナスの要素になるはずの物が、対比を利かす役割を発揮さえしている。 前半、MCMGの生意気なキャラ付けもあって王座が賭かっている事を疑わせたこと、 そして最後がブリスコズの乱入という微妙な物のために名勝負になりませんでしたが非常に満足度の高い内容でした。 文句なしにグッド・マッチ。 GROH王座戦:タイラー・ブラック(ch)vs.ロデリック・ストロング→詳細 4/23,4/24を経たタイラーの変わりようには驚きましたね。 演舞のキレとスピードを落とした綿密さ、相反する要素を共存させる形で自分のレスリングを作り上げている。 リズムは単なる若さから来る物ではなく意識的に掴んで確立しています。 技は新しい物も取り入れていますが、その全てにダイナミックに見せるという意識が貫かれている。 また間がパーフェクトです。 単純にその時間的な間隔のみならず、技と技の間の無名の動作、これが素晴らしい。 それは構築を誘導し、表現も生み出します。 ついでにその完璧さに反して会場からはブーイングが飛んでいる、という奇異さまでおまけについてくる。 DbDの評判からこれがマグレではないと推察すると タイラーは世界一面白いレスラーになったかもしれない。 一方のストロングですがヒール・ターン前という事が良い方向に作用し攻撃性を引き出している。 Final Battleのエリーズを思い出しますね。 ただPWGのvs.セイビンのようなアスリート性を前面に押し出すべきでしたね。 間を取っていたけれどもタイラーにあれをされては見劣るしかない訳で 後半も執拗な腰攻めが逆にそれ以外ないという印象を与える結果となっています。 3人のレフェリーがダウンするという面白い展開が最後には待っていますが王座交代はこれっぽっとも予感させなかった。 ストロングの充実よりタイラーの急激な成長が一回りも二回りも上回っています。 文句なしにグッド・マッチ。 総評。 ROHも年間最高大会を狙える物を生み出してきました。 年始から安定していたけどここに来て更なる高みを生み出せる素地が完成した事を実感させます。 (執筆日:7/11/10) |
DVD Rating |
★★★★★ |
試合カード |
勝敗付はこちら |
1 |
ブリスコ・ブラザーズvs.ケニー・キング、リェット・タイタス |
2 |
オープン・チャレンジ:エリック・スティーブンスvs.グリズリー・レッドウッド |
3 |
アメージング・コングvs.サラ・デル・レイ |
4 |
クリストファー・ダニエルズvs.エディ・エドワーズ |
5 |
オースチン・エリーズvs.デリリウス |
6 |
34thストリート・ラスト・マン・スタンディング・デス・マッチ:ケビン・スティーンvs.コルト・カバナ |
7 |
タッグ王座戦:キングス・オブ・レスリング(ch)vs.モーター・シティ・マシン・ガンズ→詳細 |
8 |
ROH王座戦:タイラー・ブラック(ch)vs.ロデリック・ストロング→詳細 |
勝 敗付試合カード(勝者が赤字) |
1 |
ブリスコ・ブラザーズvs.ケニー・キング、リェット・タイタス |
2 |
オープン・チャレンジ:エリック・スティーブンスvs.グリズリー・レッドウッド |
3 |
アメージング・コングvs.サラ・デル・レイ |
4 |
クリストファー・ダニエルズvs.エディ・エドワーズ |
5 |
オースチン・エリーズvs.デリリウス(DQ) |
6 |
34thストリート・ラスト・マン・スタンディング・デス・マッチ:ケビン・スティーンvs.コルト・カバナ |
7 |
タッグ王座戦:キングス・オブ・レスリング(ch)vs.モーター・シティ・マシン・ガンズ(DQ)→詳細 |
8 |
ROH王座戦:タイラー・ブラック(ch)vs.ロデリック・ストロング→詳細 |