TOP他大陸のプロレスFrench Catch →French Catch:Best of Frence Catch 1957 part.2

French Catch:Best of Frence Catch 1957 part.2の分析


名勝負 なし
好勝負 3本勝負:ホアキム・ラ・バルバvs.ロジャー・ラローシュ(3/7/57)

3本勝負:レネ・ガーバーvs.ルイス・エル・ガヨ(5/11/57)

@3本勝負:ホアキム・ラ・バルバvs.ロジャー・ラローシュ(3/7/57)
 ラローシュが素晴らしいですね。
 アスリートとして充実した体躯、
 力のこもった攻めは比類ない程力強い。
 
 バルバもダブル・ストンプ狙いを中心に据えて構成を意識しつつ
 ラローシュと激しい攻め合いに応じます。
 ただ後半少し失速して
 ラローシュの強靭さに引き離されたのは勿体なかった。

 2本で終わるようにラローシュの完勝というストーリーですが、
 決して呆気なさはないですね。
 バルバの最後の場外への落下バンプは他にないスケール感でしたし、
 その後戻ってきて強烈なエルボー一閃でダウン、も
 ヒール冥利に尽きる最高の演出です。
 ここまでスカッとする鮮烈な絵をオールド・スクールで拝めるのはレア。

 ぎりぎり好勝負。

Aアル・ヘイズvs.ガイ・ロビン(3/22/57)
 ロビンがびびって後ろに跳び下がったり
 殴りかかってかわされてつんのめったりと
 エンタメ色の強い立ち上がりになっていますね。

 ファンではあるけれども
 表面的な楽しさだけが目につきます。

 ベースラインも悪くないけど
 ロビンが道化から脱却しないので本格的な戦いになりきらない。

 終盤になってようやくロビンの攻めに芯が通り始め
 ヘイズのリベンジにも熱を帯びますが、
 大した技もなく抑え込みで最後フィニッシュ。

 悪くない試合。

Bギルバート・セスカvs.ビリー・カタンザロ(5/2/57)
 グラップル状態から
 スケール感のある軌道を描いた切り返しを見せます。

 スポットに向けた盛り上げ、と
 シーン・リセットをしっかり一体で行っていて良いですね。
 均衡感もあるしお互いムーブは見栄え良い。

 一方で3本勝負にしていたら尚良かった。
 常に出来うる上質な攻防を良くも悪くもしていて
 試合が進むことで生まれていく+αを感じなかった。

 プロレスならではの構成、ストーリーでリングが
 ここに追加されていたら良かったですね。

 平均的な良試合。

C3本勝負:レネ・ガーバーvs.ルイス・エル・ガヨ(5/11/57)
 一つ一つのムーブをキレ良く
 区切ってテンポもつけれてますね。
 
 レネがニーを入れたり、
 靴ひもを結びなおすふりしてタックルしたりと
 ルイスに跳ね除けられつつ小狡い行動を続け1本目はしっかり下地作り。
 
 2本目。
 フェイス/ヒールのお互いへの働きかけが発展。
 停滞せずに右肩上がりを続けていて
 ここまで熱狂の渦に巻き込んでいるのは他に類を見ないですね。

 レネが股間を蹴り上げたり、
 場外にただ落とすだけでなく場外でも攻撃したり
 ロープで首を絞めたりとやりたい放題でした。

 3本目に関しては割り振られた時間が短く、
 この2本の帰結としては若干物足りないですね。
 3本ともそうなのですが、フィニッシュ自体が
 もう少し説得力あれば印象も変わったと思いますが。

 それでもオールド・スクールにしては
 珍しいほど熱量が線で繋がっていた素晴らしい試合でした。

 ぎりぎり好勝負。

Dジルベルト・ルダックvs.ワーニア・デ・ザーゼッキ(5/30/57)
 確かな技術を感じさせる受け身で技の決まりも正確。
 ダウン・カウントでリズムをつけたと思ったら
 アッパーカート合戦に明確にシフトしたりと
 頭脳とテクニックが両立されていますね。

 一方でシーンの転換はできているものの
 シーンの中では攻防に幅がないのが残念。

 素地はしっかりしていたので
 他の試合ではもっと伸びてくる可能性は十分に感じました。

 最後はカウンターのパワーボムで迫力がありました。

 平均的な良試合。
 (執筆日:4/?/20)

注目試合の詳細

なし

試合結果

@3本勝負:ホアキム・ラ・バルバvs.ロジャー・ラローシュ(2-0)(リングアウト)(3/7/57)
Aアル・ヘイズvs.ガイ・ロビン(3/22/57)
Bギルバート・セスカvs.ビリー・カタンザロ(5/2/57)
C3本勝負:レネ・ガーバーvs.ルイス・エル・ガヨ(2-1)(5/11/57)
Dジルベルト・ルダックvs.ワーニア・デ・ザーゼッキ(5/30/57)