Battlarts:Best of Battlarts 2011の分析
名勝負 | なし |
好勝負 | 石川雄規vs.池田大輔(11/5/11) |
@石川雄規、鈴木秀樹vs.池田大輔、スーパー・タイガー(2/27/11)
序盤は手探りしながら相手の反応を引き出すレスリング。
日本では余り見られなくなった類のものであり、
そういう貴重性の点も含めた上で見所がある。
石川と池田の攻防は端々にごつごつとした打撃があり手に汗握ります。
タイガーはかつてUWFで感じたようにやや浮いています。
レジェンドのタイガーに対して石川が簡単に引いてしまった印象もありますね。
只ウィール・キックなどは他の3人には出来ない見せ場で後半の盛り上がり所となっています。
鈴木は新人で特色もないし、間違った行動をしないようにと積極性を失っている。
悪くはないけれど最後のフォール役のために存在するといっても過言ではない。
後は池田、タイガーが介入と連携技を見せていましたね。
通常のプロレスと違い只やったというだけですが
こういうベースが素朴な試合においてはそれだけで十分に味付けとしての効果を発揮します。
石川と池田の良さを見せつつ、タッグという形に自然と落ち着けた内容。
平均的な良試合です。
A石川雄規vs.澤宗紀(6/19/11)
緊張感はないが隙の許されないレスリング。
そしてフェイント以上の無駄も含んだ仕草付きの打撃の打ち合い。
その世界観は不明瞭であってもバチバチという
何らかのスタイルの存在を強く意識させます。
途中から石川の衰えが感じられましたが、
石川が引いても澤が前に出て打撃を打ち込むので試合への興味は失われないし、
石川自身もサブミッション押しと終盤に技を持ってくることで
上手く自分の価値を作り上げていましたね。
ただ師弟対決としてのドラマは物足りない。
バチバチには余り意図的に演出する気もないのだろうとは思いますけど。
好勝負には届かずも中々良い試合。
Bスルガ・マナブvs.澤宗紀(11/5/11)
レスリングと打撃。
戦いながらお互いの気持ちをのせています。
お客さんが見ていて楽しみやすさのある試合内容。
まっすぐに試合を展開し、ちょっとした技で更に盛り上げる。
恰好をつけない攻防でドラマチックに演出し、
最後は綺麗に澤が締めて見せました。
特にこれといったマイナス要素もなく
レベルは高いのだけれど
これがバチバチならハード・ヒッティング・マッチと何が違うのか、という事になる。
中々良い試合。
C石川雄規vs.池田大輔(11/5/11)
さて澤vs.スルガを抑えてメインを張ったのがこのカード。
バチバチを代表するカードだそうです。
まずは池田がラスト・マッチという空気を読まず、いきなり仕掛けて挨拶。
突発的に織り交ぜられるヘッド・バッドも異常な音が会場に響きます。
狂人の世界ですね。
一方の石川ですが自身が起こした
バトラーツのラスト・マッチという意識が強く、
だからこそ試合を楽しもうとしています。
しかしそのある意味しがらみのあるスタンスが違うのか
池田との間のコンセンサスは生まれずズレがあります。
そういうズレが生み出すカオスは
狂人の世界に紙一重に通じる所があり、これはこれで面白いですけどね。
スルガvs.澤において技が段階付でしかなかったのに対し、
こちらは有機的な要素として試合に織り交ぜられています。
最後は綺麗な落としどころでフィニッシュ。
紛れもないバチバチでありながら、
同時にコンタミしたバチバチである。
それ故バチバチというジャンルへの夢想を掻き立てる試合。
ぎりぎり好勝負です。
(執筆日:12/22/11)
注目試合の詳細
なし試合結果
@石川雄規、鈴木秀樹vs.池田大輔、スーパー・タイガー(2/27/11)A石川雄規vs.澤宗紀(6/19/11)
Bスルガ・マナブvs.澤宗紀(11/5/11)
C石川雄規vs.池田大輔(11/5/11)