TOP日本のプロレスNoah 2010年代の大会 →2012 Heavyweight part.1

Noah:2012 Heavyweight part.1の分析


名勝負 なし
好勝負 GHC王座戦:潮崎豪(ch)vs.森嶋猛(1/22/12)

GL決勝:杉浦貴vs.KENTA(11/23/12)

@GHC王座戦:潮崎豪(ch)vs.森嶋猛(1/22/12)
 森嶋は立ち位置を見つけたようですね。
 体重を絞り機動力を活かした攻めを見せ、
 かわされる動きも淀まず鋭く行なうことができている。
 技の後にぶらりと間を置き、一つ一つ叩き込むことで勝利を手繰り寄せているという確信、
 短期的でも長期的でもない中期的な計画性を示している。
 受け身もじたばたせず静止を軸としながら
 一般的な巨漢が持たない受けの要素を加えることができている。
 一方の潮崎も場に合わせなくても
 自分のスタイルをしっかりこなすことで試合を構築している。
 その力強さとぶれない試合への向かい方は王者として魅力的です。 
 ぶれない余り、森嶋の行動を少々無視したダメージ調整もありましたけどね。
 終盤の森嶋が潮崎を上回ることを表現するための攻防の選択は
 それぞれの個がしっかり自立していただけに少々短絡的な気もするが、
 王者から王者へのバトン・タッチにふさわしい素晴らしい試合でした。
 ぎりぎり好勝負。 
 (執筆日:2/11/12)

AGL公式戦:潮崎豪vs.永田裕志(11/3/12)
 永田の挑発から潮崎が攻め気を増し
 多彩なチョップをベースで作り上げていきます。
 場外戦で鬩ぎあった後、永田が腕攻め。
 それを受けて潮崎はチョップの威力を
 ダメージ、感情の両面からコントロールして対応。
 しっかりした構築ではあるものの
 どちらにもどこか緩さがあり、勝敗への強い拘りが出ないまま
 決着、そして試合後のナガダンス披露へとつながっています。
 平均的な良試合。 

BGL公式戦:永田裕志vs.KENTA(11/17/12)
 永田は完全に胸を貸してあげるスタンス。
 KENTAはその永田に対してひたすらに打撃の打ち合いを求めます。
 しかしヘビー級にがむしゃらにむかっていけたのは昔の話。
 アンダードッグを演じれるスタイル、仕草ではない今やったところで
 そこには嫌な暴力的な匂いがして
 偏執的な拘り、狭い視野は応援させるどころか孤立した存在に感じさせます。
 後半になると多彩な技を出し始め普通の攻防となります。
 良質ではありますが前半の異常な拘りと繋がっておらず首を傾げてしまいますね。
 特異的ではないもののドラマとして成立していない。
 しかしクオリティはそれなりにある試合です。
 中々良い試合。

CGL決勝:杉浦貴vs.KENTA(11/23/12)
 三沢の事故から意図的にスタイルの改革を目指しているNoah。
 しかしこの試合はエルボー、ビッグ・ブーツの打ち合いという自分の形でスタートしています。
 得意な部分で勝負すべきは当然で、
 全てをこれに頼るのはともかく大一番では今後も頼っていくべきですね。
 相当にハードに打撃を打ち込みあいダウン=KOに近い戦いとなっています。
 KENTAが技の組み合わせを考えてリードすると
 杉浦もそれについていって良い変化を見せ、受けによる提案で
 抜きつ抜かれつで状態を高めあっていきます。
 ダウン時間を削ってスピード感を生み出していますが
 やっていること相応の激戦模様を付随できないデメリットもある。
 これまで断崖式などに頼ってきただけに調整がやや乱れたか勿体無いですね。
 彼らが変化を意識しているように観客の反応も変質しているからこれでも良いですけどね。
 流れの型を活かした構成ではないもののKENTAへの声援が大きくなっていくと
 ユニークな攻防、アマレス的能力を使った攻防で大きく盛り上げます。
 KENTAは既にNoahのトップ・ファイターになっているのに
 この試合でも時々アンダードッグの立ち位置になるのは理由が分からないですが、
 そんなもやもやを吹き飛ばす程激しいぶつかり合いです。
 打撃の当たりの強さに意識が集中しすぎているきらいはありますが情熱的で
 ラストのグー・パンチの応酬は圧巻というしかありませんでした。
 文句なしに好勝負。
 (執筆日:1/6/12)

注目試合の詳細

なし

試合結果

@GHC王座戦:潮崎豪(ch)vs.森嶋猛(新チャンピオン!)(1/22/12)
AGL公式戦:潮崎豪vs.永田裕志(11/3/12)
BGL公式戦:永田裕志vs.KENTA(11/17/12)
CGL決勝:杉浦貴vs.KENTA(優勝!)(11/23/12)