TOPルチャ・リブレCMLL 2008年 →CMLL:75th Anniversary Show 9/19/08

CMLL:75th Anniversary Show 9/19/08の分析


名勝負 マスカラ・コントラ・マスカラ、3本勝負:ヴィジャノVvs.ブルー・パンテル
好勝負 なし

1枚約1時間25分です。
SlamBamJam製。

①3本勝負:アヴェルノ、メフィスト、エフェストvs.イホ・デル・ファンタズマ、ラ・マスカラ、ヴォラドールJr
 次々と控えが入ってのチェーン・スポットが素晴らしいですね。
 工夫した攻防やハイ・フライングだって幾つも見られます。
 こういう構築ができるアヴェルノとメフィストの連携力は
 流石08年のベスト・ルチャ・タッグに選ばれただけありますよ。
 これ程の試合なら各人の動きにもう少しキレを求めたいって所はありましたけど
 満足いく内容で中々良い試合です。

② トリオス王座戦、3本勝負:アトランティス、ネグロ・カサス、ウルティモ・ゲレロ(ch)vs.アレックス・シェリー、クリス・セイビン、ソンジェイ・ダット
 MCMGにソンジェイなので攻防自体はルチャでも
 十分通用するものなんだけど
 なんかルチャの構成というのがなく淡々と試合が進んでいましたね。
 過去の試合と比べると盛り上がりがいまいちで平均レベルです。

③マスカラ・コントラ・マスカラ、3本勝負:ヴィジャノVvs.ブルー・パンテル
 アトランティスvs.パンテルのように共鳴して
 純技術の中に歴史や重みが見られる事はなかったのだけれども
 複数のマスク剥ぎを含むスーパー・テクニコ/ルチャ・プレイに
 ルチャの重要なエッセンス、流血が
 (頭からぶつかる正調トペを食らったヴィジャノが観客席に後頭部をぶつける、というアクシデント)
 加わって舞台は最高潮に。
 そしてトペ連発やスーパープレックス連発など
 ルチャではありえないような過激な打ち合いで
 75周年記念大会を飾るにふさわしい、素晴らしい試合に仕上げました。
 そして試合後はノーサイドで感動的なシーンを迎えます。

 この点と大ベテランによる試合という点で
 ルチャ版フレアーvs.HBKとでも言うべき試合なんだけど
 この2試合には1つ大きな違いがあるんですね。
 フレアーvs.HBKに対して私は衰えている中で最高の仕事をしたと言いました。
 しかしこのビジャノvs.パンテルは衰えているんだけど最高の仕事をした。
 (それがぎりぎり名勝負という評価につながる。)
 それを可能にしたのがルチャの世界観。
 こういうスピードや凄い攻防ではなく
 プロレスに近い打ち合いや雰囲気で持っていく特殊な試合ってのは
 若手やそこいらのベテランにやれ、と言ってもそう簡単にできる試合ではないけれど
 もし彼らに解禁、もしくは彼ら自身が破ろうとしたなら
 この世界観は壊れてしまうと思うのです。
 またこの選ばれし者っていうのは
 幾多のマスク・マッチに勝ち上がっている者達であり、
 文字通り相手のルチャ人生を受け継いでいる訳です。
 その他血縁関係が無いのにイホ、Jrを語る事も含め
 これらのルチャ的特徴が1つの大きなシステムを作っているのです。
 つまり一流ルチャ・ドールが40歳になっても50歳になっても
 最高の仕事をできるようなシステムを多くのルチャドールが協力して支えているんですね。
 プロレスとは「人」でありますから
 人と人のつながりを活かすシステムを持つルチャ・リブレが
 現代においても国民的文化として人気を誇っているのは当然と言えましょう。
  
 あぁ、何て良い仕組みなんでしょうね。
 良いなぁ。
 凄く良いなぁ。
 こういう世界ってのは美しい。
 ¡Viva Luch Libre!と言いたくなりますね。
   
総評
 全6試合の半分しか収録されていませんが
 選び方は間違っていないので良しとしましょう。
 アトランティス戦に続きパンテルが素晴らしい仕事をしたメインはこれまた必見の内容で
 記念大会にふさわしい大会でしたね。
DVD Rating:★★★☆☆
(執筆日:3/7/09)

