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Noah:Best of Noah 2004の分析


名勝負 なし
好勝負 Jrヘビー級タッグ王座戦:丸藤正道、KENTAvs.鈴木鼓太郎、小川良成(4/3/04)

KENTA vs.高山善廣(6/27/04)

Jrヘビー級タッグ王座戦:丸藤正道、KENTA(ch)vs.SUWA、リッキー・マルビン(10/22/04)

GHC王座戦:小橋健太(ch)vs.斉藤彰俊(10/24/04)

@Jrヘビー級タッグ王座戦:丸藤正道、KENTAvs.鈴木鼓太郎、小川良成(4/3/04)
 (カットあり。28分中21分)
 丸KEN2人で鈴木に襲いかかる展開からスタート。
 鈴木が切り返して行き魅せる狙いですが
 ちょっとスピードを優先しすぎですね。
 誤爆から交代した小川ですが
 スピードは結構出ていて若手と比べても見劣りしません。
 控えの丸藤がダウンしている間にKENTAをしとめようという展開。
 良くある展開でここで決まるなんてことはない訳ですが
 この試合の小川、鈴木は全力で追い込んでおり、
 終盤のニア・フォール並みの盛り上がりが生まれています。
 合体技を解禁し、控えの丸藤を再びダウンに追い込むことで
 本当にフィニッシュまで持って行くつもりではないかと
 常識を超えた展開を信じさせるレベルにまで持っていく。
 タッチに成功しリングに入った丸藤ですが
 得意のカウンター合戦において小川に読みきられ敗北。
 丸藤も孤立することになります。
 先ほど異常な熱気を生み出しているのですから
 ニ度目の孤立は必要ありませんでしたね。
 ここはもう一気に突っ走るべきでした。
 丸KENのスケールの大きな技から取り戻すと
 前哨戦で意味づけた小川のバック・ドロップを絡めながら
 双方大技をラッシュでぶつけあい華々しく締めました。
 文句なしに好勝負です。

A丸藤正道、KENTAvs.三沢光晴、小川良成(4/25/04)
 階級差を活かして三沢が群がる丸KENを
 エルボーでばったばったとなぎ倒すシーンは爽快。
 そして三沢が強大であればあるほど
 それを華麗且つスマートに崩していくかいもあるというもの。
 三沢の背を蹴って小川に不知火などスポットも独創的ですね。
 KENTAのストレッチ・プラグも面白いアイディアでした。
 しかし特別な魅力が各所で見られるものの
 ベース、全体における位置づけはそれほどではありません。
 三沢のエメラルド・フロージョンが返されていたように
 表層的な部分を超えずに凄い試合を狙っていった感がある。
 また技に関しても崩れていてダメージを負ったのかセーフだったのか判断しにくいものは珍しくなかった。
 中々良い試合。

BKENTA vs.丸藤正道vs.リッキー・マルヴィンvs.鈴木鼓太郎(6/1/04)
 Noah初の試みとなる4ウェイ・マッチです。
 一応KENTAと丸藤、マルヴィンと鈴木が元タッグという関係。
 とはいえちょっと他よりも強い関係というだけで
 積極的に心理戦の名の下に組んだり離れたりしています。
 場外乱闘で売店前まで行ったり、
 この試合ならではの面白いスポットもありましたが、
 基本的にはファン・マッチというスタンスで試作品ですね。
 一流が4ウェイに挑んだというには軽い内容だし、
 マルヴィン、KENTAのスプリングボード・ミスも情けない。
 まあまあ良い試合。
 
CKENTA vs.高山善廣(6/27/04)
 高山が掴むとKENTAは身動きできない。
 その光景によってこれが以下に無謀なカードであるかが
 はっきりと観客の脳裏に刻み付けられる。
 また一般的なヘビー級/軽量級と違い
 KENTAは蹴りの速射でスピードを活かすことはあるが
 スピードで撹乱したりはせず真っ向から勝負を挑む。
 一方で高山は何の配慮もなくリアルな重い打撃を容赦なく叩き込み、
 KOするならそれで良いし、立ち上がってくるなら相手をしてやる、という
 この試合の位置づけを良く理解した試合運びで向かいます。
 結局高山の圧倒的な壁は切り崩せないままに終わりましたが、
 その無謀な挑戦にかけるエネルギーは本物でドラマチック。
 ほんの一時ではありましたがKENTAが高山を倒せるかも、という
 希望を夢見る瞬間もないことはなかった。
 ぎりぎり好勝負。

