TOPアメリカン・プロレス注目インディー →AIW:Gauntlet fo the Gold 6 2/18/11

AIW:Gauntlet fo the Gold 6 2/18/11の分析


名勝負 なし
好勝負 なし

@ダ・ラティン・クライム・シンジケイトvs.ライツ・アウト、アイゼア・ボンズ、コンバット・キッド
 最初のレスリングも連携技もやる事は決まっているのだからもうちょっとしっかり出来ないものかね。
 ダン・マフのようなタイプのグループ、シンジケイトは大柄で甚振る役といっても
 相手を雑に扱う表現と細部に気を使わなくても良い事を履き違えている。
 いや正確に言うなら誤解という言葉も値しない。
 認識してすらいないレベルだから。
 小柄なライツ・アウト側はやられている瞬間も体をコントロールしないといけない。
 実に見栄えが悪いですね。
 そしてその中に入っている巨漢のボンズは
 メリハリにならないといけないのに他に引っ張られて攻め/受けの比率悪し。
 ひどい試合。

 試合後もシンジケイトがリンチ。
 デュークが現れ追い払う。

Aデュークvs.ラモント・ウィリアムス
 デュークは太りすぎでラモンも受身を取りづらく、その迫力にリアリティーがない。
 一方でラモントも割を食っていると言えるレベルではなく攻めも貧弱で印象に残らない。
 また2人の間の攻守切り替えのタイミング取りも感心しない。
 ひどすぎる試合。

本大会開幕。
@女子王座戦:エンジェルダスト(ch)vs.ジェシカ・ハボック
 ジェシカが微妙に体格が大きくエンジェルダストは攻めづらそうですね。
 しかしジェシカはその微妙な体格の違いを見せる受けもあるし、
 一方で攻めでも感情的になったり煽ったりと万能な働きを見せます。
 記憶にない選手の割りにトータル・パッケージですね。
 死んだかのようにぐったりするエンジェルダストを
 このジェシカが攻め込む形でそこそこ引き込まれる内容でしたが、
 ようやく反撃かという所で悪徳マネージャー、フレクサーが介入し幕となるので
 終盤の盛り上がり所がほとんどないのはいけません。
 これをやるならもっとコンパクトにしないとね。
 少し悪い試合。

 チャド・ウィリアムスが助けに現れる。
 かと思いきやエンジェルダストにスラムでフレクサー軍入り。
 
 対戦相手のマット・クロスが欠場した事を受け、
 アイアンがミステリー・オポーネントを募る。
 そこにプロヒビションが登場。
 戦うために来たのではない、俺がお前をプロデュースしガルガーノのようにビッグにしてやる、と言う。
 アイアンは、あんたの事は尊敬しているが自分の力でやっていくよ、と答える。
 プロヒビションは握手し、この答えを受け入れたかと思いきやドランケン・ドライバー。
 プロヒビションが去った後、フレクサー軍のエース、シーマが現れ次の試合へ。

Aシーマ・ザイオンvs.グレゴリー・アイアン 
 先の影響もありシーマが一方的に攻める内容となっています。
 グレゴリーの反撃するタイミングは悪くないものの
 腕に障害があるせいで技が限られ思ったような流れを生み出せません。
 グレゴリーみたいに方向性が限られる選手の場合は
 試合の中で自然と定位置に落としこまれるので
 今回みたいに試合外でスキットを入れると損する事が多いですね。
 少し悪い試合。

Bインテンス王座戦:マリオン・フォンテイン(ch)vs.ファケイド
 ファケイドはいつ見ても感心しない。
 相当分かりやすくスローにしないと流れを理解してくれません。
 マリオンの悠然とした動きに合わせられず
 攻め手になったらなったで穴のあり過ぎる微妙な物で更に駄目っぷりを露呈するだけです。
 悪い試合。

C4コーナーズ・マッチ:ア・コール2アームス(シェイン・ホリスター、トリック・デイビス)vs.エアロフォームvs.アイリッシュ・エアボーン
 アームスはIWA、AAWで経験を積んでいる2人なだけに安定していてメリハリをつけれている。
 昔スポット・フェスターだったとは思えない程成長した
 エアボーンは攻防の中にもゆとりがあり魅了する。
 残るエアロフォームはまさにそのスポット・フェスターで
 技に味付けがないから畳み掛ける展開にならないと物足りず、
 その差を埋めようとする余り試合の流れより一足早く先走っている。
 終盤の打ち合いにはちょっとした3ウェイらしさが欲しかったですね。
 最後はまたも悪徳マネージャーフレクサーが介入しアームスの勝利。
 平均より少し上。

