AEW:Best of AEW TV Matches 2021 part.3の分析
名勝負 | なし |
好勝負 | アーケード・アナーキー:チャック・テイラー、オレンジ・キャシディーvs.ミロ、キップ・セイビアン(Dynamite 3/31/21) タッグ王座戦:ヤング・バックス(ch)vs.Pac、レイ・フェニックス(Dynamite 4/14/21) |
@クリスチャン・ケイジvs.フランキー・カザリアン(Dynamite 3/31/21)
クリスチャンはWWEで復帰試合の機運もありましたが、まさかのAEW移籍。
そして出し惜しみなく通常放送で6年半ぶりの試合となりました。
TNA時代から縁故のあるカザリアンが相手とあって
ベテランらしい味わい深さのある試合運び。
クリスチャンは年齢からのネックも感じさせますが、
そのリアルをデメリットだけでなく、
試合のリアリティ感の向上というメリットにも直結することができました。
カザリアンが試合をリードする部分が大きく、
クリスチャンも頼りにする分、
反撃部分で大きな起爆点を作りたかったですが、やや物足りず。
ただカザリアンがシングルとしてここまでの働きを見せたことがあったか、
すぐには記憶に出てこないレベルのベスト・ワークで
復帰戦としては十分に合格点、何ならPPVで行われていても足るレベルでした。
好勝負に少し届かず。
Aケニー・オメガ、グッド・ブラザーズvs.ルチャ・ブラザーズ、ラレドキッド(Dynamite 3/31/21)
入場してきたオメガ、GBに挨拶代わりのダイブ。
LB+ラレドの組み合わせでいつも以上に華やかなハイ・フライングとなっています。
介入からラレドが孤立。
GBの安定した試合運びではありますが、
冒頭含め一方的攻めで反撃ほとんど無しで作っているので、
表面的な楽しさに留まっている所も否めない。
孤立が終わると双方連続攻撃。
タッグにはないトリオならではの見せ場で盛り上がりました。
その怒涛のラッシュの中にシングルの強度のある攻防を織り込んでくるのがオメガ。
アシストを受けたラレドの奮闘も光りました。
後半の伸びが素晴らしかったですね。
中々良い試合。
Bアーケード・アナーキー:チャック・テイラー、オレンジ・キャシディーvs.ミロ、キップ・セイビアン(Dynamite 3/31/21)
アーケード・ゲームがリングサイドに並んでいる形式。
遺恨を積み重ねている両チームなのでリングに入るなり乱戦開始。
ミロが強さを見せつけていく形で
セイビアンが存在感薄いですが、
バランスという点では絶妙に取れているとも言えます。
テイラー、キャシディーは強さを持ち味としない独特の立ち位置。
真逆のミロと向き合う中でこの特殊形式が加わることで
面白い見せ場が次々と生まれています。
ミロ絡みの攻防は単一的ではありましたが、
スタットランダーのサプライズ復帰から
彼の強さが増し、その意味合い、重みが増してきます。
盛り上がってきた中で最後にトレント復帰。
演出の重ね技で最後の盛り上がりは非常に素晴らしかったですね。
テイラー、トレント、キャシディーがAEWのハードコア・ジャンルにおいて
期待を裏切らない鉄板的位置づけになっているのは大きい。
ぎりぎり好勝負。
Cタッグ王座戦:ヤング・バックス(ch)vs.Pac、レイ・フェニックス(Dynamite 4/14/21)
演舞の中に細かな表現織り込んでくるのは流石バックス。
アクション性も年齢重ねて衰えるかと思いきや、
Pac、フェニックスの凄技ムーブもシームレスに混ぜるし脱帽です。
頭に思い描いたどんなアクションでも現実化できる感すらあります。
バックスの支配シーンになり
少しコミュニケーションは落ちます。
動かない時のPacの受け力の物足りなさは相変わらずですね。
しかし、その分バックスが相手の陣地に立ってタッチした振りしたりと
ユーモアを爆発させてやりたい放題しています。
中盤からこの相手で完全に食っているとか尋常ではありません。
飛びついてロープでスリングしてから
カナディアン・デストロイヤーなど
最高に面白いスポットをちょっとした攻防の中に入れたりと
試合全編を通して本当にバックスに頭が下がる内容でした。
ぎりぎり好勝負。
D女性王座戦:ヒカル・シダ(ch)vs.タイ・コンティ(Dynamite 4/21/21)
コンティがシダの得意とする領域に踏み込みます。
単に合わせに来ただけでなく豊かな想像力を発揮したのには驚き。
コンティを見直しましたね。
シダも堂々たる試合運び。
AEWのリアクションを楽しみつつ王者として振る舞えています。
非常に良い形で防衛ロードを直走っていますね。
コンティは全体を掌握こそできていないものの
自分にできるところでベストを尽くしている。
ターン・バックルへのスパイン・バスターといった技が飛び出る等
終盤まで目が離せない攻防が繰り広げられた予想以上の一戦。
好勝負に少し届かず。
ETNT王座戦:ダービー・アレン(ch)vs.ジャングル・ボーイ(Dynamite 4/21/21)
オーソドックスなレスリングからスタート。
決してスタイルの本道ではないですが、安定して見れますね。
Jボーイが仕掛けつつ大技を連発。
アレンの受けっぷりと良い親和性を生み出しています。
ただ攻め攻めのJボーイって魅力的だけど100%の魅力かというと否。
やっぱりJボーイをぐったりダウンまで追い込める
ヒール相手でないと真価を発揮できない点は否めないかと思いますね。
それでもストーリーもない試合で
しっかり通常放送のメインを務め上げた点では大きいか。
中々良い試合。
(執筆日:4/?/21)
注目試合の詳細
なし試合結果
@クリスチャン・ケイジvs.フランキー・カザリアン(Dynamite 3/31/21)Aケニー・オメガ、グッド・ブラザーズvs.ルチャ・ブラザーズ、ラレドキッド(Dynamite 3/31/21)
Bアーケード・アナーキー:チャック・テイラー、オレンジ・キャシディーvs.ミロ、キップ・セイビアン(Dynamite 3/31/21)
Cタッグ王座戦:ヤング・バックス(ch)vs.Pac、レイ・フェニックス(Dynamite 4/14/21)
D女性王座戦:ヒカル・シダ(ch)vs.タイ・コンティ(Dynamite 4/21/21)
ETNT王座戦:ダービー・アレン(ch)vs.ジャングル・ボーイ(Dynamite 4/21/21)