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Riptide Wrestling:Best of Riptide 2019の分析


名勝負 なし
好勝負 カラ・ノワールvs.Pac(7/5/19)

ノーDQ:カラ・ノワールvs.スー・ヤン(10/4/19)

@カラ・ノワールvs.Pac(7/5/19)
 ミステリー・オポーネントとして出てきたのはPac。
 ノワールは倒されても握手を求めるという
 キャラ・アピールで韻を踏みつつ
 Pacの身体能力に合わせた演舞を上手く組み合わせています。
 ノワールのリズムにPacも呼応し非常に気持ちの良い試合運び。
 中盤はPacの定番、高圧的なヒール・プレイ。
 その性質上こういうある程度格下相手の方が映えますね。
 ノワールはじっくり耐えた後、
 ジョン・ウー連発など印象的に残る攻めで反撃。
 昨年は色物の印象が強かったものの
 キャラはそのままに洗練されてきた印象で
 荒削りな部分はまだあるもののその攻めは魅力的でした。
 Pacがノワールのしたいことに理解を示しながら
 RiptideのMOTYを狙うべくノワールの驚異的粘りを演出。
 狙い通りの素晴らしい試合でした。
 ぎりぎり好勝負。
 (執筆日:7/?/19)

AノーDQ:カラ・ノワールvs.スー・ヤン(10/4/19)
 怪奇派対決。
 というとB級映画的ノリになる訳ですが、
 B級映画は大抵それを実現させた時点で
 満足してしまった突き詰めてみようとしません。
 しかしそこにワクワク感を覚える原石があるのは確かで
 もし突き詰めて極地まで行けばそこには他には真似できない光景が広がっています。

 Riptideの相変わらずセンスのあるカメラワーク。
 ただの入場シーンではありますが、
 この試合に臨む2人を神々しく照らし出しています。

 ノワールは今年ブレークし大物との真剣勝負が続いているので忘れそうになりますが、
 ブラック・スワンというキャラは根深く、
 剥きだしにされた動物的一面も持っている。

 今回はその引き出しを持ってきて
 ブラック・スワンvs.アンデッド・ブライドの
 世界観、バックグラウンドに浸れるようにしています。

 スーは技の後に追撃したくなるところを
 強靭な意志で踏みとどまりアンデッド・ブライドとしての強さを堅持。

 ノワールも同じリズム感をベースに
 強烈な一発で緩急を織り込んでいきます。

 ノワールがある凶器を使おうと探すことに拘ったり、
 メイク落としを受けてノワールがもだえ苦しんだり(スポットライト、BGM付き!)
 スーに対する策として聖水?が出てきたりするのは
 そういうキャラだから、でしか説明がつかず、
 ブック要素が強いのは賛否両論でしょう。

 ただ試合における論理構成に組み込まれていて
 ネタと切り捨てるべきレベルのものではないし、
 上記ノワールの苦しむ振る舞いは実に耽美で今年の名場面にランクインする。
 そしてそういった演劇シーンとアクション・シーンを
 一気にまとめてプロレスとして捉えさせるだけの
 苛烈なヘッド・バッドやハードコア・スポットで連結している。

 ムーブメントの男女対決の前に
 オリジンのモンスター対決を根幹に据えて
 25分間倒錯的で衝撃的な内容を見せてくれました。

 これは片方だけでは決して到達できない、
 双方が等しく狂い咲いて始めて生まれる試合です。
 スタンディング・オベーションに値する。

 ぎりぎり好勝負。

Bブリティッシュ・ラウンズ・ルール:ジョーダン・ブリークスvs.ダニエル・マカベ(10/5/19)
 (R制で3分1R。3本勝負。警告ルールあり)
 まず1Rはレスリングを堪能させてくれます。
 3分の中で序破急つけてまとめていますね。
 
 ラウンド2。
 打撃を織り交ぜて変化をつけてフィニッシュまで。
 特殊ルールですが、試合の作り方は王道ですね。

 ラウンド3はマカベが主導権を握り
 逃げ場を潰して追い込んでいきフィニッシュ。

 ラウンド4はマカベが反則になるぎりぎりまで
 意図的に警告ムーブを使って、という流れ。

 真っ直ぐ真っ直ぐオールド・スクールの
 根幹をコンパクトにまとめて試合に仕上げていました。
 
 中々良い試合。

Cタッグ・トーナメント決勝:メデューサ・コンプレックス(チャーリー・エヴァンス、ミリー・マッキンゼー)vs.ラスカルズ(デズモンド・エグゼヴィアー、ザッカリー・ウェンツ)(10/5/19)
 昨夜のメインに続きムーブメントの男女対決をタッグでも。
 
 ただ不意打ちショート・カットとはいえ
 試合時間設定は8分半。
 このカードならもう少し挑戦的になっても、と思いますね。

 ラスカルズがしっかり全体の形を作っているし、
 チャーリーの受けとミリーのスープレックス・マシーンで
 それぞれが輝く内容ではあったけれど、
 8分半で行ける程度には限りがあります。

 まあまあ良い試合程度。
 (執筆日:12/?/19)

注目試合の詳細

なし

試合結果

@カラ・ノワールvs.Pac(7/5/19)
AノーDQ:カラ・ノワールvs.スー・ヤン(10/4/19)
Bブリティッシュ・ラウンズ・ルール:ジョーダン・ブリークスvs.ダニエル・マカベ(2-1)(10/5/19)
Cタッグ・トーナメント決勝:メデューサ・コンプレックス(チャーリー・エヴァンス、ミリー・マッキンゼー)vs.ラスカルズ(デズモンド・エグゼヴィアー、ザッカリー・ウェンツ)(10/5/19)