ICW:Best of ICW No Holds Barred 2020 part.2の分析
名勝負 | なし |
好勝負 | オライン・ヴェイトvs.ジョン・ウェイン・マードック(9/11/20) 60分アイアン・マン・デス・マッチ:ジョン・ウェイン・マードックvs.オライン・ヴェイト(11/14/20) |
@ジョン・ウェイン・マードックvs.カサノヴァ・ヴァレンタイン(9/10/20)
UFCのようなペンタゴンがこの日の戦場。
カサノヴァがヒール・キャラを押し進め、
マードックを甚振ります。
ただ舞台の雰囲気は良いものの
カサノヴァのような乱戦タイプからすると
少しやりづらさもあります。
ペンタゴン内に固執せず
適当なタイミングでペンタゴンから出て観客席に座っての殴り合い。
マードックがイアンの魂を承継した良い拳を見せてくれましたね。
ラダーを上ったカサノヴァをペンタゴン内の柵に落とす等
当初思っていたよりもしっかり考えて作りこまれていた構成に唸りましたね。
好勝負に少し届かず。
Aリード・ベントレーvs.アティカス・クーガー(9/11/20)
リードが体格の良さを理由に
耐えてクーガーの攻めッ気を引き出したり、
反撃に転じては蛍光灯櫓を投げつけたりと印象に残るファイトっぷりを披露。
クーガーもICW勢の中で存在感を示そうと
一つ一つ凶器をこなしていき悪くないパフォーマンス。
まったり楽しめるデス・マッチに仕上がっていますね。
逆に言うとどれもある程度等価なスポットでしたが、
最後はいきなり場違いな(誉め言葉)超巨大ラダーが出てきて
対角コーナーポスト上に橋渡しにして柵で支えるという
見ただけでワクワクしてしまう舞台装置が完成。
足元が悪いのでフィニッシュ前は
見た目の悪い殴り合いしかできませんでしたが、インパクト抜群のフィニッシュで〆。
両者の代表作の一つとなった試合です。
好勝負に少し届かず。
Bオライン・ヴェイトvs.ジョン・ウェイン・マードック(9/11/20)
防ぎ合いで焦らすか、いきなりコーナー・スポット炸裂させて掴むか、
今回は後者ですが、それでも普通は一発で止めるもの。
それを今回は熱狂と共に3コーナー連発。
そのまま場外戦に移り勢い止まらず体を痛めつけ合います。
突っ走りつつも、間を開けたり、リアクションを検討したりと
しっかり考えながらやっているのは良いですね。
そしてやってみて必要とないと感じれば
大事の為に些末に拘らず、修正する。
椅子に座って打撃戦でグーパンが見られなかったのは物足りないし、
ロープではなくチェーンでリングが囲まれているので、
ロープ・ワークが使えず制限を受けたことは否めませんが、
それを考慮しても尚激戦であります。
そして蛍光灯大刀でマードックが手を負傷するも
それによって熱が逃げることはなく、
最後は少し時間があくも何だ、何を作り出すのだ!?と期待させ、
二階席に行くと火炎ボードへのカナディアン・デストロイヤー。
壮絶にして最恐フィニッシュで締めくくりました。
今年3本指に入るデス・マッチ。
文句なしに好勝負。
(執筆日:9/?/20)
Cダン・マフvs.ノーラン・エドワード(11/6/20)
舐めて顔を差し出すノーランに平手打ち。
ケージに立てかけたテーブルに叩きつけて、と圧倒的スカッシュ。
ノーランが微かに反撃の兆しの兆し程度見せただけなのに
百倍返しでスカッシュを続けていきます。
窓の外に投げるか、とか観客に声あげろや、と煽り立てるアピール力も光りましたね。
ノーランの受けっぷりに観客も感心しますが、
マフが、リスペクトするからダウンしてろ、とノーランに言葉をかけたりと
リアルを試合のストーリーにしっかり取り組んでノーランのマン・アップ・マッチとしました。
偏った攻守バランスですが、ノーランの最後の攻めは短時間ながら印象的な気迫の攻め。
その点でもノーランに非凡な可能性を感じましたね。
好勝負に少し届かず。
(執筆日:1/?/21)
D60分アイアン・マン・デス・マッチ:ジョン・ウェイン・マードックvs.オライン・ヴェイト(11/14/20)
2分経たずにコーナー・ボードを割り5分で場外戦で椅子に座って殴り合い。
60分の試合をする為にレスリングで時間を稼ぐとかそうすることなく
デス・マッチの戦いを60分間続けられるかに挑戦しています。
印象的なシーンとしては光った電球にに照らされながらの蛍光灯の打ち合い、
ボードにのった相手への360°ダブル・ストンプ、
ガラス・スポットぐらいでしょうか。
そういう意味では派手なスポット少なく、
ベース・ラインの試合運びで対応できる技能で勝負していますね。
くどいとまでは言いませんが、
椅子に座っての殴り合いも結構な頻度で行っていました。
フォール数も絞ったことでデス・マッチを60分間もの間行えるかという挑戦の
その崇高さを際立たせましたが、
一方で試合としての構成を高望みせず諦めた側面もあることは事実です。
良くも悪くもリアルさを含めた売りになっていて、
60分の試合ストーリー性を過激に語り上げるとしても
それはデス・マッチではなく、ハードコアで表現すべきものだということを
裏面では立証する結果になっています。
とはいえこのコロナ禍の中で
新しく厳しい試みに挑み、一定の成果を出した
団体と演者には諸手で拍手を送りたいですね。
ぎりぎり好勝負。
(執筆日:11/?/20)
注目試合の詳細
なし試合結果
@ジョン・ウェイン・マードックvs.カサノヴァ・ヴァレンタイン(9/10/20)Aリード・ベントレーvs.アティカス・クーガー(9/11/20)
Bオライン・ヴェイトvs.ジョン・ウェイン・マードック(9/11/20)
Cダン・マフvs.ノーラン・エドワード(11/6/20)
D60分アイアン・マン・デス・マッチ:ジョン・ウェイン・マードックvs.オライン・ヴェイト(1-1⇒サドンデス⇒2-1)(11/14/20)