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Zero-One:Best of Zero-One 2012の分析


名勝負 なし
好勝負 なし

@Zero-One王座戦:佐藤耕平(ch)vs.関本大介(1/2/12)
 機動力を活かした迫力ある激突を
 ゆったりした構築に織り交ぜています。
 関本は試合運びに足踏みは見られず、
 特に欠点が出ずに良い働きを見せていました。
 佐藤は悪くはないが(崔よりずっと良い)、
 関本より上回っている点が不明瞭です。
 後半も一つ一つのスポットを並列に配置して
 やたら時間をかけてストーリーを鈍く描いているだけだし、
 もっとドラスティックに試合を組み立てていけなかったか。
 メジャーと肩を並べるには弱い内容。
 平均的な良試合。
 (執筆日:1/5/12)

A大谷晋二郎vs.橋本大地(3/25/12)
 最初のレスリングは序盤としてのお付き合い。
 大地のレスリングはいまいちですが
 大谷はやや上回る程度でリアリティーからは離れています。
 大地の蹴りは一発インパクトがありますが続かず、
 大谷が張り手一発で大地を倒します。
 上の立場から許さない厳しさはライガーと並んでトップ・クラスです。
 ただ大谷はそういう評価軸から一歩抜けて
 今や先生という独特の立場に入っているのが何より魅力的です。
 胸を出して台地の蹴りを受け続け、
 大地に勝ちが見えない現実の中でどうあがくかを試している。
 大谷はレスラーですが、同時にそこいらの本職の教員以上に先生です。
 後半大地が負けるのは時間の問題となっていて、
 大地がシングルで魅せるレベルに到達していないことが露呈したが、
 このカードから想像するものをしっかり見せてくれました。
 好勝負に届かずも中々良い試合。
 (執筆日:5/13/12)

B田中将斗、日高郁人vs.丸藤正道、石森太二(5/16/12)
 まずは日高が石森とゆったり始め、
 田中は丸藤の撹乱についていってスピーディなレスリングを見せます。
 とんでもないものを見せてくれるかと思いきや
 アジャストのためか最初は慎重に作り上げていますね。
 それなら緊張感を生み出して欲しいところですけど。
 日高が孤立し、2対1から脱出しますが
 人為的過ぎる上に余り高度とはいえませんね。
 孤立後はそれぞれが持ち技でちょっとずつ試合に熱を加えていきます。
 日高、田中の連携はスムーズで加速度を落としていません。
 技の攻防も思いのほか豊富で連携との織り交ぜも素晴らしかった。
 実況の言葉に反して対抗戦ではなく交流戦に過ぎませんでしたが
 終盤は右肩上がりで期待値に何とか届かせたという感じ。
 中々良い試合。
 (執筆日:6/1/12)

C世界ヘビー級&NWAプレミアム・ヘビー級王座戦:関本大介(NWA ch)vs.曙(World ch)(5/16/12)
 まず関本が曙をショルダー・タックルで倒せずに逆に倒されるも、
 エルボー・ドロップ自爆で動きが鈍ったところを
 低空ながらジャーマンで投げきる。
 この序盤の攻防で設定は完璧に作り上げられました。
 主導権を掴んだ関本がバランス良く進めた後、
 曙はショルダー・タックルからのエルボー・ドロップを炸裂。
 序盤で示した自分の形でもってひっくり返します。
 受けていた際の疲労した状態から攻め手としての見せ方にちゃんとシフトもしていましたね。
 同じ方法論をそれぞれの場面の見せ方で使い最後まで盛り上げました。
 なんだかんだいって10分は超えていないものの
 曙のシングルとしてはこれまで見た中で最も面白かった。
 中々良い試合です。

D火祭り決勝:潮崎豪vs.田中将斗(8/5/12)
 (カットあり)
 潮崎の静止時の打撃の刻み方、
 田中の走りで勢いをつけての技のインパクト。
 どちらも一級品で見事なものです。
 それを持ち寄った試合だけに当然良い試合です。
 ただ田中の勢いでのたたみかけ構成に偏っていて
 潮崎に試合の要所で枠組みを作らせればもっと良くなりました。
 カットがあるせいという気がしなくもないが
 カットするような試合でもないし、
 これに限らず準決勝もフルで放送すべきでしたね。
 壮絶な打撃戦で盛り上げて最後はフィニッシュ。
 好勝負に届かずも中々良い試合。

Eノー・ロープ有刺鉄線バリケード・マット・ダブル・ヘル・メガトン電流爆破デス・マッチ:曙vs.大仁田厚(8/26/12)
 まず大仁田というアスリート性皆無な相手を前にして
 曙はスローな巨人役という典型に閉じ込められています。
 緩急をつけるためとはいえ流れなしの唐突さで大仁田がトラップにバンプ。
 曙+ギミック・デス・マッチ=?がこの試合最大の魅力なので温存すべきとはいえ
 ありきたりの展開で始め、その中で大仁田のひどさに失望させてしまってはもう終わりです。
 大仁田が何か考えているとは思えないうろつき回りで、曙と距離を取りまくり、
 もはや両者の間のコネクションはなく試合としての体裁も保てていない。
 後半にかけて曙が爆破、毒霧を連続で食らうも盛り返せず。
 終盤、一緒に有刺鉄線爆破に突っ込む動きを見せていましたが、
 これまた唐突でなんらドラマを語れてはいません。
 最後のフィニッシュも笑ってしまう。
 悪い試合です。
 (執筆日:12/12/12)

F天下一Jr.決勝:日高郁人vs.ジョナサン・グレシャム(9/17/12)
 かわしあいの中でグレシャムが伸びやかな動きを見せ資質を感じさせるも
 ファイターとしての勝敗への拘りがまったく見えません。
 その後もジョナサンの動きの良さは出ていて
 俊敏な日高と攻防を繰り広げるものの
 受け手に回った時の見せ方は弱いし、
 結局日高が自分の中のテンプレートで構成し、
 相手の状態に関わらず時間が経過したところでショーン・キャプチャーの掛け声で終盤突入。
 そして終盤になっても思うように高まりを作れず、
 ただ表層的な攻防で試合を終えました。
 勝敗への意識が高まりやすいシチュエーションでグレシャム勝利というブックを組まれたことを考えると課題が残る内容です。
 平均的な良試合。
 (執筆日:1/6/13)

注目試合の詳細

なし

試合結果

@Zero-One王座戦:佐藤耕平(ch)vs.関本大介(1/2/12)
A大谷晋二郎vs.橋本大地(3/25/12)
B田中将斗、日高郁人vs.丸藤正道、石森太二(5/16/12)
C世界ヘビー級&NWAプレミアム・ヘビー級王座戦:関本大介(NWA ch)vs.曙(World ch)(新チャンピオン!)(5/16/12)
D火祭り決勝:潮崎豪vs.田中将斗(優勝!)(8/5/12)
Eノー・ロープ有刺鉄線バリケード・マット・ダブル・ヘル・メガトン電流爆破デス・マッチ:vs.大仁田厚(8/26/12)
F天下一Jr.決勝:日高郁人vs.ジョナサン・グレシャム(優勝!)(9/17/12)