TOPルチャ・リブレAAA 2011年 →AAA:Triplemania XIX 6/18/11

AAA:Triplemania XIX 6/18/11の分析


名勝負 なし
好勝負 なし

3枚、約4時間5分。
最初の2試合は別会場でのトライアウト・マッチ。

@ブレイザー、ヴィオレント・ジャックdef.ブラック・ファイヤー、シルベル・スター
 (途中から?)
 1対2スポット、コーナーへの投げ、ルード支配と
 一般的要素が含まれているものの
 1回切りでメリハリなく繋がっていくのは駄目。
 アンダーカードとして制限されている所もあるでしょうけどね。
 技は雑だが独創性はありそれぞれ脱落し1対1までもつれ込むので楽しめる内容ではある。
 少し悪い試合。

Aダガ、フリーランスvs.エテルノ、マイク・セグラ
 フリーランスが素晴らしいですね。
 良い意味で浮遊感がない、身が詰まった独特の状態にあり、
 高度な技の動き、受身、双方において驚嘆させます。
 ダガもスピードに任せた動きっぷりが良いですね。
 しかしルードが何も技術のない受けを繰り返すだけなので
 試合、戦いとしてはまったくそそられる所はない。
 こんなに凄い動きをしているにも関わらず
 フリーランスが技一発でフォールを取られた際には溜息が出ました。
 悪い試合。

登場したコナンがスクリーンのコミッショナーと軽く言い合い。
@セクシー・スター、ミッキー・ジェームス、アンジェリーナ・ラヴ、ヴェルベット・スカイvs.シンシア・モレノ、ファビー・アパッチェ、マリー・アパッチェ、ロリータ
 女性らしい気性の荒さを前面に出してスタート。
 それぞれ見得の切り方が良いですね。
 試合のクオリティは流動的なものだけど
 1つ1つの技の後にこうやってアピールでしっかり確定させていければ
 積み重なって十分なクオリティまで行く事が出来る。
 終盤が只8人で技を繋いでカットだったのは残念。
 しかし最後のファビーXミッキーは何が出来るって訳でもないのだけど
 スターの対決って感じで惹きつけられます。
 レズビアン・ヒールのミッキーも良かったですが、
 それを上回る気迫を見せたファビーがMVPですね。
 平均レベル。

ATLCマッチ:エレクトロショック、ヘビー・メタル、ジョー・ライダーvs.チェスマン、シルベル・カイン、 ウルティモ・グラディアドア
 ルチャはえてして凶器を使うのが下手である。
 後先考えずに凶器を導入し、只使うだけで停滞させる。
 それによってその後のルード・チーム・プレイはインパクトが足りないように錯覚させる。
 そして下手すれば担架で運ばれるような危険なバンプにいくが
 スポット化されていないが故にそれはやっぱり体の張り損である。
 乱入者ニチョが加わって終盤なので終盤はまるで創造性のない時間の浪費でした。
 普通の試合よりハードコアだと盛り上がるよね、という意味合いでしか評価できない。
 よって実質最低の、少し悪い試合。

Bシベルネティコ、チャーリー・マンソン、ビリー・エロ・マロ、エスコリアvs.ラ・パルカ、ダーク・オッズ、ドラゴ、オクタゴン
 トルネード的ルード支配から通常トリオに落ち着き、
 ダイブからパルカXシベルへという展開。
 常道だし細かい一進一退があるので決して悪くない。
 しかし凄い技も上手い試合運びもないので
 特に途中でトイレに立ったって試合は変わらないも同然。
 最後はタブーがパルカの息子を人質にとって現れた所からフィニッシュ。
 試合後タブーがパルカの兄弟だと明かされ衝撃のストーリー展開といった所でしょうが
 スペイン語を完全に聞き取り、定期的に追ってでもいない限りどうでも良い事です。
 WWEのように背景を知らずともビジュアル、オーラで感じさせる事も出来ませんし。
 平均レベル。
 
Cタッグ王座戦、ケージ・マッチ:エクストリーム・タイゲル、ジャック・エヴァンス(ch)vs.ミスター・アンダーソン、アビス
 タイゲルはケージ・ダイブこそ見せますが早い段階で脱出。
 アンダーソンも1対2の展開から楽々と脱出しますが、
 こちらはまったく参加意義を見出せず完全にアビスの付き人状態でした。
 いや、それどころか最後ケージを乗り越えてきたエヴァンスを肩車する、という
 誰にも通じていないし、望まれていない邪魔さえする。
 エヴァンスXアビスの攻防は可能性こそあったもののスポットありき。
 ケージ天辺までたどり着いたエヴァンスが休み、
 アビスが無頓着にアンダーソンからもらった画鋲を巻くシーンなんてその極みです。
 スポット自体は確かに良くて観客も盛り上がったけどさ。
 悪くない試合。

