TOPルチャ・リブレCMLL 2011年 →CMLL:Panther vs. Casas

CMLL:Panther vs. Casasの分析


名勝負 なし
好勝負 3本勝負:ネグロ・カサスvs.ブルー・パンテル(CMLL 4/24/11)

@3本勝負:ネグロ・カサスvs.ブルー・パンテル(CMLL 4/24/11)
 1本目はカサスが入場時を襲撃し、そのまま乱戦。
 カサスはこの人、歳を取らないんじゃないかと思うほど
 高いインテンシティーを保っていますからね。
 見応えのある乱戦に仕上がっています。
 一方のパンテルはマスクを脱いでから動きの衰えが目立っているのだけど
 カサスの熱に浮かされたか引けを取らない打撃を打ち返しており、
 噛みつくという荒っぽい行動にも出ています。
 乱戦の要所では腕に狙いをつけ相手を破壊しに行きます。
 2本目以降は乱戦+腕狙いというシンプルな二本立てで統一し、
 スターとしての絶妙の間と氷山の一角として見せるディティールで持って、
 乱戦の凄みを表現して見せました。
 予想の遥か上を行く渋い内容。
 ぎりぎり好勝負です。

Aライトニング・マッチ:ブルー・パンテルvs.フェリノ(8/19/11)
 期待通りレジェンドのレスリングが見られます。
 今回仕掛けの強制力がいつも以上でしたね。
 プロレスの試合である以上相手に合わせる必要があるけれども
 その時の裏にある相手の意図の読み取りが
 試合の表に出て攻防として成立するのがベテランの妙。
 そこは多彩な経験で様々な攻防がインプットされているからでしょうね。
 一つの攻防ありきで動いていないから攻防に豊かな意味合いが生まれます。
 綺麗でない事に何の問題がありましょうか。
 フェリノのルード要素を加えて最後は綺麗に幕閉じ。
 ライトニング・マッチで試合時間はそんなに長くないが期待通りのものを見せてくれました。
 好勝負に少し届かず。

B3本勝負:フェリノ、ミステル・ニエブラ、ネグロ・カサスvs.ブルー・パンテル、獣神サンダー・ライガー、ルーシュ(10/28/11)
 シングルで好勝負を見せてくれたカサスとパンテル。
 その遺恨の火は消えていません。
 テンションの高い乱戦を見せ、ここぞの攻防も良好です。
 2本目においてパンテルが脇固めを決めるも
 カサスがタップしても離さずDQを食らう。
 3本目はカサスが同じようにしてDQを食らうもルードとして「してやったり顔」と
 ストーリーを魅力的に伝えています。
 只このせいで印象的なスポットはほとんどなく他は数合わせ状態になっています。
 一応ルーシュは観客の視線を集める術を身に着けており
 着実に色男路線でスターダムを上っている事は確認できました。
 そしてライガーはいつも通り蚊帳の外でした。
 パンテルとカサスによるストーリー・テリングが全て。
 平均的な良試合。

C3本勝負:アンヘル・デ・オロ、ブルー・パンテル、メトロvs.ネグロ・カサス、ポルヴォラ、レイ・エスコルピオン(11/4/11)
 この試合もパンテルとカサスの遺恨が中心。
 しかし他が数合わせという事はありません。
 メトロ、オロはパンテルの横について
 トリオの連携技でもってカサス痛めつけ手助け。
 リンチ臭くて遺恨表現としては素晴らしいですね。
 カサスはこれに対し気持ちを前に押し出して反撃。
 その姿はまるでテクニコ。
 一方でパンテルは憎しみが顔に浮き彫りに。
 テクニコ/ルードの逆転現象が起きていてドラマチックですね。
 ただポルヴォラ、エスコルピオンはこの舞台の登場人物になりきれていない。
 ポルヴォラは終盤の受け要員だし、
 エスコルピオンに限ってはいなくても同じ。
 フェリノとかと入れ替えて欲しかったですね。
 まとめ方次第ではルチャの今年一番のトリオになりえたのに惜しい。
 中々良い試合。

