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OTT:Best of OTT 2019 part.3の分析


名勝負 OTT王座戦:ジョーダン・デヴリン(ch)vs.デイヴィッド・スター(10/26/19)
好勝負 Pac vs.マイク・ベイリー(8/25/19)

アレックス・クエヴァス、オマリ、The OJMO vs.モア・ザン・ハイプ(ダレン・カーニー、LJクリアリー、ネイサン・マーティン)(9/7/19)

#1コンテンダーズ・マッチ:デイヴィッド・スターvs.スコッティ・デイヴィス(9/7/19)
OTT世界王座戦:デイヴィッド・スター(ch)vs.マイク・ベイリー(11/30/19)

@ジョーダン・デヴリンvs.ジョディ・フレッシュ(8/25/19)
 優雅な演舞でスタート。
 握手して両者同時に蹴ろうとしたり、
 体育館の場内で乱闘したりと
 オープニングだからこその会場を温める為の
 まったりとした演出もありますが、
 攻防量は多く常にオリジナルの形を追求できています。
 個性と感情がミックスした非常に良い試合でした。
 好勝負に届かずも中々良い試合。

Aスコッティ・デイヴィスvs.カラ・ノワール(8/25/19)
 カラ・ノワールがOTT初参戦。
 白鳥の湖に合わせ入場時には派手に羽を羽ばたかせましたが、
 試合はかなり控えめな入り。
 
 色物ではなく試合で魅せたい、という意思表示かもしれませんが、
 vs.Pacの時みたいに握手求める韻踏みアピールでも良かったように思いますね。
 キャラ・アピールでもその使いこなしで地力は伝わるでしょう。
 また固有ムーブに噛み付きもあるし、
 いっそヒールに寄せて演じても良かった。

 導入は中途半端ながらスコッティのネック・ブリーカー戦略に対して
 ノワールも意思疎通が完璧でなくても
 安易にレベルを落とさず、見栄えを維持する努力を続け、
 存在感を示す攻防を繰り広げました。

 試合後にはスタンディング・オベーションをもらったし、
 これを機に継続参戦してくれると嬉しいですね。

 好勝負に届かずも中々良い試合。

BPac vs.マイク・ベイリー(8/25/19)
 Pacはいつもの尊大ヒール。
 それだけでも一定のクオリティを作り上げる安定感あるワークですが、
 今回はベイリーが単に格下の枠に収まらず、
 ぐんぐんPacに肉薄し、堂とした立ち振る舞いを見せるので、
 より一層の魅力的なストーリーに深化しています。
 また観客の反応も良いので演者もノっていくことができる。

 中盤もベイリーが積極的に反撃し、密度の濃い一進一退。
 業を煮やしたPacがベイリーを2階席から落とそうとするも
 ベイリーが逆に蹴り落としてバルコニー・ムーンサルトという特別なスポット。

 総じて高いレベルで、これは名勝負かというレベルでしたが、
 惜しむらくはバルコニー・ムーンサルトが終盤前に位置づけられているので、
 終盤が6分と短くはないがもう少し見たい尺だったこと。
 試合合計も22分とメインとして適切な時間帯でしたが、
 ここまで噛み合っていると25分-27分くらいの試合をしても
 まったく問題なかったでしょうね。

 文句なしに好勝負。

Cアレックス・クエヴァス、オマリ、The OJMO vs.モア・ザン・ハイプ(ダレン・カーニー、LJクリアリー、ネイサン・マーティン)(9/7/19)
 ミッドカードの人気者OJMO、オマリとあって観客のノリが良く、
 MTHも灰汁はあるもののとかく騒ぎ立てて空気感を作っていきます。

 アレックスは小柄で線が細いものの
 ドラゲー的な動きのキレがあり孤立役にぴったり。
 マルコ・スタントと同じく、最小クラス・レスラーとして需要はありそう。

 MTHはトリオ慣れしていて見事な連携ムーブ。
 新しいことに挑戦しようとする気概に溢れていて
 15分という試合時間ながら場内も熱狂に包まれました。

 ぎりぎり好勝負。

D#1コンテンダーズ・マッチ:デイヴィッド・スターvs.スコッティ・デイヴィス(9/7/19)
 スターが千両役者ぶりを披露。
 上質なリアル・レスリングで翻弄し、
 逃げてはリングサイドの幕で捉えたりと小悪党ヒールっぷりも見せます。

 一方のスコッティもスターが全開で来ても
 自分の形にしっかり落とし込むことができており、
 求められる泥臭さも演出することができていますね。

 派手に攻守が転換される技使い。
 スターはヘタレ心と力強いムーブ、相反するものを使いこなして
 観客の心を自由自在にかどわかします。

 記念大会のメインに繋がる試合とあって試合時間設定も長く
 その為にストーリー・ラインを作らないといけないので、
 そのせいでまどろっこしさもあるし、
 最後は落としどころ見つからず中途半端な丸め込みでしたが、
 両者の評価がまた上がる素晴らしい試合でした。

