TOPアメリカン・プロレス注目インディー →AIW:Absolution VI 6/26/11

AIW:Absolution VI 6/26/11の分析


名勝負 なし
好勝負 ノーDQ:リッキー・シェイン・ペイジvs.ヴィンセント・ナッシング

2枚、約3時間55分です。
@シュガー・ダンカーストンvs.マンモスvs.AERO! vs.コバルドvs.マキシモ・スエーブvs.ロウ・ライダー
 スポット・フェスト。
 AIWにはエアボーンのようにそこから成長したトップ・レスラーが何人かいるので
 この試合の参加者に原石がいないかと探してみたけど見事に外れ。
 試合全体の事を考えられないのは勿論の事、ムーブ単体で見ても輝く物もない。
 最後はオバリヨン、コダマが乱入して仲間のコバルドをアシストし決着。
 ひどい試合でした。
 ひどい試合。

ABJウィットマーvs.エディ・キングストン
 エディは脚を引きずって登場。
 当然BJがそこを狙う展開になります。
 エディはダメージを背負いながらの戦いが得意ながら
 最初から手負いでは勢いに乗り切れないマイナス面の方が目立ちます。
 終盤は打撃で気持ちを揺らがせて防御を緩めさせた所で投げの戦いです。
 平均レベル。

 試合後エディがBJのプロレス復帰を歓迎、リスペクトを示し握手。

 フレクサーと共にチャドが登場。
 チャドと対戦する予定だったTNAのクリムゾンが欠場したため、TNAにシーマを送り込む事にしたという。
 チャドは今夜はオフだ、と言うとドンストが登場。
 TPIではめられた事は忘れていない、対戦相手を用意した、といってトゥルサスを呼び込む。

Bチャド・ウィリアムスvs.トゥルサス
 トゥルサスが軽快なハイ・ニーにドロップ・キックを放てば、
 チャドも様になった大きく引いた打撃で応戦。
 面白くなりそうに見えましたがレフェリーの制止を聞かず3分でノー・コンテスト。
 急遽組まれたカードとはいえこれはちゃんとやっても良いカードでした。
 試合後トゥルサスを止めようとしたフレクサーが場外に投げられKO。

Cチーム・デューク(デューク、ダッシャー・ハットフィールド、イザ・ボーンズ、コーリー・ウィンターズ、ベン・フルース)vs.チーム・ダルトン(ダルトン・キャッスル、ルイス・ディアマント、ジョーイ・ザ・スネーク、Kフェルナンデス、アイザック・モンタナ)
 ほぼ全員特筆すべき能力を持ってはいませんが、
 試合に対する認識は一致していてテンポを維持。
 数珠の技打ちで盛り上げる事も出来ている。
 それに加え一人群を抜いていたダッシャーはダイナミックな動きで良かったですね。
 平均レベル。 

Dインテンス王座戦:マリオン・フォンテイン(ch)vs.シーマ・ザイオン
 シーマの奇襲からスリリングな攻防。
 ダイブ後入場口の裏に消えます。
 するとテイラーが2人を殴りつけながら戻ってくる。
 テイラーがマイク・アピールをして3ウェイに変更させます。

Dインテンス王座戦:マリオン・フォンテイン(ch)vs.シーマ・ザイオンvs.チャック・テイラー
 受けを良く分かっている3人。
 柔軟に組み合わされながら試合をハイ・スピードで進めていきます。
 これだけ凝縮させながらミスらしいミスもなく
 面白い攻防を生み出しているのは流石ですね。
 残念なのは5分ほどしかないという事だけ。
 まあまあ良い試合。

Eストリート・ファイト:ジョシュ・プロヒビションvs.グレゴリー・アイアン
 プロヒビションはUWA-Hardcoreでトップ張っていただけに
 こういうドラマが求められる試合を上手くこなす。
 会場中を回りながらアイアンとの一進一退を十分量作り出していきます。
 リングに戻れば椅子などの凶器を使って。
 アイアンは実質的に片腕しか使えないのでベストの攻防とは言えませんが
 それまでの多少の粗は吹き飛ばす程フィニッシュの
 椅子の上に載ってのダブル・アーム・パイル・ドライバーは迫力がある。
 まあまあ良い試合。

