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RPW:Best of RPW 2019の分析


名勝負 Aキッドvs.ザック・セイバーJr.(3/3/19)

統一ブリティッシュ・タッグ王座戦:鈴木軍(鈴木みのる、ザック・セイバーJr.)(ch)vs.オージー・オープン(カイル・フレッチャー、マーク・デイヴィス)(5/10/19)
好勝負 なし

@統一ブリティッシュ・ヘビー級王座戦:ザック・セイバーJr.(ch)vs.Pac(1/6/19)
 トップ対決故に簡単には相手を立てるために
 引けない位置付けがかえって踏み込みきれず、
 展開しそうで展開していかないまま時間が経過していくことに。
 Pacのクロス・フェイスへの切り返し等
 懐の深いところを見せると
 スタイル・クラッシュから一歩踏み込んでいきます。
 気持ちの乗った仕掛けが出てくるも
 試合全体の印象を払拭できないまま
 最後はセイバーがレフェリーを使ってロープを揺らしたのがDQという
 残念すぎるフィニッシュがダメ押し。
 ドリーム・マッチ的位置付けも出来るカードでしたが、
 まあまあ良い試合程度。

Aオージー・オープン(カイル・フレッチャー、マーク・デイヴィス)vs.チーム・ホワイトウルフ(Aキッド、カルロス・ロモ)(2/3/19)
 デイヴィスに対するアクションが弱く
 序盤は無理やりタッグの形を作っていますね。
 それでも後半になるにつれ
 チーム・ホワイトウルフの地力が発揮され攻防の質は改善。
 序盤と一転デイヴィスの体格を立てつつも
 自分の力量もしっかり見せることができています。
 充実したクライマックス。
 ただ最後は正調フィニッシャーで〆て良かった試合。
 好勝負に少し届かず。

BPac vs.ウィル・オスプレイ(30分時間切れ)(2/15/19)
 それぞれ新日、WWEの経験から
 ヘビー級よりのスタイルになった今どのような化学反応が起きるか。
 着地系の切り返しで見得を切りあいます。
 強烈なエルボーでオスプレイを鼻から出血させたPacが主導権。
 点の構築ではあるものの花道ブレーン・バスター含めて強烈なスポットで
 ヒールとしての存在感を示します。
 オスプレイが柵がらみの攻防から反撃開始。
 構成としてはストレートで綺麗ですね。
 ただ役割分担が過ぎてエピック・マッチとしては少し物足りないところも。
 レフェリー気絶からCCK乱入、2人で追い払って仕切りなおし。
 オスプレイがスタイルズ・クラッシュを放つ等
 技の特別性を感じさせるも最後は30分時間切れで、
 ワン・モア・マッチに期待させる終わり方にしてきました。
 確かにPacは良いレスラーではあるものの、
 いや良いレスラーであるからこそ、
 "元WWE"を意識してブッカーが勝敗に対して
 慎重すぎる取り扱いをするのは本当に必要かな、と思ってしまいます。
 好勝負に少し届かず。

CAキッドvs.ザック・セイバーJr.(3/3/19)
 Aキッドがセイバーのレスリングについていき
 観客の見る目が変わっていきます。
 このニュートラルなレスリングのやり取りに
 しっかり時間をかけたのはよかったですね。
 セイバーが主導権を握りますが、
 Aキッドは隙あらばサブミッションに引きずり込もうとします。
 それはセイバーの反撃方法そのもの。
 この鬩ぎあいがテクニカルで素晴らしかったですね。
 セイバーはロープを使ったサブミッションを使う等
 それに対して厳しさを見せ付けストーリー・テリング。
 セイバー>Aキッドは変わらないものの
 その差が着実に縮まっていく絶妙の調整が
 観客をぐいぐいと惹きつけていきます。
 Aキッドの潜在能力を引き出し、
 スペインのベスト・レスラーから
 世界の優れたレスラーの一人に仲間入りさせてマン・アップな試合。
 ぎりぎり名勝負。
 (執筆日:4/?/19)

