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AAW:Best of AAW 2016の分析


名勝負 クリス・ヒーローvs.トレヴァー・リー(4/9/16)
好勝負 #1コンテンダーズ・マッチ:クリス・ヒーローvs.サミ・キャリハン(1/15/16)

トマッソ・チャンパvs.ザック・セイバーJr.(4/9/16)

@#1コンテンダーズ・マッチ:クリス・ヒーローvs.サミ・キャリハン(1/15/16)
 サミが不意打ちビッグ・ブーツからエクスプロイダー。
 ヒーローのエルボー・スタイルに
 真っ向からぶち込みあいに挑みます。

 勢いのった時のサミの獰猛性は飛び切りで
 ヒーローとの体格差、体重差を飛び越えて
 成立させるだけのエネルギーがあります。

 更にロープを使っての脚へのサブミッションにより
 ヒーローが脚を痛める付加要素も加わることで
 ハード・ヒッティング・マッチにありがちな
 単調さをクリアすることもできています。

 文句なしに好勝負。
 (執筆日:9/?/19)

Aクリス・ヒーロー、ドリュー・グラックvs.ジョニー・ガルガーノ、トマッソ・チャンパ(2/19/16)
 4人共WWE絡みというタッグ。
 昨年ぶつかっているチャンパとヒーローは
 単シーンの熱さはお墨付き。
 むしろ前回課題だった攻守のバランスの処理が
 タッグの流れで出来るのはむしろ良い。
 ガルガーノ、グラックは確かな働き。
 それぞれタッグとしては少し一歩引いた形だったが、
 この4人に期待するだけの内容には仕上がっている。
 好勝負に少し届かず。

Bドリュー・グラックvs.マット・フィチェット(3/18/16)
 プロレスのレスリングへの技術的な反映、
 試合を動かすにあたっての相手の誘導、
 ダイナミックさを感じさせつつ理を通すための一極攻め、
 (ここでは脚攻め)、
 それによる弱者の応援誘発。
 レスリングを如何に現代プロレスに適用させるか、
 グラック先生によるお手本のような内容ですね。
 最後の一発逆転、本当に一発、で負けてみせる
 グラックの懐の深さに感銘を受けざるを得ない。
 好勝負に少し届かず。

Cジョニー・ガルガーノvs.アンドリュー・エヴェレット(4/9/16)
 いきなり2人で帰ろうとしたり、
 そのまま後ろに背中から倒れこむセントーンを決めたり と
 観客が喜びそうなおふざけを混ぜ込みます。
 童子に軽量級の鋭い攻防も平衡で行っていて
 柵の上からムーンサルトなども放ちます。
 過激技は使わず抑制していますが、
 その中でニア・フォールの演出と
 起承転結のまとめた構築は素晴らしかった。
 中々良い試合。

Dクリス・ヒーローvs.トレヴァー・リー(4/9/16)
 ヒーローのKOスタイルにトレヴァーは非常に良い受けを見せるのですが、
 一方では蹴りを武器にしっかり反撃する。
 ベースはがむしゃらなファイトなのですが、
 ジャーマン等意表を突いたパワー・スポットも織り交ぜる上手さがありますね。
 ヒーローもロープ・ワークを適度に織り交ぜていて好調。
 絶妙のバランス感覚でつむがれるストーリーの上で行われる
 シンプルな打撃の叩き込み合いは頂点としてふさわしい。
 その後にローリング・エルボーをコリジョン・コースで返したり
 不発に終わらせていたエプロンからのフットボール・キック連打、
 パイル・ドライバー3連発というフィニッシャーのセンスも瞠目。
 ぎりぎり名勝負。

Eトマッソ・チャンパvs.ザック・セイバーJr.(4/9/16)
 出だしのセイバーの身のこなしのスピード感は異常なレベル。
 それが故にストラングル・ホールドによる韻の踏みあい等が
 スローに見えすぎて困るぐらいですけどね。
 セイバーは常道の腕攻めですが
 エプロンでキー・ロックにか耐えた上で上にのったりと遺恨を感じさせます。
 チャンパも場外の柵を使いながら印象的な形でニーを叩き込んでいく。
 非常に雰囲気が整った中で
 それぞれ鋭い攻めでお互いを削りあいます。
 本当に削りあいという表現がふさわしい
 苦しい苦しい一進一退の鬩ぎ合い。
 執着的な攻防は悪く言えばワン・パターンなので
 クライマックスをもう少し上手く変調させるか
 5分削っても良かったか(全体の試合時間は31分)。
 最後で少し落とすも十分記念大会のメインらしいライバル対決でした。
 ぎりぎり好勝負。

FペンタゴンJr. vs.フェニックス(5/6/16)
 ルチャらしい演舞から
 場外含めて空間を拡張して
 まずは風呂敷を広げます。
 そこをペンタゴンがアピール力を活かしながら
 適切に折り目をつけていく。
 最後はスパニッシュフライ等の
 見栄えの良い大技の連発で〆。
 10分前半ながらショーケースとなる内容。
 好勝負に少し届かず。

GAAWヘビー級王座戦:サミ・キャリハン(ch)vs.トマッソ・チャンパ(5/6/16)
 記載はないですが、ノーDQルール。
 初っ端からトップ・ギアでスタートし一進一退するのは
 ハード・ヒッターの常套手段ではありますが、
 いきなりコーナーに立てかけた柵へのDVDとはね。
 これでサミがKOするなら良いのですが、
 即座にサミがトペをやり返すのは幾ら体力MAXの状態とはいっても
 ダメージ設定が壊れていると言わざるを得ません。

 観客席裏の乱闘もバー・カウンターでDVDなど迫力はあるし、
 リングに戻ってもハードコアで楽しいのだけれども
 点の盛り上がりで試合全体としての面白みに欠けます。

 これがまた試合時間で20分弱で勢いで突っ走れば
 その欠点も目立たなかったかもしれませんが、
 28分と長すぎる試合時間なのでね。

 両者体は張りましたが、それに見合うクオリティにはならず。
 まあまあ良い試合程度。
 (執筆日:9/?/19)

注目試合の詳細

なし

試合結果

@#1コンテンダーズ・マッチ:クリス・ヒーローvs.サミ・キャリハン(1/15/16)
Aクリス・ヒーロー、ドリュー・グラックvs.ジョニー・ガルガーノ、トマッソ・チャンパ(2/19/16)
Bドリュー・グラックvs.マット・フィチェット(3/18/16)
Cジョニー・ガルガーノvs.アンドリュー・エヴェレット(4/9/16)
Dクリス・ヒーローvs.トレヴァー・リー(4/9/16)
Eトマッソ・チャンパvs.ザック・セイバーJr.(4/9/16)
FペンタゴンJr. vs.フェニックス(5/6/16)
GAAWヘビー級王座戦:サミ・キャリハン(ch)vs.トマッソ・チャンパ(5/6/16)