Dトリオス王座戦、トーナメント決勝:ダミアン666、ハロウィーン、Xフライvs.モンスター・クラウン、マーダー・クラウン、サイコ・クラウン
 クラウン軍団が相当にひどいですね。
 ルード制圧という相手への関係性を考慮しなくても良い状況にも関わらず
 しっちゃかめっちゃかに攻めが散逸している。
 ついでに通常形式のはずなのに凶器が定常的に使われ
 先ほどのTLCマッチと普通に被っていますね。
 中々ここまで行く事はないという程360°ラインがない。
 年間最低試合でもいい、ひどすぎる試合。 
 
EAAA王座戦:エル・ゾロ(ch)vs.ジェフ・ジャレット
 JJは技に定番があるとはいえヒールであるだけで
 試合構築には余り貢献できていない試合運び。
 そしてゾロは本当に王者かと思うほど
 相手の行動に無頓着で正しく反応できず、
 自らが動く際もグダグダで竹刀に頼っている。
 最後はレフェリーのティランテスJrがしっかり気を逸らされて
 変哲無いチープ・フィニッシュを演出しています。
 ひどい試合。

Fマスカラ・コントラ・カベジェラ:LAパークvs.エル・メシアス
 パークが奇襲を仕掛けいきなりメシアスを実況席に投げます。
 ある種機械的に甚振っている一方で、そのマスクの裏の表情が見える試合運びなのが凄いですね。
 次の行動を誘発する受けや動作、
 中盤に他ならぬアーム・ドラッグという初歩技を使って
 メリハリをつける卓越したセンスには感心しました。
 言うなれば今のヘビー級初代タイガー・マスクが
 回転してのドロップ・トー・ホールドをとんでもないクイックネスでもって見せた時の感慨に似ています。
 テーブルの上でパルカ・ウォークを見せてダイビング・スピアーを食らうシーンも最高でした。
 一方のメシアスはTNA在籍時に比べるとキャラがなくなった分、
 ナチュラルに試合を進める事が出来ていますね。
 また2年前のワグナーとの抗争に比べると
 パークのキャリーもありますが単調にならず広範な性質の攻防で盛り上げる事が出来ていました。
 予想以上に素晴らしい内容でしたが、
 31分もの激戦の最後にパークがブラス・ナックルを使うというフィニッシュを
 平然と持ってくるルチャの悪癖的エンディングにはげんなり。
 普通に終えたなら好勝負といっても良い内容だったのに。
 好勝負に届かずも中々良い試合。

Gラテン・アメリカン王座戦:ドクトル・ワグナーJr vs.RVD
 序盤にかわし合ってポーズを決め、中盤でハードコアな攻めを見せる。
 RVDの王道的な構成となっていますが、
 魅力を引き出すためではなく、形だけつける事が目的なので
 異文化交流から特別な物が生まれるなんて事はない。
 更にRVDはやたら動きに正確性を欠いていましたね。
 何故TMのメインという舞台で
 Impact Wrestlingで誰と何時やっても出来そうな試合を見なければならないのか。
 誰か教えてください。
 悪くない試合。

総評
 年間最大の大会にも関わらずTNAとのゲストが目玉になっているのは如何なものか。
 クオリティ的にも見所の少ない微妙な大会でした。
 しかし唯一コントラ戦に関しては感心しました。
 AAAヘビー級の一つの金字塔といっても良いので
 AAAに幻滅して普段見ないって方も手に入れる価値はある。
DVD Rating:★☆☆☆☆

注目試合の詳細

なし

試合結果

@ブレイザー、ヴィオレント・ジャックvs.ブラック・ファイヤー、シルベル・スター
Aダガ、フリーランスvs.エテルノ、マイク・セグラ
@セクシー・スター、ミッキー・ジェームス、アンジェリーナ・ラヴ、ヴェルベット・スカイvs.シンシア・モレノ、ファビー・アパッチェ、マリー・アパッチェ、ロリータ
ATLCマッチ:エレクトロショック、ヘビー・メタル、ジョー・ライダーvs.チェスマン、シルベル・カイン、ウルティモ・グラディアドア
Bシベルネティコ、チャーリー・マンソン、ビリー・エロ・マロ、エスコリアvs.ラ・パルカ、ダーク・オッズ、ドラゴ、オクタゴン
Cタッグ王座戦、ケージ・マッチ:エクストリーム・タイゲル、ジャック・エヴァンス(ch)vs.ミスター・アンダーソン、アビス
Dトリオス王座戦、トーナメント決勝:ダミアン666、ハロウィーン、Xフライvs.モンスター・クラウン、マーダー・クラウン、サイコ・クラウン
EAAA王座戦:エル・ゾロ(ch)vs.ジェフ・ジャレット(新チャンピオン!)
Fマスカラ・コントラ・カベジェラ:LAパークvs.エル・メシアス
Gラテン・アメリカン王座戦:ドクトル・ワグナーJr(初代チャンピオン!) vs.RVD