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Alpha-1 Wrestling:Best of Alpha-1 2018の分析


名勝負 アルファ・メイル王座戦、アイアン・マン・マッチ:ジョシュ・アレキサンダー(ch)vs.コービー・ダスト(12/2/18)
好勝負 キング・オブ・ハーツ決勝、アルファ・メイル王座戦:コービー・ダスト(ch)vs.ジョシュ・アレキサンダー(9/2/18)

@アイアン・マン・マッチ:ジョシュ・アレキサンダーvs.コービー・ダスト(2/3/18)
 ショルダー・タックルにも倒れず
 ジョシュが力強く自分をスケール・アップさせます。
 自分の見せ方を分かっていますね。
 一方のトービーですがA-1以外の団体を渡り歩くにはややスキル・レベルで物足りない。
  ジョシュがコントロールを利かせていますが、
 リアルな実力差を反映させ
 ジョシュが先取しても良かったのではないでしょうか。
 コービーが隙を突いた丸め込みで1-0(20分)になってからも
 じっくり攻めるのは自信があるから、という理由は付いているが、
 エキサイティングには少々遠い。

 しかし30分経過してコービーがヘッド・ギアの取れたジョシュへ頭部攻撃。
 一度引退した原因の箇所でもありますし、
 観る方の集中度も高くなってくる。
 ジョシュもここで追い込まれる認識になったと表現し、37分で1-1に追いつきます。
 ジョシュの心情表現は素晴らしいですね。
 これはブックだけの展開ではありません。

 約2/3終わったとはいえロング・ハード・ロード。
 コービーの拙さを少し感じさせつつも
 脚攻めの攻防やキーとなるパイル・ドライバーの鬩ぎあいで
 しっかり見せ場を作っていきました。
 しかし最後の10分間。
 気持ちを前面に押し出すも
 それを表現するテクニックがコービーにないので、空ぶった印象です。
 なんだかんだここまで積み重ねてきただけに惜しい。
 好勝負に少し届かず。

A3ステージズ・オブ・ヘル:モンスター・マフィア(ジョシュ・アレキサンダー、イーサン・ペイジ)vs.アレサンドロ・デル・ブルーノ、マーク・ウィーラー(7/29/18)
 (1本目はトルネード・タッグ、2本目はFCA、3本目はテーブルズ・マッチ)
 入場してきたMMにブルーノ、ウィーラーがトペを仕掛けて試合開始。
 ジョシュを除いてブロウラーではないので
 1本目の形式設定は失敗している印象。
 トルネードとはいっても
 4人全員で突っ走り続ける訳にはいかないので
 それならパートナーがダウンしている中で
 ルールによって攻防の妙を見せせる方がずっと良かった。
 まずまず華のある内容で1本目を終了。

 2本目、下手すれば似た場の使い方になってしまう中で
 場外戦、椅子を使っての甚振りに徹して色分け。
 会場外に出るだけでなく、看板の上からムーンサルトしてくれたのは嬉しいところ。
 ただどうしても1つ1つのスポットで賞味期限を増す形なので
 試合時間はもう少し絞っても良かったか。

 3本目は2本目の流れで早々にテーブルが出てきますが、
 テーブル葬されると脱落する形式のため。
 簡単にはテーブル葬へと結び付けられず苦心していますね。
 どうしてもグダグダ気味なところも。
 これは形式のせいもあるでしょうし、
 3本通せば50分弱やってることによる疲労もあるでしょうね。
 最後にしっかり絵のあるフィニッシュで何とかまとめあげました。

 平均的な良試合。

Bキング・オブ・ハーツ決勝、アルファ・メイル王座戦:コービー・ダスト(ch)vs.ジョシュ・アレキサンダー(9/2/18)
 アイアンマン・マッチを争った2人が再戦。
 体格差を出しつつもジャーマンを打ち合ったりと
 ライバリティをしっかり演出します。
 前回のターニング・ポイントとなった
 ジョシュへの頭部攻撃を出し惜しみなく使ってきますが、
 これが中々激しくジョシュは流血。
 思わず心配してしまうドラマチックな展開になります。
 ジョシュのゆるぎない粘り強さが映え、
 ダイブ等のスポットも構築のキーに適切に配置されています。
 前回のアイアン・マンを決めた雪崩式ツームストン狙いから
 決勝らしい激しい攻防の数々。
 の時点で12分しか経過してませんが圧倒的な濃密さです。
 その後の5分は見せ方を変えていきますが、
 アイアン・マン・マッチの最後10分と同じく、
 少しここの部分ははまるとはいかず改善の余地が見られる。
 それでも概ね前回を越えてきた激戦。
 文句なしに好勝負。

