TOP日本のプロレスその他 →Zero-One:Best of Zero-One 2022

Zero-One:Best of Zero-One 2022の分析


名勝負 世界ヘビー級王座戦:杉浦貴(ch)vs.田中将斗(6/4/22)
好勝負 Zero-One世界ヘビー級王座戦:杉浦貴(ch)vs.田中将斗(1/1/22)

@Jr.2冠王座戦:阿部史典(ch)vs.北村彰基(1/1/22)
 情緒豊かな打撃戦。
 挑発的に打ち込み、
 張り合って耐え合い、
 その打撃は時にナックルに発展する。

 打撃戦を主軸にした丸め込みとサブミッションの味付けも抜群ですね。

 阿部が好きなこと、やりたいことが濃縮されて詰まっていました。

 自分色に染めつつも攻め過ぎずに上手くまとめていたのも感心しました。

 北村の試合運びがどうしても阿部のそれに比べると
 見劣りする部分があったので、普通なら北村を先に型にはめたくなる所を
 後手から上手く落しどころに持って行っていました。

 好勝負に少し届かず。

AZero-One世界ヘビー級王座戦:杉浦貴(ch)vs.田中将斗(1/1/22)
 元気なベテラン対決。
 ハードなエルボー合戦にショルダー・タックルの耐え合い。

 強靭な身体を維持しつつ30代とは違う中で
 それが逆にリアルさのあるタフさの演出になっていますね。

 杉浦がエプロンを使ったネック・ブリーカーから首攻め。

 田中もエプロンからのスライディングD、
 コーナーでの執拗なエルボー打ち込み、と激しい攻防になっています。

 精力的な打ち合いは定型化された方向性の一つとはいえ
 しっかりとクオリティ高くやりきったのはお見事。

 昨年に比べるとやや落ちるものの素晴らしい試合でした。

 ぎりぎり好勝負。

B世界ヘビー級王座戦:杉浦貴(ch)vs.田中将斗(6/4/22)
 グラウンドやショルダー・タックルの打ち合いなど
 定番でじっくり時間をかけられる所を
 必要十分最低限の量で抑えて、すんなり次の展開に移行していきます。

 杉浦の技を打っていない時の立ち構えの強度は良いですね。
 大谷を怪我させてしまった当人としてのこわばりもありつつ、
 大谷エイドのメインとしてやるべきことはやるという決意を感じます。

 田中もいつも通りのハード・ワークで気持ちに応えます。

 後半にかけて気合受けと掟破りを重ねますが、
 ここがリズム感良く軽妙に消費しつつも、浪費に見えないのが凄いですね。
 
 打撃の打ち合いも攻防としてのリズムと受けの表現が光りました。

 元旦の決まり手、フロント・ネック・ロックを経て20分経過。
 大谷のスパイラル・ボムも飛び出し盛り上げました。

 単に過激に過激に、と足し算するのではなくて、
 時に意図的に軽くすることでホップ→ステップ→ジャンプに繋げる
 その展開、構成には感心しましたね。

 文句なしに名勝負。
 (執筆日:6/?/22)

C世界ヘビー級王座戦:田中将斗(ch)vs.関本大介(10/19/22)
 オーソドックスな攻防の中に重みを感じさせれるのは強みですね。
 ボディ・スラムやボストン・クラブで魅せることができる。

 一方でいつぞや世界最高峰の肉弾戦を見せたカードなだけに
 その幻影を被らせると年齢の残酷さも感じざるを得ませんが、
 精力的な攻防で問題なく王座戦クオリティを満たしてはいます。

 好勝負に届かずも中々良い試合。

D天下一Jr.トーナメント決勝:北村彰基vs.高岩竜一(10/19/22)
 高岩は年齢重ねてもスタイル変えず。
 間の取り方はちょっと魅力に欠けるが
 手を変え品を変えながら高い壁として立ちふさがります。

 キャリアで劣る北村は劣勢に回りつつも
 素材の良さ、気持ちでしっかり繋いで、
 特に大きな粗もなく、一つの目安となる20分超えの試合をやりきりました。

 中々良い試合でした。
 (執筆日:3/?/23)