UWF:Best of UWFi Disc Twoの分析
名勝負 | 前田日明vs.高田延彦(1/16/90) |
好勝負 | なし |
Highspots製。
Disc 2は約2時間10分です。
@山崎一夫vs.高田延彦(2/27/89)
高田の蹴りは鋭く、山崎もすぐに反応して蹴り返すので
凄く緊張感のある雰囲気が漂ってますね。
投げも力が入っていてリアリティーがあります。
スタンディングに固執して
時たま挟まれるグラウンドも動きに乏しく試合展開が弱いのが問題ですね。
しかし山崎が強く気持ちを保って途切れさせないので惹きつけられていきます。
いつもはやられ役から魅せるのに
この日は遂に高田と肩を並べて戦っています。
だからこそ山崎の勝利が欲しかった。
凄くホットになっているのに、蹴りの鋭さでは山崎が劣ったりして最後の一押しが足りませんでした。
こういう所で勝利していたら
山崎という逸材が埋もれずに済んだのではないか、と思うと残念でならない。
好勝負に少し届かず。
A船木誠勝vs.藤原喜明(9/7/89)
フット・ワークばっかりに
膠着的なグラウンドばっかり。
藤原のサブミッション含めまるで魅せれていません。
退屈なひどい試合。
B鈴木みのるvs.安生洋二(10/25/89)
凄く力が均衡しているから
緊迫感、切り返し、気持ちの3要素が
どれも高いレベルで戦いに反映されています。
またみのるは既にレスラーとして安生の上をいき
要所で意識的に投げやドロップ・キックを繰り出し盛り上げています。
しかし安生がその点でサボりすぎな上、
制限時間一杯、ダウン4
4という状況を活かしきれなかったのでラストで少し下降しました。
平均的な良試合。
Cモーリス・スミスvs.鈴木みのる(11/29/89)
スミスのパンチが大きなインパクトを受けない程に入り、
みのるはタックルしかない上に全て逃げられる。
面白みは無いが、みのるの悔しさ、どうにかしなきゃ、という思いだけは伝わってくる。
少し悪い試合。
Dクリス・ドールマンvs.山崎一夫(11/29/89)
ドールマンはのさのさ近寄って倒すだけ。
退屈だなぁ、と思っていたら山崎がまさかの敗北。
扱いが悪すぎる。
ひどい試合。
E高田延彦vs.デュアン・カズラスキー(11/29/89)
高田が蹴りでダウンさせ、カズラスキーがレスリングをベースに攻撃しているものの
金を取るに値するような内容ではないですね。
5回ダウンではなくタップで高田が勝ったのはまだ良いけど。
悪い試合。
F前田日明vs.高田延彦(1/16/90)
こいつは良いなぁ。
UWFからイメージするようなバチバチ火花を散らす激情ではなくて
ベースには物事に没入して「私」が消え何か大きな物と一体化していく感覚がある。
その白い巨大な空間に感情の花が点在して咲き誇る。
前田がいきなり膝をついてしまってあれっ?、って困惑している顔とか凄く良い。
この試合の前田はどこか弱さを纏っている。
ヘッド・バッドからのハイ・キックなんてのも窮鼠猫を噛む的な反撃だと思う。
それなのにこの日の前田は魅力的だ。
これまでこの人は強くなければ駄目なんだと思っていた。
基本的に不器用なプロレスをするしね。
しかしこの殺気は無いが馴れ合いでもない、
血と肉に心を通わせた戦いを見て前田という男が好きになったよ。
男が強さを求める時、その脳裏の片隅には最強という幻想が少なからず存在している。
それは満たされぬ欲求だ。
生身の強さだけが日常生活を左右している訳ではないし、
リングに飛び込んだからといってそこにはルール、ビジネスといった別の形のしがらみが存在している。
しかしもしこの渇きが癒される事があるならば、こういう試合を生み出した時なのではないか。
弱さが強さの
極に位置しない、
弱さが強さを求める上で邪魔な物という規定概念から解き放たれた瞬間に
視界がさーっと開けて、男は強さの意味を知るのでしょう。
夢はちょっとしたアクシデントから脆くも崩れる。
華々しくではなく、静かに、建ち誇っていたその王城は廃墟と化す。
それが現実の厳しさなのです。
しかし目が覚めてもその記憶は消えぬ。
その消えぬ思いを心に抱き、男は再び歩き始めるのでしょう。
その男の歩いた道が人生であり生きる意味です。
ぎりぎり名勝負。
(執筆日:5/20/10)
DVD Rating:★★★☆☆
注目試合の詳細
F前田日明vs.高田延彦(1/16/90)前田が蹴りで牽制していく。
