French Catch:Best of Frence Catch 1965の分析
名勝負 | なし |
好勝負 | 3本勝負:エイブ・ギングバーグ、ジョン・フォーリーvs.レネ・ベン・チモール、ギルバート・セスカ(2/28/65) 3本勝負:ギルバート・セスカ、ベン・チモールvs.アントン・テジョーロ、インカ・ぺルアノ(3/12/65) 3本勝負:ギルバート・ルダック、クラウド・モンタシーvs.カール・フォン・クラマー、ロバート・ガセル(5/26/65) |
@アラベット・サイード、アブデル・ケイダーvs.ピエール・バーナート、マーセル・マナヴー(1/10/65)
ピエール、マーセル良いですね。
リングで煽るのもそうなんですが、セコンドの際も仕事をしていて、優秀なヒール・チームです。
一方でフェイスが物足りないですね。
エンタメな仕上がりになっていて雰囲気感のコントロールは素晴らしいのですが、
試合の本質的な芯はやや弱さを感じました。
平均的な良試合。
(執筆日:4/?/21)
Aアイーシャ・イスラエルvs.ジーン・コーン(1/15/65)
鋭い動きに軽快な受け。
意表を突いたタイミングで動き出すのに
受け手も乱れず強いコネクションを感じますね。
執拗なヘッドロックや
フライングヘッドシザースの連打など
華やかさ、型もあって素晴らしい。
タッグ・パートナー対決、フェイス対決として
ふさわしい内容でしたね。
最後ダウン状態から鋭く跳ね起きてフィニッシュに向かいますが、
そのフィニッシュ・ムーブ自体が急にスロー・モーションになったの!?と
目を疑うくらいゆっくりだったのだけが残念でした。
好勝負に少し届かず。
(執筆日:4/?/21)
B3本勝負:エイブ・ギングバーグ、ジョン・フォーリーvs.レネ・ベン・チモール、ギルバート・セスカ(2/28/65)
エイブとフォーリーは道化ヒール。
押さえつけてタッチしたり、レフェリーの目を盗んでロープを使って煽る一方で、
ありえない所で自爆して間抜けな姿を晒して盛り上げます。
チモール側はフェイスとしてやられたことは同じ手法でやり返す倍返し。
エイブとジョンを絡ませて動けなくしたシーンは盛り上がりましたね。
少々ファン・マッチ的な雰囲気ではありましたが、
途中からギアが入りヒール側がラフな打撃。
リアリティが入るとセコンドの膝へのバック・ブリーカーや
ヘッド・バッド・アタック、ドロップ・キック連打など
見栄えの良い場面をラッシュして華やかに締めくくりました。
2本目はメリハリに課題こそあるものの
引き続き見栄え宜しく最後も美しいヴィクトリー・ロール。
3本目。
クロス・ロープ・ワークから始めると
先ほどのヴィクトリー・ロールをキーにして攻防を作り上げるという
60年代とは思えない現代的な取り組みが見られて驚きでしたね。
文句なしに好勝負。
65年のMOTYです。
(執筆日:4/?/21)
C3本勝負:ギルバート・セスカ、ベン・チモールvs.アントン・テジョーロ、インカ・ぺルアノ(3/12/65)
セスカ組、特にチモールはムーブ優先で
試合運びが疎かになる面がありますが、
タッグならばその短所よりも長所が強く活かせますね。
ヒールもしっかり応対。
特にインカは付き合いつつしっかり切り返して
更なるムーブを引き出していきます。
相性の良いマッチアップですが、
この試合が素晴らしかったのはセコンドの働き。
ヒールの連続攻撃は苛烈で
一人では演出できないものだし、
他にも援護、誤爆、1対2の攻防など
現代と遜色ない一通りのタッグ要素が詰まっています。
リングが狭いので、よりスリリングといっても良い。
場外、長期ダウンさせる要素こそありませんが、
当時の定番、ロープに絡まる受け身によって
カットできずにフォールが決まるという理由づけまで出来ている。
これはお見事ですね。
唯一残念なのは2-0フィニッシュで
まだまだ盛り上げれる余地を感じたことくらいでしょうか。
文句なしに好勝負。
MOTYランキング2位。
(執筆日:4/?/20)
D3本勝負:レネ・ベン・チモール、ギルバート・セスカvs.テディ・ボーイズ(アルドフ・セーヴル、ロバート・ル・ボルク)(2-1)(5/9/65)
テディ・ボーイズがカットしてチョークして
ロープから転げ落ちてと序盤から沸かせていきます。
コメディー・チックな出だしから徐々にシフトして
ヒールとしてしっかり煽って移入感を高めていきます。
時代なのでダイビング技をする訳ではないですが、
所々でコーナーに登って絵を作っているのは良いですね。
テディ・ボーイズが押し切って一本。
フォールを取った後、場外に投げ捨てるのも素晴らしい。
2本目もダイナミック。
ヒールが場外転落受け、1対2でやられるシーンを詰め込み、
最後は華麗にフィニッシュを決めました。
3本目は手短に。
こちらのフィニッシュ・ムーブも美しいものの
試合のストーリーとしては2本目で完結してた感がありますね。
好勝負に少し届かず。
(執筆日:4/?/21)
E3本勝負:ギルバート・ルダック、クラウド・モンタシーvs.カール・フォン・クラマー、ロバート・ガセル(5/26/65)
クラマーがベーシックな、それでいて硬いレスリング。
モンタシーが華やかさ動き。
ガセルもヘビー級のずっしりした試合運びが良いし、
ルダックもここぞで空気を引き締め、視線を集めるスター性は素晴らしい。
4者4様の貢献で、フェイス/ヒールとしての化学反応も良好。
クラマー、ガセルのヒールとして煽る一方で、
ルダックが相手の顔をマットにこすりつけたりと
地味ながらリベンジ要素を細かく織り交ぜて、
同時進行で雰囲気が高まっていきました。
最後はクラマーが大きな場外転落受けを見せてこれで試合続行不可能。
2本目は1人になってしまったガセルが気合を入れて、
モンタシーを追い込みツームストンで流血KO。
3本勝負ですが、イリミネーション・マッチ的な演出になっています。
年代を考えるとかなり前衛的な構築で興味深いですね。
3本目はルダックvs.ガセルの一騎打ち。
それまでを踏まえた強烈な攻防は壮絶感あり。
モンタシーをKOしたツームストンに対する
ルダックの受けが軽かったのが気に食わないものの
この年のMOTY候補に入る内容となっています。
ぎりぎり好勝負。
MOTY#4
(執筆日:4/?/21)
注目試合の詳細
なし試合結果
@アラベット・サイード、アブデル・ケイダーvs.ピエール・バーナート、マーセル・マナヴー(1/10/65)Aアイーシャ・イスラエルvs.ジーン・コーン(1/15/65)
B3本勝負:エイブ・ギングバーグ、ジョン・フォーリーvs.レネ・ベン・チモール、ギルバート・セスカ(2-1)(2/28/65)
C3本勝負:ギルバート・セスカ、ベン・チモールvs.アントン・テジョーロ、インカ・ぺルアノ(2-0)(3/12/65)
D3本勝負:レネ・ベン・チモール、ギルバート・セスカvs.テディ・ボーイズ(アルドフ・セーヴル、ロバート・ル・ボルク)(2-1)(5/9/65)
E3本勝負:ギルバート・ルダック、クラウド・モンタシーvs.カール・フォン・クラマー、ロバート・ガセル(2-1)(5/26/65)