Fエリック・ライアンvs.ボビー・ビバリー
 エリックが畳み掛け、ボビーも出し惜しみせずに応じるので
 かなりハイ・テンポな進行となっています。
 しかし元々の動きにおいて流れを生み出す意識が足りない事が
 スピードを上げたこの攻防からも伝わってくる。
 速攻であっても細部の緩急の必要性は変わらない。
 観客席へのダイブを自爆、エプロンでの技炸裂後の後半は
 ジャーマンの打ち合いやスーパー・キック連打などの攻防。
 Evolveを髣髴とさえる激しい打ち合いでしたね。
 Evolveはトップ候補生としてこの2人を迎えても面白いかもしれない。
 まあまあ良い試合。

Gタッグ王座戦:オルセン・ツインズ(ch)vs.アイリッシュ・エアボーンvs.エアロフォーム
 シングルで大きく成長したクリスト兄弟。
 エアボーンとしてタッグを組んでもその経験は活かされている。
 試合自体はスポット・フェストながらその中に見せ方の上手さが感じ取れます。
 オルセンズはタッグ復活後やや完成度が落ちた印象も受けるが、
 まだまだ一線を張るレベルは維持しており得意のユーモアも交えている。
 エアロフォームは他と比べて大きくタッグ力は落ちますが、
 スポット・フェストは主戦場ですから他と同じ扱いながらミスもなく対等に活躍しています。
 2人相手への技、観客席への同時ダイブなど3ウェイならではの工夫、密度があり、
 多少没個性的ではあるがワン・パターンには陥っていない。
 上質な3ウェイ・スポット・フェスト。
 中々良い試合。

HECWルールズ:サブーvs.ファサイド
 サブーがいつも通り。
 求められているハードコアなスポットを繰り出していく。
 しかしファサイドはアイドルと戦っているのにいつも以上の仕事をしたかというと否。
 終盤で攻防のミスやグダグダな進行が目立ちました。
 悪くない試合。
 
IノーDQ:リッキー・シェイン・ペイジvs.ヴィンセント・ナッシング
 元はマスク・マンだったフェイス。
 そのマスクを脱いだ事がきっかけで仲違いしたパートナー対決です。
 まずは一般的なレスリングですがその呼気は真剣です。
 集中力が極限まで高まった時に時間はゆったりと流れ、
 多重ロープ・ワークも可能になるし、その攻防はナチュラルなリズムにのる。
 ヴィンセントがフェイス・ウォッシュ4連発やアーム・バーといった棘のある攻めで
 フェイスの大柄な体格をスケール・アップした後はラダーも追加され流血戦に。
 トペを受け止め椅子トラップにデス・バレー・ドライバーしたスポットや、
 蛍光灯テーブルというデス・マッチ用トラップが出てきたのには驚きましたね。
 終盤は凶器を一切排して打撃と投げの攻防。
 完全に心と身体が一致しているからこそ、
 憎しみが流れ落ちるまで尽きない返しあいとなっています。
 どちらも有名インディーに上がっていないレスラーで
 相応の動きの緩さは所々にあるものの抗争を高める中で
 心の部分を一級品に仕上げ、四天王プロレスをスタイルとしてではなく根源として再現しました。
 特にフェイスがローリング・エルボーを多用するので三沢の姿を思い出しましたね。
 ぎりぎり好勝負。

Jアブソリュート王座戦:ジョニー・ガルガーノ(ch)vs.ティム・ドンスト
 ドンストのアマレス技術に対し、
 ガルガーノの身体的キレで対応する序盤。
 しっかりした展開でテーブル上STOなんてスポットが出ましたが、
 その後、場外戦を不必要にやったのは駄目ですね。
 特に2人の魅力が出る物でもないし
 折角メインとして特別感を生み出したのに失われている。
 レフェリー誤爆後のフォールで4人のレフェリーがカウントを数える、という
 斬新なスポットにより分かりやすく終盤とクライマックスを区切っている。
 只そのクライマックスが単純な必殺技の返しあいにならざるを得ない所は
 ちょっと限界を感じたりもしますね。
 しかし他のレスラーより安定感はトップ・クラスで
 この2人がAIW版WMメインで戦う意味合いは感じ取れたので合格点。
 平均的な良試合。