高田が顔に張り手を打ちハイ・キック。
前田が早くも膝をつく。
1回目のダウン。
高田がガードする前田に張り手を打ち蹴り。
前田が蹴り返していく。
高田が下がる。
高田がロー・キック。
蹴りを放つも避けられる。
前田が蹴りを放つも避けられる。
両者同時に蹴り。
前田が蹴りを受け止め引き寄せる。
高田がニー。
ソバット。
ハイ・キック。
引き寄せる。
前田が脚をかけて倒しアーム・バーへ。
高田がロック。
前田がマウントになり張り手を浴びせる。
かぶさり腕を取る。
ポジションを変える。
アーム・バーへ。
高田がロープに脚をかける。(1回目)
前田が蹴り。
高田が蹴り。
蹴り。
前田が距離を詰めヘッド・バッド。
ヘッド・バッドを入れハイ・キック。
高田がダウン。1回目。
カウント8で起き上がる。
高田が蹴り。
ハイ・キックが前田の頭をかすめる。
ハイ・キック。
ベリー・トゥー・ベリーからアーム・バーへ。
前田が耐える。
伸ばされるもロープに脚をかける。(1回目)
高田が張り手へ。
避けられるも蹴りを放ちソバットへ。
避けられるも蹴りへ。
前田は受け止めるとレッグ・ロック。
ハーフ・ボストン・クラブ。
高田がロープを掴む。(2回目)
高田が蹴り。
前田が蹴り。
脚を引きずった高田に近寄り蹴り。
高田も蹴り返す。
前田が蹴りを放つも避けられる。
高田がタックルへ。
前田が高田を押さえつける。
腕を取ろうとする。
高田が前田を担いで後ろに投げる。
腕を取ろうとする。
マウントになる。
前田が逃れようとする。
高田がバックを取る。
前田がレッグ・ロック。
前田が上にかぶさる。
腕を取ろうとする。
高田が体を動かして逆に上になる。
高田が起き上がり脚を取る。
前田が脚を取って倒しハーフ・ボストン・クラブ。
上になる。
ひとまずヘッド・ロック。
立ち上がり脚を取る。
レッグ・ロック。
高田が食らいながらも蹴りを打ち込む。
前田は離さず体勢を変える。
高田が回転してロープを掴む。
3回目なのでダウン扱いとなり高田はこれで2回のダウン。
軽くそれぞれ蹴る。
高田が蹴り。
蹴り。
蹴りから張り手。
グラウンドに引っ張りフロント・ヘッド・ロック。
後ろに回りスリーパー。
前田がロープに脚をかける。(2回目)
高田が蹴りを放つ。
前田は受け止めて倒すと顔を蹴りつけていく。
起き上がった高田にニーを入れていく。
蹴りを打ち込みダウンさせる。
高田は3回目のダウン。
カウント9で起き上がる。
高田が距離を詰める。
前田は掴まえると高田に一本背負いを狙う。
高田は防ぐと蹴りを放つ。
前田が受け止めキャプチュード。
ハーフ・ボストン・クラブへ。
腰を落とす。
高田が戻す。
前田が腰を落としのる。
高田が何とかロープに逃げる。
前田が蹴り。
蹴りを打ち込んでいく。
ハイ・キックへ。
高田はガードするとタックル。
バックを取る。
起き上がると背中に蹴り。
起き上がってない前田に蹴りを打ち込む。
起き上がった前田の脚を取り倒す。
前田がうつぶせになる。
高田が仰向けにして腕を取ろうとする。
前田がロック。
起き上がると高田の両脚を取り中央へ。
ダブル・レッグ・ロック。
高田が何とか体を起こす。
ロープに近づこうとする。
前田がハーフ・ボストン・クラブ。
それでも高田は体を動かしロープ・ブレイク。(2回目)
高田がハイ・キックを打つもガードされる。
ソバットを打つもかわされる。
高田が顔に掌底。
前田がダウン。
前田は起き上がるもファイティング・ポーズをとれず顔を押さえている。
眼に指が入った様子でレフェリーもカウントを9で止める。
応急手当が必要か確認が入る。
大丈夫なようで試合続行となる。
前田が蹴りを放つもガードされる。
ハイ・キックへ。
高田が受け止めアンクル・ロック。
捻りあげる。
前田がロープに逃げようとする。
高田が中央に戻し脚をまきつける。
前田はロープに向かおうとするもタップしてしまう!
高田の勝利!
試合結果
@山崎一夫vs.高田延彦(2/27/89)A船木誠勝vs.藤原喜明(9/7/89)
B鈴木みのるvs.安生洋二(30分時間切れ)(10/25/89)
Cモーリス・スミスvs.鈴木みのる(11/29/89)
Dクリス・ドールマンvs.山崎一夫(11/29/89)
E高田延彦vs.デュアン・カズラスキー(11/29/89)
F前田日明vs.高田延彦(1/16/90)