TOPアメリカン・プロレスAEW 2019年 →AEW:All Out 8/31/19

AEW:All Out 8/31/19の分析


名勝負 なし
好勝負 Pac vs.ケニー・オメガ
 
タッグ王座戦、ラダー・マッチ:ルチャ・ブラザーズ(ペンタ・エル0M、レイ・フェニックス)(ch)vs.ヤング・バックス

@ウィメンズ・カジノ・ロイヤル
Aプライベイト・パーティvs.ジャック・エヴァンス、アンヘリコ

@SCU(クリストファー・ダニエルズ、スコーピオ・スカイ、フランキー・カザリアン) vs.ジュラシック・エクスプレス(ルチャザウルス、マルコ・スタント、ジャングル・ボーイ)

APac vs.ケニー・オメガ
 モクスリーの負傷により
 初回大会をキャンセルしたPacが遂にAEW参戦。

 お互い相手を舐めた動きで挑発しつつ
 フェイマサーをヘッド・スプリングでキャンセルする等
 鋭いムーブで度肝も抜きます。

 PacはWWE離脱後のいつもの大物前とした試合運びで
 相手がオメガでも関係なし、
 オメガを上回って強制力を利かせていきます。

 オメガのハード・ヒットも良い形で試合の中で活きている上、
 どうなるか予想をずらしてスポット作り。
 何をしてくれるかとワクワク感が高まりますね。

 終盤は少し散逸なところがあり落ちましたが、
 それでもトップ・スター同士ならではの攻防は担保されている。
 
 最後は衝撃的なPacのブルタライザーによるレフェリー・ストップ。
 Pacとこれから円満な関係を築くと確約されているのか、
 オメガが勝敗システムの中で0-2になることが足を引っ張らないか、と
 少し疑問に思うところはありますけどね。

 これは実現して良かった、と思わせる内容でした。
 ぎりぎり好勝負。

Bクラッカー・バレル・クラッシュ:ジミー・ハヴォックvs.ジョーイ・ジャネラvs.ダービー・アレン
 画鋲を口に含ませた上で口にテープを貼り付けアトミコとか
 椅子付きモンキー・フリップを着地して見せたりと
 非常に印象的な絵が幾つもあります。
 アレンを筆頭に躊躇しないバンプも見応えがありました。

 一方でAAA的ブック重視で
 3ウェイとして、試合としての進行は少々崩壊していて、
 戦いとして見据えている先が見えない。

 なのでクオリティという点ではそこまで高く評価できませんが、
 楽しい試合であることは確かだし、
 スポンサーの樽を終盤に多用することで
 PPVの1試合を占めるスポンサー・マッチとしては
 一定の成功を収めているといえます。

 中々良い試合。

C(勝者はタッグ・トーナメントのバイ獲得):ダーク・オーダーvs.ベスト・フレンズ
 試合後オレンジ・キャシディーがダーク・オーダーを蹴散らしベスト・フレンズと合流。

D(勝者は初代女子王座戦に出場):里歩vs.志田光

Eコーディvs.ショーン・スピアーズ
 コーディが不意打ちトペから
 観客席にもつれ込んでスタート。
 フェイス/ヒールの熱量の生み出し方を良くわかっていますね。

 スピアーズもコーディの相手として抜擢されただけあって
 悪くないパフォーマンスを見せます。
 ただもう少し強く見せて、
 一進一退の起伏も調整すれば
 より盛り上がりの山を生み出せたでしょうね。

 アーン・アンダーソンの登場も嬉しいサプライズ。
 メジャーの演出が似合うコーディだからこその内容に仕上がっています。
 AEWの多様性を担う一角として重要なポジションを確立しましたね。
 中々良い試合でした。

Fタッグ王座戦、ラダー・マッチ:ルチャ・ブラザーズ(ペンタ・エル0M、レイ・フェニックス)(ch)vs.ヤング・バックス
 タッグとして同時に動いて絵を作り、
 ラダー導入は良くある場外からラダーを投げつける形。
 しかしそのままリングにラダーを入れるということはせず
 ラダーがなくても魅せれるタッグの武器を
 まずはしっかり十分量使ってきます。

 その上でラダーを入れるもハードなラダーへのバンプだけでなく
 ラダーを踏み台としてアスレチックに使う
 彼らならではの使い方も多く織り交ぜていきます。
 その為にラダー・マッチでありながら
 過激度が一足飛びにならず徐々にギアをあげていくということが出来ていますね。

 しかしある程度上手く調整できているといっても
 スポットが余りに多いので、
 ダメージ表現は比較的軽めに設定されているし、
 アスレチックに動き回る独創性故に
 ムーブありきで試合を動かしているところがある。
 先ほどのようにダメージ表現は
 試合進行の為であって痛みを伝える為のものではないんですね。

 ROHのラダー・ウォーに比類、いや超えるくらいの壮絶さ、
 ラダー上からテーブルへのカナディアン・デストロイヤーまである、
 でありながらどこか空虚さが、地に足がついていない感が残るのは
 その構成、表現が後回しになっているからでしょう。
 最近業界のトップにランクされるはずのこの2チームにおいて
 その傾向が強くなっている気がするのは懸念事項。
 とはいってもそれを踏まえても壮絶すぎる試合なのでこれは見るに値する。

 ぎりぎり好勝負。

 試合後仮面をつけた謎の男がYバックスを襲撃。その正体はLAX。

G初代AEW世界王座戦:クリス・ジェリコvs.アダム・ペイジ

Rating:★★★☆☆

注目試合の詳細

なし

試合結果

@ウィメンズ・カジノ・ロイヤル(勝者:ナイラ・ローズ)
Aプライベイト・パーティvs.ジャック・エヴァンス、アンヘリコ
@SCU(クリストファー・ダニエルズ、スコーピオ・スカイ、フランキー・カザリアン) vs.ジュラシック・エクスプレス(ルチャザウルス、マルコ・スタント、ジャングル・ボーイ)
APac vs.ケニー・オメガ
Bクラッカー・バレル・クラッシュ:ジミー・ハヴォックvs.ジョーイ・ジャネラvs.ダービー・アレン
C(勝者はタッグ・トーナメントのバイ獲得):ダーク・オーダーvs.ベスト・フレンズ
D(勝者は初代女子王座戦に出場):里歩vs.志田光
Eコーディvs.ショーン・スピアーズ
Fタッグ王座戦、ラダー・マッチ:ルチャ・ブラザーズ(ペンタ・エル0M、レイ・フェニックス)(ch)vs.ヤング・バックス
G初代AEW世界王座戦:クリス・ジェリコ(初代チャンピオン!)vs.アダム・ペイジ