Cアルファ・メイル王座戦:ジョシュ・アレキサンダー(ch)vs.DJ Z(10/21/18)
 DJZが軽妙さを披露しつつも打撃戦に応じる気骨を見せます。
 ジョシュが強引にエプロンへのリリース・スープレックス。
 場外での多彩な攻防が目を引きます。
 DJZはジョシュのドミネイト任せにせず
 意欲的な攻防を作っていきますね。
 ジョシュもパワーだけではなく4の字など
 テクニカルな脚攻めで対抗したりする。
 お互いの懐の深さが噛み合った内容でしたが、
 終盤のジョシュが強引なライン引きで、
 DJ Zがついていけなかったのが勿体無かった。
 好勝負に少し届かず。

Dアルファ・メイル王座戦、アイアン・マン・マッチ:ジョシュ・アレキサンダー(ch)vs.コービー・ダスト(12/2/18)
 1年間で2度目の同一カードアイアン・マン・マッチ。
 1年間に限らずともプロレス史上初めての試み。
 前回と違うのはジョシュがヒール、コービーがフェイスになっています。

 コービーが過去の試合を踏まえて翻弄しにかかります。
 単独で見るとキャラを活かしきれていない印象もありますが、
 過去の試合を見ていると悪くない出だしです。
 道連れのラナから場外に移り10分経過。
 前回も使ったバー・カウンターの攻防を惜しみなく使い、
 ジョシュがハイ・フライを受け止めカウンターへのパワー・ボム。
 カウンターが冴え渡るジョシュがレッグ・ロックで先取。
 19分経過。
 前回のアイアン・マン・マッチと同じ1本目の試合時間配分ですが、
 その充実度は間違いなくあがっていますね。

 フェイスらしく粘りを見せるコービーに
 ジョシュが非情なカウンター・リバース・ツームストン。
 25分経過で2-0に引き離します。
 ジョシュは肩紐を外して打ってみろよ、と誘って倍返ししたりと
 ドミネイトしつつも上手く緩急をつけています。
 スーパープレックスからのみちのくドライバーでも
 コービーは1本取ず、厳しい状況の中、
 パイル・ドライバーで更にジョシュがフォールを奪い、3-0で30分折り返し。
 圧倒的な強さ。
 他のレスラーにはない魅力ですね。
 一本筋のストーリーながら単調さを感じさせずドラマチックに魅了しました。

 そこから40分までの10分間で一気に3-3へ。
 大逆転劇のブックの為とはいえ
 30分かけて作ってきたジョシュの強さを浪費しすぎにも思えます。
 しかしジョシュ自身かなり疲労感が出てきてましたが、
 すぐに力強さを取り戻せるのが素晴らしい。

 キーとなる技であるパイル・ドライバーを要所に使いながら演出。
 そんな中コービーがスリーパーを決めるとジョシュはコーナー上へ。
 そこからリングにたたきつけるかと思いきや
 リングサイドのテーブルに落下(51分)。
 完全KO状態となって時間を稼ぎ、残り6分クライマックスへ。

 フェイス/ヒールが変わったこと、
 時間を10分ではなく6分に絞ってきたことから
 過去2戦と異なりクライマックスも2人らしさを凝縮できています。
 サドンデスになった後も激戦を繰り広げ、
 2人のマスターピースを作り上げました。
 この抗争通じてのコービーの成長にも感心しましたね。
 プロレス史において3本指に入るアイアン・マン・マッチです。
 ぎりぎり名勝負。

 (執筆日:3/?/19)

注目試合の詳細

なし

試合結果

@アイアン・マン・マッチ:ジョシュ・アレキサンダーvs.コービー・ダスト(3-2)(2/3/18)
A3ステージズ・オブ・ヘル:モンスター・マフィア(ジョシュ・アレキサンダー、イーサン・ペイジ)vs.アレサンドロ・デル・ブルーノ、マーク・ウィーラー(2-1)(7/29/18)
Bキング・オブ・ハーツ決勝、アルファ・メイル王座戦:コービー・ダスト(ch)vs.ジョシュ・アレキサンダー(新チャンピオン!)(9/2/18)
Cアルファ・メイル王座戦:ジョシュ・アレキサンダー(ch)vs.DJ Z(10/21/18)
Dアルファ・メイル王座戦、アイアン・マン・マッチ:ジョシュ・アレキサンダー(ch)vs.コービー・ダスト(新チャンピオン!)(4-3)(12/2/18)