Dティム・ドンストvs.コルト・カバナ
 普通のレスリングですが、スピード・チェンジを表に出したり、
 フォールしたりする行動を戦いの流れからではなくリズムから、
 つまり本来とは逆の因果関係で行う事で楽しませてくれます。
 ヨーロピアン・レスリングもかじるカバナの得意な形ですね。
 しかしそこまでコンセプチュアルではない。
 特に後半はドンストがそこから脱却し展開づけようとするも
 カバナとの完全な合意がなく息がずれているし、
 どんくさく見える受身のせいで、元々そう見えないのに輪をかけてハードさが伝わってこない。
 悪くない試合。

 試合後ドンストはこの勢いでポンドやスティーンも倒すとアピール。

 ガルガーノの相手はフレクサー軍からのミステリー・オポーネント。
 フレクサー自身が戦うと見せかけボビーが奇襲を仕掛ける、というネタから次の試合へ。
Eアブソリュート王座戦:ジョニー・ガルガーノ(ch)vs.ボビー・ビバリー
 その奇襲をガルガーノが阻止してしまいます。
 折角のヒール的展開なのにね。
 ボビーが真正のヒール・レスラーならともかく
 彼はデイビーのような熱を持った方向性が似合うタイプ。
 自分からのヒール・アピールがやや空すべりするものですから
 ブックによる援護を上手くいかさないといけませんよ。
 ベビーフェイス/ヒールの形に中々入れず
 綺麗ながら淡白ま攻防だったという印象になってしまった。
 平均レベル。

Fガントレット・フォー・ゴールド
 6回目となるAIW版ロイヤル・ランブル。
 30人参加で登場する間隔は90秒ごと。
 今年の優勝者特典はAIWのWM、Absolution Vでの王座挑戦権です。
 2人目に女装版アメコン、6人目に人気者ドンスト、7人目にマット・クラシック、と
 序盤にはその存在だけで盛り上がるレスラーやネタを持ったレスラーを集めて盛り上げています。
 クラシックがほとんど接触がないまま脱落したのは凄く勿体無かったですけどね。
 中盤はシンジケイトが数の理を活かして優位に立つ展開を見せ、
 終盤は柵につかまったり、リング横のテーブルの上に落ちる事で脱落を免れるというスポット。
 今年のRRでモリソンが見せたシーンの応用ですね。
 AIWという団体は旬のネタを上手く持ち込んでいる印象があります。
 使っている。
 最後は29番手ボビー、30番手シーマ(ついでにドサクサにまぎれてフレクサー、チャドも参加)で
 この団体のトップ・ヒール・グループフレクサー軍との対決に突入。 
 WWEと比べると随分見せ方のレベルは落ち、
 チャドが落とされかけているフレクサーを助けようと自ら場外に下りるシーンなんて
 時間がかかりすぎて茶番でしかないのだけど、
 それでもクライマックスで参加者が
 見ていて分かるほど一気にテンション上げていたので何とか押し切りましたね。
 ラストはこれまたWWEの影響を受けたオチ。
 展開の見せ方は下手ながら中堅のインディー団体にもかかわらず
 30人参加、1時間弱の試合をファン・マッチとして成立させた事は驚嘆に値する。
 まあまあ良い試合。

総評
 今年に入りWWEを参考にしたストーリー強化が成功を収めているAIW。
 その第一歩としてこの大会ではフレクサー軍とそれ対するドンスト/ガルガーノ体制が十分にアピールされています。
 しかし他の有名インディーに比べると今回の大会の試合クオリティはちょっと厳しいですね。
 今年のAIW追う上では初めに見るべき内容ながら
 AIWを見るかどうかを決める入り口としては薦めない。
DVD Rating:☆☆☆☆☆
(執筆日:9/1/11)

注目試合の詳細

なし

試合結果

@ダ・ラティン・クライム・シンジケイトvs.ライツ・アウト、アイゼア・ボンズ、コンバット・キッド
Aデュークvs.ラモント・ウィリアムス
@女子王座戦:エンジェルダスト(ch)vs.ジェシカ・ハボック(新チャンピオン!)
Aシーマ・ザイオンvs.グレゴリー・アイアン 
Bインテンス王座戦:マリオン・フォンテイン(ch)vs.ファケイド
C4コーナーズ・マッチ:ア・コール2アームス(シェイン・ホリスター、トリック・デイビス)vs.エアロフォームvs.アイリッシュ・エアボーン
Dティム・ドンストvs.コルト・カバナ
Eアブソリュート王座戦:ジョニー・ガルガーノ(ch)vs.ボビー・ビバリー
Fガントレット・フォー・ゴールド(優勝者:ティム・ドンスト)