 試合後シーマが現れTPI優勝者の権利を行使し、今から王座を挑戦すると宣言。

Kアブソリュート王座戦:ジョニー・ガルガーノ(ch)vs.シーマ・ザイオン
 普通この手の試合は王者が激戦のダメージが大きく瞬殺されるものだけど
 ガルガーノは積極的に反撃し、クライマックスの攻防を3分繰り広げます。
 もしやガルガーノが凌いで防衛するのではないか、と観客に思わせた所で
 レフェリーがまさかのパウダー攻撃。
 まったく予期せぬ形でシーマ擁するフレクサー軍が団体のトップ王座を盗み取りました。
 ガルガーノ、ドンストがフレクサー軍を逃がすまいとするも
 フレクサー軍は一足早くリムジンに乗り込み逃亡です。

総評
 流石にROHとかと比べると劣るがこの団体の位置でこれだけ安定したクオリティをたたき出したのは素晴らしい。
 相変わらずストーリーは好調だし、
 何より他で無名の選手の好勝負を見たのは随分と久しぶりです。
 お勧め。
DVD Rating:★★★★☆

注目試合の詳細

IノーDQ:リッキー・シェイン・ペイジvs.ヴィンセント・ナッシング
 青ぐらい照明のまま試合開始。
 コーナーに押し込みあうも
 ヴィンセントが胸を突きながら離れたのに対し、ペイジはクリーンに離れる。
 グラウンドで軽く攻防。
 ペイジがロープに脚をかける。
 ヴィンセントは蹴りながら離れる。
 軽くスタンディングでレスリング。
 ヴィンセントがグラウンド・ヘッド・ロック。
 ロープに振られクローズラインをかわすとクローズラインを狙う。
 フルネルソンを取られ丸め込みを狙う。
 ロープに飛ばされるも腕を絡めロープに振る。
 脚を払いカバー。
 ペイジがすぐ返し脚を払いカバー。
 ヴィンセントもすぐ返す。
 仕切りなおし。
 ヴィンセントが転がし上にかぶさる。
 ペイジがロープに脚をかける。
 ヴィンセントが組みニーを連打。
 ロープに走る。
 ペイジがチョップ、アッパーカートにヘッド・バッド。
 ロープに走りけりへ。
 ヴィンセントはかわすとエルボーへ。
 どちらもガードしあう。
 両者離れて間を置く。
 ナックル・ロック。
 ヴィンセントが腕を取りにいく。
 アーム・ロック。
 ロープに振りクローズラインへ。
 かわされるもバック・エルボーで倒す。
 コーナーのペイジにハイ・ニー。
 崩れた所にフェイス・ウォッシュ。
 もう1発。
 3発目。4発目。
 カバー。カウント2。
 エクスプロイダーを狙う。
 ペイジは防ぐとバック・ブリーカー。
 コーナーに振るとエルボー。
 崩れた所でロープに走りニー・ストライク。
 カバー。カウント2。
 起こそうとする。
 ヴィンセントがエルボー連打。
 ロープに走る。
 ペイジがカウンターでチョーク・スラムを狙う。
 ヴィンセントが持ち上げられながらもアーム・バー。
 ペイジは持ち上げるとコーナーに叩きつける。
 しかしヴィンセントは離さない。
 そのまま場外に転落するも離さない。
 ペイジが柵にぶつけるも離さない。
 踏みつけてようやく逃れる事に成功。
 リング下からラダーを取り出し柵に立てかける。
 ヴィンセントが振り返しラダーにぶつける。
 ペイジの頭部を柵と鉄柱に交互にぶつけていく。
 キャメル・クラッチ。
 ペイジは流血している。
 ペイジが殴りニー。
 ダウンさせ背中を殴りつける。
 椅子を4脚並べる。
 その隙にヴィンセントがリングに入りトペ・スイシーダを狙う。
 ペイジはキャッチし担ぐとそのまま椅子トラップの上へのデス・バレー・ドライバー。
 椅子トラップの上に寝かせる。
 リングに戻りトペ・コンヒーロを狙うもかわされ自爆。
 ヴィンセントが起き上がり椅子をぶつける。
 リング下からテーブルを取り出そうとする。
 ペイジが椅子をぶつける。
 テーブルを柵に立てかける。
 ヴィンセントがエルボー。
 柵に立てかけられたテーブルへのエクスプロイダーを狙う。
 ペイジが防ぐ。
 ラダーを持ってきて柵に立てかけるとクローズラインを狙う。
 ヴィンセントが受け止めそのラダーへのエクスプロイダー
 テーブルを立てる。
 エプロンで担ごうとする。
 ペイジは逃れるとクローズラインでリングにいれる。
 ロープ越しに延髄切り。
 コーナーに上りスワントーン・ボム。カウント2。
 ラダーを場外テーブルの横に立てる。
 テーブルの横にもう1脚ラダーを立てる。
 そして2脚のラダーの間に蛍光灯を何本も挟んでいく。
 各段に5,6本通されている。
 ヴィンセントが蹴りつける。
 胸に蹴り。
 ペイジは耐えるとボディ・スラム。
 テーブルの横に3脚目のラダーを立てそこをヴィンセントを連れ上っていく。
 ラダーに挟まれた蛍光灯とその下のテーブルめがけスーパープレックスを狙う。
 ヴィンセントが耐え担ごうとする。
 ペイジが防ぎスーパープレックスを狙う。
 ヴィンセントが防ぎ突き飛ばしてテーブルの上に落とす。
 ペイジをリングに入れカバー。カウント2。
 ペイジが打ってこいという。
 ヴィンセントがエルボー連打。
 コーナーに振ろうとする。
 振り返されるもコーナーを使って裏に回りジャーマン。カウント2。
 ペイジが打って来いという。
 ヴィンセントが胸に蹴りを打ち込んでいく。
 耐えて起き上がったペイジに変形ファルコン・アロー。カウント2。
 エルボーを打ち合う。
 張り手を打ち合う。
 蹴りの打ち合い。
 エルボーの打ち合い。
 チョップの打ち合い。
 ヴィンセントが蹴りを連打。
 ロープに走る。
 ペイジがカウンターでラリアット。
 起き上がって走ってきたペイジにラリアット。
 両者ダウン。
 同時に起き上がる。
 ヴィンセントがエルボーを打ちロープに走る。
 ペイジがカウンターでローリング・エルボー。
 カウント2。
 エルボー・パッドを外す。
 ロープに振りローリング・エルボーを狙う。
 ペイジはカウンターで腕を蹴り払うとリバースDDTの体勢から持ち上げスラム。
 カウント2。
 ロープに振ろうとする。
 ペイジが振り返しショルダー・スルーを狙う。
 蹴り上げられるも延髄切り。
 背中にローリング・エルボー。
 ロープに跳ね返ってきた所をローリング・エルボー。カウント2。
 すぐに持ち上げリバースDDTの体勢からスラム。カウント3!
 試合後ヴィンセントのマイク。
 ハグする。
 ペイジがマスクを被る。
 一緒に退場し入場口でポーズ。

