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ECCW:Best of ECCW 2019の分析


名勝負 なし
好勝負 ECCW王座戦:アルテミス・スペンサー(ch)vs.TJP(7/13/19)

@女子王座戦:ニコール・マシューズ(ch)vs.ニコール・サヴォイ(1/11/19)
 サヴォイはサブミッションのえぐさで沸かせる現代的プロレス。
 一方のマシューズはセコンドを使って不意打ちを狙ったりと古典的ヒール・プロレス。

 サヴォイの他にない魅力が存分に発揮され、
 マシューズは後ろでしっかり試合の骨組みを支えています。

 クライマックスの演出も良好です。
 その後のThe Summitでの成功も当然、と感じさせる程はまっていた。
 試合時間が5分長ければこちらでも好勝負のレベルに到達していたでしょう。
 中々良い試合。

AECCW王座戦:エル・ファンタズモ(ch)vs.アルテミス・スペンサー(1/11/19)
 軽妙な演舞。
 バランス感覚が近しい両者なだけに
 フェイス/ヒール鏡合わせで良質なセットアップを行います。

 ファンタズモは良い意味で自分勝手なペースでらしさを演出。
 スペンサーはもう少しムーブがキレるはずで
 若干コンディションが期待に届いていないですね。

 凄い魅力的なムーブを放っているのですが、
 間が余りなくて余韻がなく85%くらいしか
 伝わってこなかったのは勿体無かったと思いますね。

 好勝負に少し届かず。

BECCW&カナディアン王座戦:アルテミス・スペンサー(ECCW ch)vs.エディ・オズボーン(Ca ch)vs.レイ・ホーラスvs.エル・ファンタズモ(1/12/19)
 巨漢のオズボーンを立てるのは良いでしょう。
 ホーラスもルチャ、ファンタズモも定番ムーブで個性を見せている。
 
 ただスペンサーですね。
 4ウェイだと少し派手さに劣るにしても
 トップ王者なのだからオズボーンに押されるのは微妙。
 ましてやオズボーンの演出の為に
 昨日王座交代劇を繰り広げた
 ファンタズモと連携技を狙うなんて浅い。

 スペンサーの立ち位置に文句がありますが、
 独創的な4ウェイ・ムーブには挑戦的だし、
 シングルも見応えある攻防だったし、
 試合としてはそこだけ改善されれば問題なかった。

 好勝負に少し届かず。

Cパシフィック・カップ2回戦:アルテミス・スペンサーvs.ジェフ・コブ(3/9/19)
 時間を費やす為にムーブを絞っていますね。
 コブはハードヒットを聞かせる為の間使いで良いですが、
 問題はスペンサーの方。

 あまり動かない守勢のシーンで魅せるには
 このまま押されず反撃してくれるだろうという
 エースとしての期待感、信頼感が欲しい。

 コブに対する強さのバランス感としては
 反撃決めた後の追撃をもっと強くしないといけません。

 投げ合戦で大きく盛り上がるも
 軽くお互いフィニッシュを打って20分時間切れ。
 To be continuedとなります。
 平均的な良試合。

DECCW王座戦:アルテミス・スペンサー(ch)vs.ジェフ・コブ(5/31/19)
 前回ベースラインを引いているので
 出し惜しみせず期待に応えていきます。
 相変わらずスペンサーとコブの呼吸が少し合わないのが残念ですけどね。

 コブはより攻撃的になっています。
 このコブに対し、スペンサーは前回ほど受け手に回らず
 王者として一進一退に拘っていますが、
 このコブと帳尻合わせるにはもっともっと厳しくなくては。

 後半は攻守のバランスが取れてきて合致。
 前回の続きも示せた見応えのある攻防でした。

 ただ前回時間切れという結末から、
 記念大会でノー・タイム・リミットのリマッチという
 シチュエーションで19分という試合時間で組むセンスが分からない。

 中々良い試合だけどモヤっとします。

E女子王座戦:ニコール・マシューズ(ch)vs.ニコール・サヴォイ(6/22/19)
 サヴォイのアスリート性を活かす
 おどけをマシューズが見せますが、
 実体を伴っているのが良いところですね

 マシューズが場を使いコントロールする中で
 サヴォイが如何に抜け出せるかの攻防。
 なりで流さない試合運びなので目が離せません。

 それなのにレフェリーがカメラの位置を気にしておらず
 視界にしょっちゅう入ってきて邪魔されるのが残念。

 またサヴォイの終盤スキルがあまり発揮されないまま
 浅めでフィニッシュしてしまった。

 2019年2回目ということを考えると
 もっとがっつりやっても良かったのでは。

 平均的な良試合。

FECCW王座戦:アルテミス・スペンサー(ch)vs.TJP(7/13/19)
 TJPが得意のレスリング全開。
 スペンサーも上で挙げた試合とは違って
 コンディション良好で素晴らしい跳躍を見せます。

 アサイ・ムーンサルトを決めたスペンサーが腕攻め。
 TJPの反撃が鋭く緊張感がありますし、
 その上で最後に小さなタッチで
 端的にTJPの脚攻めの布石も打って終盤に繋げたのはお見事。
 効率的かつイノベイティブです。

 終盤も投打締絶妙のバランスで混ざった攻防が続きます。
 TJPはこれまでこういう技使いをしなかったですが、
 投げの重用で新たな境地に到達した感があります。

 最後のフィニッシュへの持って生き方も良かったですね。
 両者共に素晴らしいパフォーマンスを見せました。

 文句なしに好勝負。
 (執筆日:1/?/20)

注目試合の詳細

なし

試合結果

@女子王座戦:ニコール・マシューズ(ch)vs.ニコール・サヴォイ(1/11/19)
AECCW王座戦:エル・ファンタズモ(ch)vs.アルテミス・スペンサー(新チャンピオン!)(1/11/19)
BECCW&カナディアン王座戦:アルテミス・スペンサー(ECCW ch)(新チャンピオン!)vs.エディ・オズボーン(Ca ch)vs.レイ・ホーラスvs.エル・ファンタズモ(1/12/19)
Cパシフィック・カップ2回戦:アルテミス・スペンサーvs.ジェフ・コブ(20分時間切れ)(3/9/19)
DECCW王座戦:アルテミス・スペンサー(ch)vs.ジェフ・コブ(5/31/19)
E女子王座戦:ニコール・マシューズ(ch)vs.ニコール・サヴォイ(6/22/19)
FECCW王座戦:アルテミス・スペンサー(ch)vs.TJP(7/13/19)