TOPアメリカン・プロレス注目インディー →NWA:Grandslam 4/17/93

NWA:Grandslam 4/17/93の分析


名勝負 なし
好勝負 ライトニング・キッドvs.サブー

約1時間45分です。
Highspotsにてビデオで購入。

@タズマニアックvs.ブラッド・レインガーンズ
 93年というとWCWから離脱した時期で
 面子が弱くECWと協力関係にあったということなのでしょう。
 今大会にもECWレスラーが何人か出ています。
 さてこの試合ですが、いかにも前座の経験を積ませる事優先って感じで見れる物は何も無し。
 悪い試合。 
  
Aラリー・キャメロンvs.トミー・フェララ
 マッチョ黒人がパワーで支配するという内容。
 容姿的には素顔のウォーロードvs.ジャネッティみたいなものか。
 長めのスカッシュ・マッチみたいな感じでもう1つ。
 悪い試合。

Bジェリー・リンvs.クリス・キャンディード
 インディー・シーンで有名になる両者。
 キャンディードはあのコミカルな動きの中に渋さを見せますし
 リンの動きも冴えている。
 ブランチャといったああいう技は
 今までのアメリカン・プロレスにはなかっただけに受けも良いです。
 最後はレフェリー気絶やセコンドの介入といった
 定番で幕を閉じます。 
 平均的な良試合。

Cホリス・ザ・サイコパスvs.ビリー・ブレイズ
 10年後にMAWのデス・マッチ・トーナメントで見かけた事のあるサイコパス。
 怪奇派っぽいメイクの割りにやっている事はコミカルっぽい動きですね。
 試合ですが所謂アメリカン・プロレスの一面と言われる中身の無いもの。
 悪い試合。

Dライトニング・キッドvs.サブー
 ライトニング・ キッド、後の1-2-3-キッド、X-Pacですが、は
 DXメンバーというぐらいでレスラーとしてはいまいち印象に残っていませんが
 実はこの頃のインディーでリン、サブーらと共に
 スピード感溢れるハイ・フライングの攻防という魅力を輸入して
 プロレスラーと言えばヘビー級という認識を打ち破り
 ライト級の土壌を作った立役者だったのですよ。
 この部門に関しては日本に比べ10年遅れて開花した訳ですね。 
 そう考えると新日のスーパーJ級黄金時代と
 米インディーの充実も10年のずれがあり符号するのが中々興味深い。
 さてこの試合に話を戻しますと
 キッドとサブーなので、そのムーブは粗いのですが
 その危うさを93年とは考えられないハイ・フライングでもって
 ノン凶器にもかかわらずハードコアに昇華させたという所にこの試合の凄さがあります。
 だからこそノー・コンテストでも文句を言わせない満足感を残しました。
 それらの意味で本家のタイガーマスクvs.ダイナマイト・キッド(4/21/83)の一戦が両者の頭の中にあったのかも知れませんね。
 93年という世代交代の波に揺れ動く不振の時にあって
 インディーで燦然と輝いた試合でした。
 ぎりぎり好勝負。
 
Eミスター・サイトウ、チャーリー・ノリスvs.ヘイター、ネイルズ
 取り敢えずこの中では斉藤の技術力が飛びぬけていますね。
 斉藤が出てくると形になります。
 逆に引っ込むとどうしようもない。
 少し悪い試合。

FNWA王座戦:テリー・ファンク(ch)vs.ロード・ウォーリヤー・ホーク
 WCW時代と同じくテリーはヒールですね。
 試合はメインだというのに5分間場外乱闘しているだけで
 完全にお茶を濁された形に。
 悪い試合。

総評。
 時代故の価値もあるので
 諸手を挙げてサブーvs.キッドをお勧めする訳ではありませんが
 93年の、またアメプロの歴史において
 重要な試合であった事は確かでしょうね。
DVD Rating:☆☆☆☆☆

注目試合の詳細

Dライトニング・キッドvs.サブー
  サブーはキッドの脚に飛びかかって倒すとチョーク。
  キッドに殴りかかる。
  キッドが殴り返しソバットを放つ。
  サブーは避けるとヘッド・ロック。
  キッドがロープに脚をかける。
  サブーがハーフ・ボストン・クラブ。
  ロープに振りクローズラインへ。
  キッドは避けるとレッグ・ラリアット。
  サブーが場外に出て間を置く。
  サブーが戻り殴りかかる。
  キッドは避けるとソバット。
  グラウンド・ヘッド・ロック。
  サブーはグラウンド・ヘッド・シザースに返す。
  エプロンからロープ越しに飛んでレッグ・ドロップ。
  カバーするもカウント2。
  ロープ・ワークからキッドがドロップ・キック。
  エプロンに出たサブーをスーパー・キックで落とす。
  リングに戻すとコーナーへの攻撃へ。
  サブーは避けて自爆させるとショルダー・スルー。
  カバーしようと近づく。
  キッドは不意をついて蹴り上げると突進する。
  サブーはかわして落とすとトペ・コンヒーロ。
  更にアサイ・ムーンサルト。
  アルバノがキッドを鉄柱にぶつけると大流血。
  キッドが何とかエプロンに上がってくる。
  サブーは容赦なく場外へのサンセット・フリップ・パワー・ボム。
  リングに戻すとレッグ・ラリアット。
  アラビアン・プレスを決めるもわざとカバーを止める。
  コーナーからアラビアン・プレスをもう1発放つ。
  キッドは両膝を立てて防ぐと10カウント・パンチ。
  ロープを使って側頭部を蹴り飛ばすとコーナー上へ。
  サブーが捕らえ雪崩式ハリケーン・ラナ。
  もう1発狙う。
  キッドがロックを外すとサブーは脳天から落下。
  キッドがランニング・レッグ・ドロップからカバー。
  サブーがロープに脚をかける。
  キッドがブレーン・バスターからスワントーン・ボムへ。
  サブーは避けて自爆させるとコーナー上へ。
  キッドはドロップ・キックで落とすと三角跳びのブランチャ。
  更にダイビング・サイド・セントーンを決める。
  何とかリングに戻ってきたサブーにコーナーへのドロップ・キックを狙う。
  サブーはレフェリーを身代わりにするとレフェリーを殴りつけてダウンさせる。
  アルバノがリングに入り2人でキッドを殴りつける。
  セカンド・レフェリーも殴りつける。
  リンが助けに現れるとサブー、アルバノはキッドに椅子攻撃を食らわせてから退散する。
  サブーが再び姿を現すもそれぞれリン、アルバノがなだめる。

試合結果

@タズマニアックvs.ブラッド・レインガーンズ
Aラリー・キャメロンvs.トミー・フェララ
Bジェリー・リンvs.クリス・キャンディード
Cホリス・ザ・サイコパスvs.ビリー・ブレイズ
Dライトニング・キッドvs.サブー(ノー・コンテスト)
Eミスター・サイトウ、チャーリー・ノリスvs.ヘイター、ネイルズ
FNWA王座戦:テリー・ファンク(ch)vs.ロード・ウォーリヤー・ホーク(ノー・ コンテスト)