Dザック・セイバーJr. vs.カルロス・ロモ(4/28/19)
 ロモがAキッドに続いてシングル路線に殴りこめるかの大一番。
 レスリングでテクニカルさを感じさせ、
 主導権を握らせても問題ないことを証明しました。
 セイバーは敢えて間を置いて攻めすぎないようにしていますが
 それでもチャレンジ・マッチの様相になっているのは流石。
 終盤もロモのニア・フォールは印象的で検討。
 ただセイバーが締め付けを強めると
 ロモは逃げ道なく完全に追い込まれた形。
 セイバーが強さと同時に余裕を感じさせ、
 Aキッドほどは追い込むことができなかった。
 好勝負に届かずも中々良い試合。

Eオージー・オープン(カイル・フレッチャー、マーク・デイヴィス)vs.チーム・ホワイトウルフ(Aキッド、カルロス・ロモ)(5/5/19)
 AOがブレークアウト済みの先輩として
 余裕を醸しながら対応。
 それでもデイヴィスにはもう少し厳しく攻め込んで欲しかったか。
 間を置く意識は良いものの
 そのせいで緊迫感が薄れている部分もありました。
 TWWも悪くは無いのだけど、いつもに比べるとムーブにキレがなく、
 ギアをあげようとしてもあがりきらなかった印象。
 終盤しっかり絵になるシーンを数揃えていて
 クオリティは最低限担保されているものの
 このカードに期待するものとしては不十分。
 平均的な良試合。

F統一ブリティッシュ・タッグ王座戦:鈴木軍(鈴木みのる、ザック・セイバーJr.)(ch)vs.オージー・オープン(カイル・フレッチャー、マーク・デイヴィス)(5/10/19)
 鈴木軍の奇襲をAOが返り討ち。
 鈴木軍はロープを使ったサブミッションから場外に持ち込み、と
 乱戦で序盤を展開。
 乱戦でありながらしっかり見せ場作りが出来ています。
 鈴木軍の鉄板のやり方に対して、
 AOも理解が深まったからこそ出来たクオリティでしょう。

 リングに戻ってカイルの孤立。
 鈴木軍がサブミッションでやりたい放題して煽って行きます。
 カイルはホット・タッグに向けて流れを作っていきますが、
 痛めた腕で力技のブレーン・バスターをかけるスポットなんかは
 最近のシングルのキャリアを受けての発想でしょう。
 シングル・レスラーとしての成長が
 タッグの高いレベルを損なうことなくフィード・バックできている。

 デイヴィスもカイル程ではないにしろ
 みのる的煽りを取り入れたりとこちらも努力が垣間見える。
 みのるの年齢的に苦手な領域にまったく脚を引っ張られることなく
 業界トップ・クラスのタッグを作り上げたのは両チームとも見事です。
 ぎりぎり名勝負。
 (執筆日:7/?/19)


注目試合の詳細

なし

試合結果

@統一ブリティッシュ・ヘビー級王座戦:ザック・セイバーJr.(ch)vs.Pac(DQ)(1/6/19)
Aオージー・オープン(カイル・フレッチャー、マーク・デイヴィス)vs.チーム・ホワイトウルフ(Aキッド、カルロス・ロモ)(2/3/19)
BPac vs.ウィル・オスプレイ(30分時間切れ)(2/15/19)
CAキッドvs.ザック・セイバーJr.(3/3/19)
Dザック・セイバーJr. vs.カルロス・ロモ(4/28/19)
Eオージー・オープン(カイル・フレッチャー、マーク・デイヴィス)vs.チーム・ホワイトウルフ(Aキッド、カルロス・ロモ)(5/5/19)
F統一ブリティッシュ・タッグ王座戦:鈴木軍(鈴木みのる、ザック・セイバーJr.)(ch)vs.オージー・オープン(カイル・フレッチャー、マーク・デイヴィス)(5/10/19)