DJrヘビー級タッグ王座戦:丸藤正道、KENTA(ch)vs.SUWA、リッキー・マルビン(10/22/04)
 SUWAの挑発から激しくぶつかりSUWAがトペ。
 大きく盛り上がりましたが一度仕切ります。
 丸藤とマルビンは演舞による見得を切り、
 そこからマルビン孤立へとつながる。
 丸藤のクイックなカウンター合戦、
 SUWAのハード・ヒッティング
 マルビンの大技使い、KENTAの蹴り、と
 それぞれの個性を爆発させて盛り上げると
 ここで前哨戦でもキーになっていた
 SUWAによるKENTAの股間へのダイビング・エルボー。
 まったくもって遠慮のない一発で
 KENTAの痛がりっぷりも真に迫っていました。
 孤立させたKENTAに華麗な連携技とテープでの首絞め。
 直接的に煽り立てます。
 その後の終盤も技の威力、インパクトが異常。
 タッグ的な進行に関してずれはあり、
 完成度はまだまだ向上させれるものの衝撃的過ぎる試合でしたね。
 文句なしに好勝負。

EGHC王座戦:小橋健太(ch)vs.斉藤彰俊(10/24/04)
 小橋が早くも各種チョップを乱れ打ち、
 斉藤は危険な角度のバック・ドロップで均衡を戻し仕切ります。
 斉藤の試合運びはいまいちですが
 試合自体が大局的にゆったりと積み重ねていく構築なので
 1シーンの試合運びに拠らず大きく脚を引っ張っていません。
 ネガティブな対応策ともいえますが
 エプロン技などの過激技を要所で配置して
 試合のクオリティが落ちないように維持していました。
 中盤まではこの方法論が通じますが後半はどうだろうか、
 斉藤のニーの当りが弱いし、と心配していましたが
 小橋が流石絶対王者!といいたくなるような確かな段階付けで反撃。
 斉藤も小橋に対して同じような動作で対抗する、というアイディアで盛り上げます。
 序盤と被る危険なバック・ドロップから大技の打ち合いに。
 斉藤がGHC王座のレベルに到達していないのは明らかだが
 ここまでの激戦が出来る程に持ち上げ
 その上で上回って落としたことで
 防衛回数の新記録の試合として納得させました。
 ぎりぎり好勝負。

F決勝:KENTA、小橋建太vs.力皇猛、丸藤正道(11/28/04)
 KENTA、小橋とは特別なタッグですが
 身長差などからたいした連携技は使えず。
 タッグ内だけでなく相手に対しても同様で
 ヘビー級に対してJrヘビー級が子供扱いされるような按配です。
 しかしヘビー級同士、Jrヘビー級同士の絡みで
 後半にかけて徐々にギアをあげていきましたね。
 また丸藤、力皇の側は後にタッグとして活動していくように
 戦略性もばっちしでこの時から既に相当の魅力を持っていました。
 最後の力皇が小橋からフォールを取る流れも素晴らしかった。
 好勝負に届かずも中々良い試合。

 (執筆日:1/?/12)

注目試合の詳細

なし

試合結果

@Jrヘビー級タッグ王座戦:丸藤正道、KENTAvs.鈴木鼓太郎、小川良成(4/3/04)
A丸藤正道、KENTAvs.三沢光晴、小川良成(4/25/04)
BKENTA vs.丸藤正道vs.リッキー・マルヴィンvs.鈴木鼓太郎(6/1/04)
CKENTA vs.高山善廣(6/27/04)
DJrヘビー級タッグ王座戦:丸藤正道、KENTA(ch)vs.SUWA、リッキー・マルビン(10/22/04)
EGHC王座戦:小橋健太(ch)vs.斉藤彰俊(10/24/04)
F決勝:KENTA、小橋建太vs.力皇猛、丸藤正道(11/28/04)