 ぎりぎり好勝負。
 (執筆日:9/?/19)

Eノー・リミッツ王座戦、ラダー・マッチ:スコッティ・デイヴィス(ch)vs.LJクリアリー(10/26/19)
 ラダー導入は攻防から独立し絵作りだけなど
 構成はそこそこで脈絡に乏しい所もありますが、
 ラダーの使い方には新しい感性を感じさせます。

 スコッティの才覚が発揮され、
 クリアリーも悪くないパフォーマンスでした。
 ラダー上からのネックブリーカー・ドロップ含め
 しっかり体を張って期待に応えました。

 好勝負に少し届かず。

FOTT王座戦:ジョーダン・デヴリン(ch)vs.デイヴィッド・スター(10/26/19)
 作られた熱も熱であり、
 何も悪いことではないですが
 自然発生的に生まれた熱には
 また違った熱さがあって心の内を熱くさせます。
 それは熱を発する観客自身にも影響を与えるし、
 それを受けるレスラーにとっても特別なものです。

 スターはデヴリンに嫉妬心を燃やすヒールだったはずが
 今やアンチWWEを象徴するレスラーになり、
 一方でOTTをベースに自らの腕でのし上がったデヴリンは
 WWE行きを決めたことで裏切り者という見方も生まれました。

 それにより正反対現象とまではいきませんが、
 どちらにも応援とブーイングが混在する特別な雰囲気に。

 試合が始まると荒々しくお互いのヘイトをぶつけながら
 デヴリンが観客を挑発して
 レスラー2人だけでなく観客も巻き込んで試合を作って行く。

 デヴリンの流血もありながら
 特別な試合の割りに形式に落とし込みすぎなきらいはあるものの
 新たな風景を上手く作り出していますね。
 
 デヴリンは技使いに強制力を利かせていて
 殺気だった攻防に仕上げています。
 スターも大一番にふさわしいパフォーマンスで一進一退。
 
 プライベート感ある私闘と
 OTTの新しい歴史の1ページを始める為の死闘を
 両立させたエピック・マッチでした。

 ぎりぎり名勝負。
 (執筆日:11/?/19)

GOTT世界王座戦:デイヴィッド・スター(ch)vs.マイク・ベイリー(11/30/19)
 握手を求めるベイリーにスターが不意打ちし、
 ヘッド・ロックで締めにかかります。
 もうこの初動だけでもスターの技量に酔いしれます。
 ヒール表現、技の見せ方が最高レベルにあります。

 更にエプロンへのパワー・ボムから腰攻め。

 王座交代劇の逆転現象から一転、
 悪辣ヒールとして完全に振り切っている。
 攻撃性、ヘタレ+傍若無人キャラ、攻防の触れ幅、
 どの点とっても問題なし。

 ベイリーも素晴らしかったですね。
 いつになくハードな攻めだったし、
 出だしの握手ネタを中盤まで引っ張る仕掛けも面白かった。
 
 ダイブ合戦からステージでの攻防にも移り特別感があります。

 王座交代劇は自然発生的シチュエーションでしたが、
 この試合は完全に自分達でコントロールし自主発信して作り上げている。

 ただ両リンから試合再開の演出後、
 ベイリーの積極性が落ちて攻防の精度も落ちましたね。
 スターがフォローして欲しい所でしたが、
 彼も攻防外に時間を割きすぎで名勝負を逃しました。

 文句なしに好勝負。
 (執筆日:1/?/20)

注目試合の詳細

なし

試合結果

@ジョーダン・デヴリンvs.ジョディ・フレッシュ(8/25/19)
Aスコッティ・デイヴィスvs.カラ・ノワール(8/25/19)
BPac vs.マイク・ベイリー(8/25/19)
Cアレックス・クエヴァス、オマリ、The OJMO vs.モア・ザン・ハイプ(ダレン・カーニー、LJクリアリー、ネイサン・マーティン)(9/7/19)
D#1コンテンダーズ・マッチ:デイヴィッド・スターvs.スコッティ・デイヴィス(9/7/19)
Eノー・リミッツ王座戦、ラダー・マッチ:スコッティ・デイヴィス(ch)vs.LJクリアリー(10/26/19)
FOTT王座戦:ジョーダン・デヴリン(ch)vs.デイヴィッド・スター(新チャンピオン!)(10/26/19)
GOTT世界王座戦:デイヴィッド・スター(ch)vs.マイク・ベイリー(11/30/19)