D3本勝負:ブルー・パンテル、ショッケル、スペル・ポルキーvs.フェリノ、ミステル・ニエブラ、ネグロ・カサス(11/11/11)
 またまたパンテルとカサスの遺恨戦です。
 味方を使ってフェリノ、ニエブラを排除しながらカサスに襲い掛かるので
 トリオである意味合いが出ていますね。
 ポルキーのスポットで壊れない荒々しい雰囲気がありました。
 只やっぱりパンテルとカサス中心で
 他の主張が余り出ない内容となっています。
 最後はパンテルがカサスにジャベを決めようとするも
 フェリノが邪魔して一気に逆転、カサスがジャベを決めます。
 フェリノがアーム・バーを重ねがけして決着です。
 平均的な良試合。

Eカベジェラ・コントラ・カベジェラ、3本勝負:ブルー・パンテルvs.フェリノ(12/16/11)
 パンテルvs.・・・フェリノ?
 そうですカサスと激しい抗争を繰り広げてきたのに
 邪魔してきたカサスの兄弟フェリノと何故かカベジェラ戦となっています。
 CMLLの苦しい台所事情でしょうか。
 まずはvs.カサスと遜色ない打撃の打ち合いでスタート。
 フェリノが顔に蹴りを打ち込みジャベで先取。
 2本目。
 フェリノがロープ・ワークを使ってテンポ・アップ。
 それは同時に追い込みをかけている印象を与えます。
 フェリノはクローズラインを決めても止まらずに
 そのままロープに走って頭部へのドロップ・キックを打つなど
 ここぞのスピードの上げ方は上手いですね。
 しかしパンテルが一瞬で脇がために捉える。
 これまでの経緯から決めすぎてDQになってしまうのではないかと
 ハラハラさせつつも1−1に追いつきました。
 ここまではカサスではなくフェリノになったけど良いや、と思わせる充実ぶり。
 しかし3本目で失速します。
 小技挟んでも遺恨戦の雰囲気を失わなかったのは良いですが
 ベテラン同士でジャベは一撃性が高いはずなのに
 ロープ・ブレイクを多用し、ダラダラと掛け合います。
 今のCMLLのビッグ・マッチの見せ方にあわせて本来の持ち味を失った印象ですね。
 また最後はチープ・フィニッシュ。
 まずパンテルがツームストンを狙われるも気づいたレフェリーが阻止。
 カサスが反則にしろ、と抗議するも警告ですみます。 
 しかしこれでレフェリーの注意が逸れている隙に
 フェリノが逆にツームストンを狙う。
 カサスは止めようとしますが、ツームストンを阻止したレフェリーは
 カサスが援護していたとみなしてDQ裁定です。
 そうだよ、この抗争はvs.カサスであって
 フェリノは端役じゃん、と現実に引き戻される微妙なエンディングでしたね。
 平均的な良試合。
 試合後フェリノがカサスに、お前を恨んではいない、必ず復讐してくれ、というような感じの事を伝える。

注目試合の詳細

@3本勝負:ネグロ・カサスvs.ブルー・パンテル(4/24/11)
 カサスが入場中のパンテルに襲い掛かりソバット。
 ジャケットで首を絞める。
 リングに入れ蹴りつける。
 コーナーに振りクローズライン。
 ヘッド・バッドを叩き込む。 
 場外に転落したパンテルを観客席に叩き付ける。
 鉄柱にぶつけようとする。
 パンテルが反撃しリングに戻す。
 カサスがリングに戻ろうとしたパンテルを蹴りつける。
 コーナーに振りクローズライン。
 もう1発。
 DDT。
 蹴りをいれアピール。
 油断したカサスにパンテルが脇固め。
 ギブ・アップさせる!
 
