TOPアメリカン・プロレスどインディー →IPW:Showdown in Naptown 1/1/11

IPW:Showdown in Naptown 1/1/11の分析


名勝負 なし
好勝負 なし

2枚、約2時間25分です。

@ダスティン・レイズvs.リッチ・スワン
 スワンが確かな試合運びを見せています。
 そのためダスティンがレスリングにおいて
 テクニカルな動きを挟んで来た時には
 役割分担が上手くいけば見所のある試合になるかな、と思ったのですが、
 その後ダスティンは連続技を基調としたレスラーである事が判明。
 その連続技の組み合わせがいまいちな上に、
 ダスティンに配慮してスワンの動きまで小さくなる始末。
 終盤の攻防も位置取りが微妙で映えません。
 少し悪い試合。

Aデイブ・デイヴィッドソンvs.トニー・コジーナ
 スカッシュ・マッチではないのですが
 トニーがデイブのでかさを意識するあまり自己アピールできていません。
 またデイブに任せるにしてもデイブは下手すぎます。
 何も試合が発展しないまま最後の時を迎える。
 ひどい試合。
 
Bジェレミー・ハドレーvs.チャック・テイラー
 ジェレミーはたいした能力を持っている訳ではないので
 テイラーは高度な事を感じる必要がありません。
 ですから楽な気持ちでこのカードで見せれる事は何か、を追求し、
 取りあえずアクション量を豊富にしよう、という答えに行きついている。
 まあ正しい正解でしょうね。
 平均レベル。
 
Cスコッティ・ヴォルテックスvs.サイモン・セッズ
 スコッティは安定した試合のラインにスコッティがハード・ヒットで盛り上げ、
 サイモンは間を持って一つ一つの技で一定の効果を確実に残そうとする。
 しかし試合としては適切に絡み合えず閑散としている。
 少し悪い試合。

 試合後ヤンガーがスコッティを襲撃。
 抗議したカイル・スレットに立てた椅子へのドレイクス・ランディング。

Dジェシー・エマーソンvs.コルト・カバナ
 エマーソンは基本的な動作がしっかりしていますね。
 カバナのコミカル要素が影をひそめた内容となったのも納得です。
 比べられるレベルではないけど
 ヒールのブライアン・ダニエルソンのような渋さがあります。
 オーソドックスな内容で一定のクオリティは形作れている。
 平均レベル。

Eサミ・カリハンvs.カイル・オライリー
 どちらも相手に配慮なく攻めを打ち込み合います。
 綺麗ではないがそれぞれの個性を活かす道で、
 またそういう試合が少ないという点で差別化も出来るメリットがある。
 どちらも打撃を鉄柱に誤爆したりと対等な位置づけのスポットを挟みながら進行。
 粗い部分はありつつもミサイル・キックを腕に決めたり、
 普通のエルボーで良い所でヘッド・バッドを打つといった
 ディティールが試合に熱を与えている。
 ただカリハンはいきなりタックルを狙い出したりと
 ストロング・スタイルの意識が流れを乱す結果になったりしている。
 平均的な良試合。
 
FJrヘビー級王座戦:リコシェ(ch)vs.ARフォックス
 2011年はリコシェやスワン、Pacといった
 ハイ・フライヤーが成長著しい活躍を見せていますが、
 フォックスは彼らにない長身という武器があり、
 同じジャンルの中で競っても存在感を示せる可能性がある。
 このフォックスに対し、リコシェはIPWのスターとして
 決めるべき所と譲らない所を正確に判断しながら見事なキャリーを見せています。
 ヒールなんですが表面的な主張は決して強くない面白いヒール表現をしますね。
 またどう受けるかの判断の良さは同じ道を歩いてきた先輩だからこその物がある。
 終盤はカウンター合戦を詰め込み、同じ形の技でクライマックスとしていますが
 これは流石にフォックスの個性を無視して無理矢理盛り上げている感がある。
 しかし両者に感心した内容です。
 中々良い試合。
 
GIPW王座戦:ドッグ・カラー・マッチ:ジョン・モクスリー(ch)vs.ジミー・ジェイコブス
 まずはチェーン絡みから場外戦。
 技が出ないのでどうしても印象的なシーンに欠け、グダついて見えてしまいます。
 チェーンを使ったスポットも芸は細かいですが、すっきりと動ききれていません。
 中盤でモクスリーが大流血。
 モクスリーならではのふらふら芸もあって
 NWAを髣髴とさせる鬱積した遺恨戦となっていきます。
 ジェイコブスも釘攻撃で流血し、その後もえぐくなるばかり。
 ボディ・シザースを決めた状態で釘を何回も打ち込んでいきフィニッシュ。
 乱戦の欠点が出たもののジェイコブスvs.BJばりの遺恨戦でした。
 中々良い試合。

 試合後ダスティン・レイズがジェイコブスを襲撃。
 カリハンがジェイコブスを救い出す。

Hアイリッシュ・エアボーンvs.アメリカン・ウルヴス
 まずはオーソドックスなレスリング勝負。
 エアボーンが押し負ける形で描かれていますね。
 総合的な実績から言えばそうだけど
 現状の成長したエアボーン、IPWという団体でなら
 そこまでしなくても良い気はしますね。
 連携技を軽く一通りした後、
 ダイブ・スポットからデイブの脚に狙いをつけ孤立させます。
 トップ・タッグとしての地位を確立しチャレンジする必要のない
 ウルヴスの方がユニークなタッグ・ワークを見せていたのは嬉しかったり悲しかったりですね。
 エアボーンは連続攻撃後の爪が甘く、
 シングル・レスラーとしての成長がタッグ力に思ったほど直結していない印象です。
 終盤は同時サブミッションやスーパー・キックの数珠打ちといった
 定番を漏らさず行うほどボリュームがありましたが、それまでの道筋を考えるとやや過剰か。
 私の中でのエアボーンへの期待値が高かったため少しがっかりした所もありますが、
 ROH離脱後のエアボーンを知らない人に見せたらここまでしっかりしたタッグになったかと感心するでしょうね。
 ROHのタッグと比べても見劣りしません。
 中々良い試合。

総評
 後半3試合が三種三様で良く
 これまでのIPWの歴史の中でベストの出来であることは容易に想像がつきます。
DVD Rating:★★★☆☆
(執筆日:9/21/11)

注目試合の詳細

なし

試合結果

@ダスティン・レイズvs.リッチ・スワン
Aデイブ・デイヴィッドソンvs.トニー・コジーナ
Bジェレミー・ハドレーvs.チャック・テイラー
Cスコッティ・ヴォルテックスvs.サイモン・セッズ
Dジェシー・エマーソンvs.コルト・カバナ
Eサミ・カリハンvs.カイル・オライリー
FJrヘビー級王座戦:リコシェ(ch)vs.ARフォックス
GIPW王座戦:ドッグ・カラー・マッチ:ジョン・モクスリー(ch)vs.ジミー・ジェイコブス(新チャンピオン!)
Hアイリッシュ・エアボーンvs.アメリカン・ウルヴス