IWA-Mid South 2004年のレ ビューに戻る TOPに戻る

DVD 名
IWA-MS:59:04 11/26/04
ベ スト・マッチ
IWA王座戦:CMパンク (ch)対クリス・ヒーロー→詳 細
グッ ド・マッチ
ライト級王座戦:ジ ミー・ジェイコブス(ch)対ブランドン・トマセーリ→詳 細
雑 感
DVD化されていないのでビデオにて購 入。
約2時間45分。

1試合目−ライアン・ボズ対ボビー・バンビーノ
2試合目−ネイト・ウェブ対ジョシュ・アベクロンビー

3試合目−トリック・デイビス対スティーブ・ストーン
4試合目−チャンドラー・マックルー対ブラッド・ブラッドリー
 2試合目が可もなく不可もなく平均レベルの他はひどい試合。

5試合目−ダニー・ダニエルズ対クラウディオ・カスタニョーリ

 良い感じだったのですが
 ここぞというところで意思疎通の悪さが目立ち平均レベルに落ち着く。  


6試合目−ライト級王座戦:ジミー・ジェイコブス(ch)対ブランドン・トマセーリ→詳 細
 まずはテンポの良いレスリング。
 丸め込みを早くから織り交ぜており、
 またサブミッションをかけようとする際に抵抗する攻防があり、
 更に密着時に苛烈な打撃を叩き込むので緊張感がある。
 レスリング・オンリーながらここまでバランスよく要素を織り交ぜていると
 ロング・マッチになるとは思えない密度があります。
 いつも通りヒーローが腕狙いに入ります。
 パンクは口でロープを銜えてロープ・ブレイクにしたりと
 観客に働きかけている、という体裁を取らずに観客の反応を呼び起こし、
 観客に意識させずにコントロールしていきます。
 真剣な雰囲気が増してくる中でヒーローも武器であるクラバットを織り交ぜていく。
 うつ伏せのパンクの腕にドラゴン・スクリューを見せたのは驚いたし(世界初?)、
 クロス・フェイスも面白いアイディアです。
 30分間近でパンクがロー・キックを放ち始めます。
 どうした、やってみろよ、と私的な気持ちのやり取りが前に出てきます。
 一方で緩急も抜群で構築も出来ている。
 ヒーローはハングマンズ・クラッチを決めるために体力を削る戦略を明確にするのに対し、
 パンクは最終的な狙いを押し隠す、という対比的な戦略を取っている。
 40分経過した所でそれまで牽制程度だった打撃を解禁し激しく打ち合います。
 打撃の打ち合いといえば定番のテンプレートだけど
 この打撃の打ち合いは完全に内なる気持ちから出ている。
 ヒーローはこれまでにない程最初から最後まで腕狙いを貫いており、
 サブミッションをかける事すら自身の負担になる終盤で繰り出された
 アーム・バーは単なるサブミッション以上の意味合いを持っていて、
 中盤で見せた私的な気持ちを活かす攻防にもつながってくる。
 パンクもハードにやり返しバック・ブリーカーやパイル・ドライバーを叩き込みます。
 しかしその一発一発に勝利への目的意識はなく
 イニシエーションとして刻み込むように打っています。
 更に面白いのは残り時間5分を切ると意図的に無気力を演じているという事です。
 打撃を無表情で耐えるようになり、観客の金をせしめるなんていう無関係な行動も取ります。
 最後もラ・マヒストラルを何の感慨もなく潰してカウント3を取り、
 そのまま何のマイクもアピールもせず、すたすたと退場していきました。
 出来る事をやりつくした時、勝ち負けは問題なくなるけれども
 それを死闘を尽くした攻防ではなく、本当に試合を放棄するような形で表現するなんて常人の発想じゃないですね。
 @ハードコアAクラシカル・レスリング
 B現代に生きる者としてのレスリングの追求、及び3本勝負を数え歌と認知しての90分超え
 Cベビーフェイス/ヒールのダイナミズムD新しいコンセプトを見つけられず安定志向、と来て
 このEではIWA-MSが崩壊の危機にある中で組まれた最後の数え歌である、というリアルな思いがコンセプトとなった異形の試合。
 ぎりぎり名勝負です。


総評。
 パンクとヒーローという人間が伝わってくる名勝負です。
 総時間の半分以上を占めているセミメイン、メインのためだけに
 買う価値は十二分にあります。
 ビデオ版だろうが問題ない程ですけれども
 敢えてDVDにこだわるならメインがSimply the Best 7に特典として収録されています。 
 
