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AAW:Best of AAW 2021の分析


名勝負 なし
好勝負 AAWヘビー級王座戦:マンス・ワーナー(ch)vs.フレッド・イーハイ(5/7/21)

ジョシュ・アレキサンダーvs.マット・フィチェット(6/11/21)

AAWヘビー級王座戦:フレッド・イーハイ(ch)vs.ジョシュ・アレキサンダー(9/2/21)

@AAWヘビー級王座戦:マンス・ワーナー(ch)vs.フレッド・イーハイ(5/7/21)
 序盤ハード・ヒットの見せ方を工夫していて
 期待感が高まりますが、試合はまさかの斜め45度を行きましたね。

 暗すぎて良く見えないのが難ですが、
 場外戦でイーハイがガラスを突き立てマンスを大流血に追いやります。

 ここからイーハイ95/マンス5の攻め比率の尖がった内容へ。
 一方的が過ぎるというものですが、これが面白い。

 過去のイーハイなら煽りもアクション・ベースだったのが
 今のイーハイなら表現的に煽ることができます。

 その技巧には唸らされますね。

 首に椅子をかけ、今度は柵で、と
 終盤にかけての凶器を使った演出も完璧。
 
 マンスもここまで受けに徹するのは珍しいとはいえ
 根性キャラなので受けっぷりは良かったですが、
 いやはやそれでもこれはイーハイの試合だった、という誉め言葉を送るしかないでしょう。

 抗争決着戦も当然にあるはずでこれは楽しみですね。

 ぎりぎり好勝負。

Aジョシュ・アレキサンダーvs.マット・フィチェット(6/11/21)
 ジョシュが強烈な攻めを見せます。

 ハイ・フライングのフィチェットは見かけ、スタイルから差を感じてしまって、
 若干違和感があるのも確かですが、張り合って真っ向から打ち合い。

 両手を後ろ手に組んで打ってみろよ、と打撃戦を自ら所望するぐらいで
 こんなに良いタフガイだったかと見ていて驚きましたね。

 気迫がこもっていて見得も格好良く切っています。

 予想以上に熱いファイトで、試合時間一杯全力で魅了しました。

 ぎりぎり好勝負。

Bフレッド・イーハイvs.ダニエル・ガルシア(6/11/21)
 シンプルなレスリングの中に
 細かな工夫、細かな仕草が光り、実に面白い。
 テクニカルでエンターテイメントです。

 ホームのイーハイがヒールを演じるので、
 ガルシアはLimitlessでのヒールっぷりを見せることはできませんが、
 イーハイのレスリング・テクニックを引き出しつつ
 自分の望む類の攻防に寄せていきます。

 ゲストだからとフェイスとしての振る舞いを後回しにして
 自分のスタイルを通し終盤はサブミッション・バトル。
 見応えのある攻防でこれはまたどこかで戦って欲しいな、と思わせましたね。

 好勝負に少し届かず。

CAAWヘビー級王座戦、ケージ・マッチ:マンス・ワーナー(ch)vs.フレッド・イーハイ(7/9/21)
 前回を踏まえるとマンスはもっと感情的でも良いが
 間をもった試合運びで最初はスタート。

 ベルト攻撃などを踏まえて
 しっかり時間を費やした上でケージ攻撃。
 適切にステップ・アップさせた内容ですね。

 跳ねる確変が起きたのは中盤。
 サミングを食らったイーハイが間違ってレフェリー攻撃。
 代打で入ってきたレフェリーもマンスが能動的にKOして無法地帯に。
 ケージの鍵も解除されたので椅子に板に、と持ち込み放題。
 流血も加わってAAWらしいアナーキーな演出でしたね。

 レフェリーが不在で勝敗が決まり得ない中で
 どうするかをイーハイはしっかり演じれていました。

 30分試合なので一部のシーンではだるいところもあるが
 前回の試合を踏まえてエピック・マッチ風味にしっかり仕上げました。

 イーハイ政権は楽しみですね。

 好勝負に少し届かず。
 (執筆日:7/?/21)

Dデイビー・リチャーズvs.ダニエル・ガルシア(9/2/21)
 デイビーは精度が落ちているものの
 その往年の激しさを引き出すべく
 ガルシアがレスリングを重ねがけし、
 デイビーの腕に狙いをつけ上手く組み立てています。

 デイビーのブランクに対して
 自分で作り過ぎようとしていないのも良いですね。
 デイビーの攻めに大仰に痛がりつつ、気持ちの攻め合いにも応じています。
 このバランス感が素晴らしい。

 デイビーもその信頼の下、流石の空間使いを見せ、
 テクニカル・ポイントも問題なしの動きを見せました。

 質的な魅力はガルシアに依りますが
 デイビー復帰後のベストかもしれませんね。

 好勝負に少し届かず。

EAAWヘビー級王座戦:フレッド・イーハイ(ch)vs.ジョシュ・アレキサンダー(9/2/21)
 イーハイはテクニカル性を残しつつ
 今のキャラを活かしたレスリングの取り組みで
 物語性の高い仕掛けを見せていますね。

 ジョシュは王者のイーハイにある程度リードさせつつ
 こちらも高い次元で試合に臨んで微調整。

 結論からいうと60分の試合ではありますが、
 それ用の極端な組み立てにはしていません。
 普通の尺の試合と見せかける構築でありつつスポット抑えてますね。
 しかし意図を持った攻めなので、
 インパクト押さえていても攻守に繋がっているのが素晴らしい。

 イーハイが場外投げを狙ったところをジョシュが逆に持ち上げてエプロンに叩きつけ15分経過。
 
 それぞれサブミッションでじっくり攻め込んでいきますが、少し重たい時間帯でしたし、
 丸め込みや印象的な技のタッチも決まると思わせるには弱いか。
 アイアン・マン・マッチだったら満点だったかもしれませんが。
 
 25分経過。
 ここで大きなターニング・ポイントのシーンを入れてきましたね。
 イーハイはジョシュの腕を捉えるとコーナーの四角柱の中に押し込み腕にエルボー連打。
 更にナックルでジョシュの額を割り流血させます。

 30分経過。
 流血量自体はそれほどではありませんでしたが、
 ジョシュの疲弊表現が冴えわたりましたね。
 
 適切にレールにのせつつギアを上げた技で後半戦の変質を遂げました。

 40分経過。
 イーハイが今だからこその成熟感ある見せ方。
 ジョシュが気合系で別ベクトルで変化をつけます。

 ジャーマン連打の打ち合いやテクニカルなサブミッションの切り返し合いは
 ベノワvs.アングルを彷彿とさせる攻防でもありましたね。

 後半の組み立てにもう一つ工夫が欲しいものの
 TJP vs.ジョシュに近しいレベルの圧巻の内容でした。

 文句なしに好勝負。
 (執筆日:8/?/21)


注目試合の詳細

なし

試合結果

@AAWヘビー級王座戦:マンス・ワーナー(ch)vs.フレッド・イーハイ(5/7/21)
Aジョシュ・アレキサンダーvs.マット・フィチェット(20分時間切れ)(6/11/21)
Bフレッド・イーハイvs.ダニエル・ガルシア(6/11/21)
CAAWヘビー級王座戦、ケージ・マッチ:マンス・ワーナー(ch)vs.フレッド・イーハイ(新チャンピオン!)(7/9/21)
Dデイビー・リチャーズvs.ダニエル・ガルシア(9/2/21)
EAAWヘビー級王座戦:フレッド・イーハイ(ch)vs.ジョシュ・アレキサンダー(60分時間切れ)(9/2/21)