試合結果

@シュガー・ダンカーストンvs.マンモスvs.AERO! vs.コバルドvs.マキシモ・スエーブvs.ロウ・ライダー
ABJウィットマーvs.エディ・キングストン
Bチャド・ウィリアムスvs.トゥルサス(ノー・コンテスト)
Cチーム・デューク(デューク、ダッシャー・ハットフィールド、イザ・ボーンズ、コーリー・ウィンターズ、ベン・フルース)vs.チーム・ダルトン(ダルトン・キャッスル、ルイス・ディアマント、ジョーイ・ザ・スネーク、Kフェルナンデス、アイザック・モンタナ)
Dインテンス王座戦:マリオン・フォンテイン(ch)vs.シーマ・ザイオン
Dインテンス王座戦:マリオン・フォンテイン(ch)vs.シーマ・ザイオンvs.チャック・テイラー
Eストリート・ファイト:ジョシュ・プロヒビションvs.グレゴリー・アイアン
Fエリック・ライアンvs.ボビー・ビバリー
Gタッグ王座戦:オルセン・ツインズ(ch)vs.アイリッシュ・エアボーンvs.エアロフォーム
HECWルールズ:サブーvs.ファサイド
IノーDQ:リッキー・シェイン・ペイジvs.ヴィンセント・ナッシング
Jアブソリュート王座戦:ジョニー・ガルガーノ(ch)vs.ティム・ドンスト
Kアブソリュート王座戦:ジョニー・ガルガーノ(ch)vs.シーマ・ザイオン(新チャンピオン!)