DVD Rating
★★★★☆


試合カード
勝敗付はこちら
1
ライアン・ボズ対ボビー・バンビーノ

ネイト・ウェブ対ジョシュ・アベクロンビー

トリック・デイビス対スティーブ・ストーン
チャ ンドラー・マックルー対ブラッド・ブラッドリー

ダニー・ダニエルズ対クラウディオ・カスタニョーリ

ラ イト級王座戦:ジミー・ジェイコブス(ch)対ブランドン・トマセーリ→詳 細

IWA 王座戦:CMパンク(ch)対クリス・ヒーロー→詳 細


〜〜注:以下はネタバレ・ページ 〜〜 







試合レビュー:
 ライト級王座戦:ジミー・ジェイコブス(ch)対ブランドン・トマセーリ


  ジェイコブスが挨拶代わりに丸め込む。
  トマセーリも同じように丸め込む。
  ジェイコブスは場外で間を置く。
  グラウンド・レスリングの応酬。
  ジェイコブスが隙を突いてコントラ・コードを狙うも押し飛ばされる。
  トマセーリもエリアル・クラッシュを狙って挑発する。
  両者間をあける。
  ロープ・ワークから丸め込み合戦に。
  ジェイコブスが場外に逃れ間を置く。
  パンクが代わりに戦おうとしてジェイコブスが回復する時間を稼ぐ。
  腕の取り合いからジェイコブスがアーム・ドラッグ連発。
  トマセーリはロープを掴んで防ぐとヒップ・トスを狙う。
  お互い狙い合って最後はトマセーリが場外へのヒップ・トス。
  ジェイコブスはロープを掴んで落ちるのを防ぐとハリケーン・ラナで逆にトマセーリを落とす。
  力比べの状態でカバーへと持ち込み合う。
  ジェイコブスは両足で首を挟みヘッド・シザース。
  場外に逃れたトマセーリにベースボール・スライドを狙う。
  受け止められるや再びヘッド・シザースを狙う。
  トマセーリはその動きを利用しエプロンに叩きつける。
  更にアサイ・ムーンサルト。
  リングに戻ろうとしたジェイコブスにフォア・アームズを狙う。
  ジェイコブスは避けるとロープを使ってネック・ブリーカー。
  首に狙いをつけ攻め込んでいく。
  バック・ドロップを狙う。
  トマセーリが着地しようとするが失敗して逆に危険なバック・ドロップ・ドライバーになる!
  ジェイコブスがカバーするもカウントは2。
  再びバック・ドロップを決めカバー。カウント2。
  更にもう1発狙う。
  トマセーリは着地すると延髄切り。
  ジェイコブスは場外に転がり落ちる。
  トマセーリがセカンド・ロープからリング内へのブレーン・バスターを決める。
  カバーするもカウント2。
  キャトル・ミューティレーションに捕らえる。
  逃れられるや丸め込むもカウント2。
  ヒーロを決めカバーもカウント2。
  ならばと雪崩式バック・ドロップを狙う。
  ジェイコブスがクロス・ボディに切り返す。カウント2。
  両者ダウン。
  チョップの打ち合いになる。
  ジェイコブスが攻勢になり場外へ。
  トマセーリを鉄柱にぶつけ椅子に座らせる。
  そこにトペ・スイシーダを決める。
  リングに戻しセントーンにダブル・ストンプを連続で決めるもカウント2。
  バック・ペディグリーを狙う。
  トマセーリがエレクトリック・チェアーに返そうとする。
  逃れられるもフィッシャーマンズ・バスター。カウント2。
  雪崩式バック・ドロップを狙う。
  ジェイコブスはヘッド・バッドで落とすと後ろに飛んでセントーン!
  カバーするもカウント2!
  フォア・アームズを打ち合う。
  ジェイコブスが連続でヘッド・バッドを打ち込みコントラ・コードへ!
  トマセーリはその動きを利用しツームストンの体勢に!
  ジェイコブスは逃れるとパイル・ドライバーへ!
  トマセーリがエリアル・クラッシュの体勢に持っていく!
  ジェイコブスはサンセット・フリップに持っていく。
  丸め込み合戦になる!
  ジェコブスがジャックナイフ固めからブリッジで起き上がりパイル・ドライバーの体勢に!
  トマセーリが体勢を入れ替えエリアル・クラッシュ!
  何とかカバーするも勝利を確信して油断する!
  ジェイコブスが返すと同時にクルーシーフィックスに捕らえ1,2,3!
  ジェイコブスが辛勝し防衛!
  両者は握手を交わす。