注目試合の詳細

③マスク・マッチ:ヴィジャノVvs.ブルー・パンテル
  それぞれセコンドにはミスティコとアグアーヨJrがついている。
  ヴィジャノが笛を待たずに襲いかかる。
  パンテルは返り討ちにするとコーナーに振りクローズライン。
  インサイド・クレイドル。カウント2。
  チョップ。
  コーナーにのせ、そこから投げる。
  クルーシーフィックスで固めるもカウント2。
  ヴィジャノが胸に張り手を叩き込みコーナーに振ろうとする。
  パンテルは振り返しクローズライン。
  ブレーン・バスターを決めカバー。カウント2。
  ヴィジャノがチョップ。
  エプロンに出るとパンテルの首をロープに押さえつけレッグ・ドロップ。
  場外に出すと場外でのブレーン・バスター。
  鉄柱にぶつける。
  もう1発。
  リングに戻すと蹴りつける。
  マスクを引き裂く。
  ロープに振りドロップ・トー・ホールド。
  パンテルがロープにもたれる。
  ヴィジャノがエプロンに出てレッグ・ドロップへ。
  パンテルは避けて自爆させるとトペ・スイシーダで追撃する。
  パンテルはリングに戻りアピール。
  ヴィジャノは観客席に後頭部をぶつけ介抱を受けている。
  マスクの後ろが赤く染まっている。
  何とかリングに戻りクローズラインへ。
  パンテルは避けるとスパイン・バスター。
  ロープに走る。
  アグアーヨが脚を払って倒す。
  気を取られたパンテルのマスクを剥ぐと同時にインサイド・クレイドル。
  レフェリーはごまかされずDQ裁定を下す!
  パンテルが1本目を取る(5分)!

  ヴィジャノはアグアーヨに後頭部へ水をかけてもらい回復していると思いきや
  不意をついてパンテルに襲いかかりマスクを剥いでしまう。
  笛が鳴る前だったのでDQにはならない。
  ヴィジャノは剥いだマスクを観客席に投げてしまう。
  パンテルは顔を隠しながら場外に出る。
  ヴィジャノは追うと何も出来ないパンテルを殴りつけていく。
  ミスティコがパンテルに新しいマスクをつけた様子。
  ヴィジャノはパンテルに花道でブレーン・バスター。
  花道からパンテルの首をロープにかけるとリングからレッグ・ドロップ。
  リングに戻すとロープに振りバック・ブリーカー。
  カバーするもカウント2。
  ロメロ・スペシャルを狙う。
  抵抗されボストン・クラブに狙いを変える。
  耐えるパンテルを殴りつけるとボストン・クラブを決める。
  パンテルがロープを掴む。
  ヴィジャノはパンテルをロープに振るとパワー・スラム。カウントは2。
  胸に張り手を叩き込む。
  ロープに振ろうとする。
  パンテルは振り返すとスパイン・バスター。  
  ヴィジャノのマスクの紐をほどいていく。
  マスクを引き裂く。
  そしてマスクを剥ぎ取ってしまう。
  これにはレフェリーも反則裁定を取らざるを得ない!
  これで1-1(6分)!

  ヴィジャノは再びマスクをつけるがそのまま立ち去ってしまう。
  ミスティコとパンテルは残されたアグアーヨにつめよる。
  仕方ないのでパンテルはレフェリーの指示通りにリングに戻る。
  場外カウントが数えられる。
  ヴィジャノがアグアーヨと共に戻ってくる。
  パンテルはリングに入ったヴィジャノにショルダー・スルー。
  ショルダー・タックルで落とすとトペ・スイシーダを決める。
  リングに戻りもう1発トペ・スイシーダ。
  更に3発目。
  パンテルがリングに戻る。
  場外カウントが数えられる。
  ヴィジャノが何とか戻ろうとエプロンに上がろうとする。
  パンテルはドロップ・キックで落とすとブランチャへ。
  ヴィジャノは脚を上げて迎撃する。
  ヴィジャノはパンテルをリングに戻すとスーパープレックス。
  もう1発。
  更に3発目。
  カバーするもカウントは2。
  ヴィジャノはボディ・スラムを決めるとセカンド・ロープに登る。
  一度降りてパンテルの様子を確かめる。
  再びセカンド・ロープに上ると首切りポーズからスワントーン・ボムへ。
  パンテルが避けて自爆させカバー。カウント2。
  パンテルが脇固めに捕らえる。
  ヴィジャノが何とかロープを掴む。
  パンテルが再び腕を取りに行く。
  ヴィジャノがグラウンド・コブラに切り返し1,2,3!
  大方の予想を覆しヴィジャノが勝利(6分半)!
  パンテルは涙を目に浮かべながらマスクを脱ぐとヴィジャノに渡す。
  ヴィジャノとハグ。
  そしてヴィジャノを肩車する。
  ヴィジャノもパンテルを肩車して称える。
  パンテルのスピーチ。
  ヴィジャノもパンテルが素晴らしいルチャドールであり尊敬している、とスピーチして応える。
  改めてハグする。 

試合結果

①3本勝負:アヴェルノ、メフィスト、エフェストvs.イホ・デル・ファンタズマ、ラ・マスカラ、 ヴォラドールJr(2-1)
②トリオス王座戦、3本勝負:アトランティス、ネグロ・カサス、ウルティモ・ゲレロ(ch)vs.アレックス・シェリー、クリス・セイビン、ソンジェイ・ダット(2-1)
③マスカラ・コントラ・マスカラ、3本勝負:ヴィジャノVvs.ブルー・パンテル(2-1)