TOPアメリカン・プロレスECWECW 1999年 →ECW:Tanaka vs. Awesome 12/17/99

ECW:Tanaka vs. Awesome 12/17/99の分析


名勝負 ECW王座戦:マイク・オーサム(ch)vs.田中将斗
好勝負 なし

DVD。

@3ウェイ・ダンス:ダニー・ドーリング、ロードキルvs.キッド・カッシュ、ノヴァvs.ダップ・ブラザーズ

Aスペル・クレイジーvs.日高郁人
 日高は間を置いて一つ一つの動きを価値あるものだと気取って見せていますが
 その動きの実態はというとトップ・レベルの魅力を持っている訳ではない。
 決して駄目という訳ではないですけどね。
 頭に体がついていってない印象です。
 しかしスプリングボード式トペ・アトミコで会場を大いに沸かせましたし、対するクレイジーが素晴らしかった。
 日高の攻めを受け、ふらつくまでにセールしつつも
 反撃するとホーム・ボーイとして完全に場を掌握している。
 見事なものでした。
 まあまあ良い試合。

B金村キンタローvs.トレイシー・スマサーズ

Cヨシヒロ・タジリvs.スーパー・カロ
 タジリvs.クレイジーと記載されていますが
 クレイジーが2戦する訳もなく
 スーパーはスーパーでもカロの方でした。

 試合ですが、ルチャにおいて
 乱戦でない場合は打撃なんて添え物です。
 その感覚に関してタジリの認識とズレがあるようで適切に交わらない内容。
 特に怪我はなかったようだけど、
 タジリがトペコン受け止めきれずカウンターでパワー・ボムを食らったようにカロが落下するシーンもありましたね。
 凡戦です。
 悪い試合。

Dジェリー・リンvs.リトル・グイドー
 終盤タジリ、続けてクレイジーが乱入。

Eレイヴェン、トミー・ドリーマーvs.バルディーズ
 試合前にインパクト・プレイヤーズがレイヴェンを襲撃。
 入場ゲートに磔にするという暴挙に。
 結局試合は行なわれず。

FECW王座戦:マイク・オーサム(ch)vs.田中将斗
 #9。
 オーサムが乱入しスパイクに襲いかかります。
 そして挑発するように観客席の田中目掛けスパイクを投げ飛ばします。
 これには黙っていられないと田中がリングに上がり乱闘。
 セキュリティーに引き離されるも
 世界王座戦としてやれ、とポールEの英断で試合として再開されます。

 演出の後押しを受けた2人も序盤からエネルギッシュな動き。
 定番の田中のトペ、オーサムの柵越えフライング・ショルダー・タックルで早くも大きく盛り上がります。
 その後はオーサムが観客をコントロール。
 時に期待通り、時に期待を敢えて外して緩急をつけていきます。
 その分田中と試合している感は若干弱くなっていますけどね。
 しかし過激な一手に出てやはりこれは田中vs.オーサムなんだと知らしめる。
 なんとこれまでエプロン横に配置していたテーブルを場外隅に移動させてきました。
 そしてエプロンからそのテーブルへのランニング・オーサム・ボム。
 ポールE他レスラーが花道から見守っていたのは
 演出によるものですが半ば本当に2人の体を心配していたでしょうね。
 テーブル・スポットを過去最高の精度で使いこなし、
 ダメージと回復の調律も見事に取れています。
 攻防も不必要な殴り一発すら挟まず
 スムーズに進行していてこれまた最高のレベル。
 本当に痛みに心が折れないと終わらないだろうと思わせる戦いになり、
 3脚目のテーブルが投入されます。
 このテーブルに田中がトップ・ロープからのトルネードDDT。
 追撃しようとオーサムを起こそうとするも
 起きなかったのでカバーしましたが、
 これはオーサムがここで試合を終わらせる意思を持ってしまったかのように映りましたね。
 それでもカウント2ぎりぎりで踏ん張ったオーサムに
 田中がローリング・エルボーを叩き込みカウント3。
 演出・リアル・レスラーとしての能力、
 これらが試合が進むにつれ境界を溶かし見事に融合した素晴らしい試合でしたね。
 試合後オーサム自ら田中にベルトを巻く・・・
 と思いきやいつのまにか設置された場外テーブル目掛けレイザーズ・エッジです。
 田中に説得力がなかった訳ではないのに
 負けて尚ここまでの暴れっぷりを見せる怪物オーサム。
 オーサムのキャリアの中でも屈指の強さでした。
 ぎりぎり名勝負。

Gボールズ・マホニーvs.スティーブ・コリノ
 コリノ軍に事前に襲われたのかマホニーは流血しながら登場。
 試合はコリノのセコンドが好き放題介入する中、サンドマンの登場で。

HTV王座戦:ロブ・ヴァン・ダム(ch)vs.マイキー・ウィップレック
 PPVで対戦が決まっているサブーの乱入がありながらもRVDの防衛。

Iトミー・ドリーマーvs.ランス・ストーム

総評
 オーサムvs.田中の数え歌ベストが入っている上に
 他日本人参戦や大きな出来事が起こっていて要注目の大会。
 (執筆日:2/25/12)
DVD Rating:★★★☆☆

注目試合の詳細

なし

試合結果

@3ウェイ・ダンス:ダニー・ドーリング、ロードキルvs.キッド・カッシュ、ノヴァvs.ダップ・ブラザーズ
Aスペル・クレイジーvs.日高郁人
B金村キンタローvs.トレイシー・スマサーズ
Cヨシヒロ・タジリvs.スーパー・カロ
Dジェリー・リンvs.リトル・グイドー
Eレイヴェン、トミー・ドリーマーvs.バルディーズ(試合は行なわれず)
FECW王座戦:マイク・オーサム(ch)vs.田中将斗(新チャンピオン!)
Gボールズ・マホニーvs.スティーブ・コリノ
HTV王座戦:ロブ・ヴァン・ダム(ch)vs.マイキー・ウィップレック
Iトミー・ドリーマーvs.ランス・ストーム