 場外でパンテルがカサスの腕を取っている。
 観客席の間に挟み蹴りつける。
 張り手を叩き込みヘッド・バッド。
 レフェリーがリングに戻す。
 入ってきたカサスに殴りかかる。
 腕折り。
 アーム・ロック。
 押して場外に出す。
 肩から鉄柱にぶつける。
 クローズラインにいくもかわされ鉄柱に誤爆。
 カサスが腕折り。
 リングに戻す。
 パンテルが入ってきたカサスを殴りつける。
 ブレーン・バスター。
 ハンマー・ロックを決め指に噛みつく。
 カサスがニー・クラッシャー。
 ロー・キック。
 ロープに走り低空ドロップ・キック。
 ラ・マヒストラルにつなげカウント3。  
 これで追いつく。

 パンテルの首裏をロープに押し付け締め上げる。
 ヘッド・ロック。
 ロープに振られショルダー・タックル。
 ロープに走る。
 パンテルがアーム・ドラッグ。
 もう1発。
 クルーシーフィックスで締め上げる。
 カサスがロープに足をかける。
 パンテルがパンプハンドルで締め上げる。
 カサスが体勢を入れ替えアブナミドル・ストレッチ。
 パンテルが指に噛みついて逃れる。
 カサスが張り手で逃れる。
 カサスが張り手で倒しアーム・バーへ。
 耐えられたのでキー・ロックへ。
 パンテルがロックして耐えロープに逃げる。
 カサスがソバット。
 蹴り。
 ロープに押し蹴り飛ばそうとする。
 パンテルはかわすとロープを引いて転がす。
 バック・ブリーカー。
 バック・ブリーカーを決め締め上げる。
 カサスが蹴りあげて逃れる。
 ヘッド・バッドで倒す。
 ヘッド・バッド・ドロップ。カウント2でパンテルがロープに足をかける。
 セカンド・ロープからヘッド・バッド・ドロップにいくもかわされ自爆。
 パンテルがロメロ・スペシャル。
 カサスが腕を切って起き上がる。
 クロス・フェイスを決める。
 ロープを掴もうとする腕をたたんで締め上げる。
 パンテルがロープに足をかける。
 脚を踏みつける。 
 もう1回。 
 アンクル・ロック。
 STFのような形でクロス・フェイス。
 パンテルがロープを掴む。
 カサスがコーナー上へ。
 パンテルが捕まえ雪崩式アーム・ドラッグ。
 ロメロ・スペシャル。 
 横に倒しては上に持ち上げ締め上げる。
 後ろにスライド。 
 両者カウントされるもカウント2。
 張り手の打ち合い。 
 同時にクローズライン。
 パンテルがクローズラインへ。
 かわされるも脚を取って倒す。
 両手を取って前に持ち上げ締めようとする。 
 カサスが唾を吐いたか逃れる。
 ラ・マヒストラル。カウント2。
 蹴りつけていく。
 起こそうとする。
 パンテルが一気に腕を取る。
 カサスがたまらずギブ・アップ!
 パンテルの勝利!

試合結果

@3本勝負:ネグロ・カサスvs.ブルー・パンテル(2-1)(4/24/11)
Aライトニング・マッチ:ブルー・パンテルvs.フェリノ(8/19/11)
B3本勝負:フェリノ、ミステル・ニエブラ、ネグロ・カサスvs.ブルー・パンテル、獣神サンダー・ライガー、ルーシュ(2-1)(DQ)(10/28/11)
C3本勝負:アンヘル・デ・オロ、ブルー・パンテル、メトロvs.ネグロ・カサス、ポルヴォラ、レイ・エスコルピオン(2-0)(11/4/11)
D3本勝負:ブルー・パンテル、ショッケル、スペル・ポルキーvs.フェリノ、ミステル・ニエブラ、ネグロ・カサス(2-0)(11/11/11)
Eカベジェラ・コントラ・カベジェラ、3本勝負:ブルー・パンテルvs.フェリノ(2-1)(12/16/11)