 IWA王座戦:CMパンク(ch)対クリス・ヒーロー 

  力のこもったレスリングから始まる。
  クラベイトからヒーローが隙を突いてハングマンズ・クラッチを狙うも頭をガードされる。
  ならばと丸め込む。
  返された所でSTF。
  パンクがロープを掴む。
  丸め込み合戦を挟む。
  ヒーローが腕から脚狙いにシフトする。
  パンクも同じ脚でとボストン・クラブを狙うも決まる寸前で体勢を起こされる。
  パンクは場外で間を置く。
  ヒーローが腕攻めで優位に立つ。
  パンクはパンクはシャツを引っ張って首を絞めたり、打撃で逃れようとしたりもする。
  ロープ・ブレイクで間を置く。
  両者握手を交わす。
  グラウンド・レスリングの攻防が続いている。
  パンクが盛り返し情勢はほぼ互角。
  パンクがアーム・バーを決める。
  再びロープ・ブレイクで間が開く。
  ヒーローは力比べを求めるも応じてもらえない。
  ヒーローが丸め込みを仕掛けるも、
  パンクはその動きを利用しアーム・バー。
  ヒーローがハングマンズ・クラッチの体勢に切り返すも頭をガードされ決められない。
  今度はヒーローがクラベイトからアーム・バーを決める。
  パンクがグラウンド・ヘッド・シザースに返す。
  ヒーローが腕を取りクロス・フェイス。
  パンクがロープ・ブレイクで逃れる。
  ヒーローが力比べを求める。
  パンクは応じる振りをして蹴りつけるも 
  読んでいたヒーローはすぐに腕を巻き込む。
  パンクも腕攻めで渡り合う。
  ヒーローがハングマンズ・クラッチのために裏返そうとするも読まれている。
  パンクが脚へのサブミッションをロープ・ブレイクで逃れたところで30分が経過する。  
  牽制でパンクが蹴りを入れる。
  また蹴りかと思わせた所で腕を取る。
  いまだレスリングの攻防だがスタンディングを選んでいる。
  ヒーローはこの試合初めてロープに振る。
  ショルダー・タックルを食らうもヒップ・トスにドロップ・キックを決め腕を取る。
  アーム・バーを決める。
  パンクはレッグ・ロックに返し脚へのドロップ・キック。
  脚攻めを行う。
  ヒーローは蹴りつけて逃れるとハングマンズ・クラッチ。
  一瞬決まるもパンクは頭をマットにつけ完全には決めさせない。
  ヒーローが脚を取るもパンクは蹴りつけて逃れる。
  ヒーローにチョップを浴びせ首へのドロップ・キック。
  フロント・ヘッド・ロックに捕らえる。
  ヒーローの頭部を脚で挟んで身動きできなくして殴りつけていく。
  ヒーローは脚を取って倒すもロープをつかまれたため追撃できない。
  パンクは場外で間を置く。
  40分経過。
  ヒーローはクリーンにロープ・ブレイクしたが
  パンクはロープ・ブレイク時にショルダー・ブロック。
  これにはヒーローも怒りラフな打撃戦に。
  ヒーローが打ち勝つと同時にアーム・バー。
  パンクはロックして効果を減らすと逃れ蹴り、殴りまくる。
  ブレーン・バスターを決めカバー。
  ヒーローはカウント1で返すと気合で起き上がるも崩れ落ちる。
  パンクが腕を取る。
  ヒーローも腕攻めで真っ向から対峙。
  両者ダウン。
  46分経過。
  チョップを打ち合う。
  ヒーローが打ち勝ちマットに投げアーム・バー。
  パンクは逃れると蹴りまくるもヒーローは食らい突く。
  レフェリーがロープ・ブレイクだと引き離そうとする。
  ヒーローは離れると見せかけ再び襲い掛かる。
  パンクをコーナーに固定し打撃を打ち込んでいく。
  パンクも脱出すると打撃でやり返す。
  バック・ブリーカーからカバー。カウント2。
  50分経過。
  パンクはパイル・ドライバーを決める。
  カバーするもカウント2。
  ロシアン・レッグ・スイープも同じ。
  ミュール・キックからロープに走る。
  ヒーローがカウンターでパワー・スラム。カウント2。
  アーム・ロック・バック・ブリーカーを決めるもダメージは重く崩れ落ちる。
  それでも起き上がるとパンクの腕を攻め極める。
  リスト・ロック・ボディ・スラムを狙うも持ち上げられない。
  パンクは蹴りを浴びせドロップ・キック。
  55分経過し残り5分。
  フェイス・ウォッシュを決める。
  カバーするもカウント2。
  ヒーローがドロップ・キックを決めパンクを落とす。
  場外でパンクにチョップ、フォア・アームズを浴びせる。
  そしてハングマンズ・クラッチを狙う。
  パンクは鞄で殴りつけて防ぐとリングに戻る。
  ヒーローもリングに戻ると隙を突きハングマンズ・クラッチ!
  極め方を変え追い詰める。
  残り2分!
  パンクは何とか逃れロープを掴む。
  ヒーローが定番のラ・マヒストラルへのムーブにいく。
  読んでいたパンクはひっかかる振りをしながら途中で丸め込みに切り返す。1,2,3!
  試合時間は59:04であった。
  パンクは握手もせず何の言葉もかけずに去っていく。
  ヒーローは「どちらが勝ったかは問題でないほどに素晴らしい試合であった」と告げる。



勝 敗付試合カード(勝者が赤字)

ライアン・ボズ対 ボビー・バンビーノ

ネイト・ウェブ対 ジョシュ・アベクロンビー

トリック・デイ ビス対スティーブ・ストーン
チャンドラー・マックルー対ブラッド・ブラッドリー

ダニー・ダニエ ルズ対クラウディオ・カスタニョーリ

ラ イト級王座戦:ジミー・ジェイコブス(ch)対ブランドン・ トマセーリ→詳 細

IWA 王座戦:CMパンク(ch)対クリス・ヒーロー→詳 細

IWA-Mid South 2004年のレ ビューに戻る TOPに戻る