新日本プロレス:Complete Inoki V.9 Disc 1の分析
名勝負 | なし |
好勝負 | なし |
約1時間45分です。
@NWF王座戦:アントニオ猪木(ch)vs.パク・ソンナン(10/10/76)
ソンナンは顔、体つき、コスチュームが似ているので時々猪木vs.猪木かと錯覚しますね。
それがこの試合の見所。
決してネガティブな印象は持たなかったけれどこれといって見せ場は無かったですからね。
韓国興行だからソンナンに花を持たせるという事もなく普通にスポーツを気取った展開でしたし。
最後にフォールではなく流血で試合が出来ないとレフェリー・ストップにした所が猪木なりの配慮なのか。
少し悪い試合。
Aアントニオ猪木vs.アクラム・ペールワン(12/12/76)
ラウンド1でペールワンが二重関節などの防御面だけで
レスリング技術的には猪木の敵ではない事が分かりますし、
ラウンド2は猪木が背にのっかってヘッド・ロックだけ。
ラウンド3であっさり腕を折って勝負がつきます。
真剣勝負の雰囲気も特に感じられず
猪木の戦略性が見えるだけが評価できるポイント。
基本的に退屈&コーナーで見えにくく、小話としては良いが試合として映像を見る価値はないですね。
少し悪い試合。
(執筆日:6/25/10)
BNWF王座戦:アントニオ猪木(ch)vs.タイガー・ジェット・シン(2/10/77)
1分もしない内にシンがカウント3を取るものの凶器を使っていた事が見つかって再開。
それを説明するために試合をとめてストーリーとして活かせないのが日本のプロレスの悪い所です。
その後もヒートを生む演出をしているシーンや
シークの素地を見せるレスリングもありますが基本1要素でそこまでレベルは高くなく、
かといって構築のいらない乱戦もありません。
ただ一方的なラフ・ファイトの仕掛け、とやり返しをしているだけです。
最後は戦意喪失という納得いかぬ終わり方だし、期待外れでしたね。
悪くない試合。
(執筆日:6/25/10)
Cアントニオ猪木vs.グレート・アントニオ(12/8/77)
グレート・アントニオは明らかに不摂生が目立つ巨漢。
まともに実体のない相手にどう試合をするのかと思いきや、
猪木側が頭部へのリアルな蹴りで短く切って捨てました。
悪い試合。
Dアントニオ猪木vs.ローラン・ボック(11/26/78)
ボックは人里離れた山奥に住む大男がスカウトされ、
アマレス界に飛びこんできた、そんな映画の登場人物のような印象を受けますね。
アマレス式に投げていますが、それは練習の賜物というより天性の怪力によるものに見えます。
しかしこの試合が少々拍子抜けだったのはボックに悪意を感じない事。
相手の価値も考えず平気で放り投げていくので
対戦相手の猪木からしたらたまったものではないけれど
ボック本人はそれを悪い事と考えていないように見えます。
そもそもプロレスとして変化をつける意識も希薄です。
その点でシュトゥットガルトの惨劇という言葉から抱いていたイメージとは程遠く
バックランドやロビンソン戦のようなドラマは伝わってきませんでしたね。
またR制という事で蓄積性がなくボックの欠点を助長しています。
ボックの凄さは伝わってくるが淡白な内容。
まあまあ良い試合です。
(執筆日:4/1/11)
DVD Rating:☆☆☆☆☆
注目試合の詳細
Dアントニオ猪木vs.ローラン・ボック(11/26/78)1R。
ボックは脚をかけて倒そうとする猪木を投げかぶさる。
猪木をタックルを耐えると投げてアキレス腱固め。
猪木がバックに回って倒しチン・ロック。
ボックがフロント・スープレックス。
猪木を転がしアーム・ロック。
2R。
ボックがバックを取る。
起こしてバック・ドロップ。
ボックがエルボー・スマッシュ。
猪木がタックルで倒して凌ぐ。
3R。
猪木がドロップ・キックを狙うもかわされる。
ボックが頭部を両足で挟んで倒したりアーム・バー。
スタンディングで向かい合う。
バックの取り合いで離れる。
4R。
ローランの歌が歌われる。
ボックが組み付いて転がす。
組み付いてきた猪木にダブル・アームを狙う。
猪木がロープに逃げ脚を掴んで倒すも蹴り飛ばされる。
5R。
猪木がスリーパー。
ボックが担ぐようにして投げる。
猪木がドロップ・キック。カウント1。
ボックは起き上がるまでに時間がかかる。
6R。
猪木がキー・ロック。
ボックが食らったまま持ち上げ叩き落す。
ボックがフルネルソン。
そのまま倒して締め上げる。
7R。
ボックが両足を取って倒しボストン・クラブ。
ロープ・ブレイク。
8R。
ボックが腕を取ってアーム・ホイップ。
猪木が離れずチン・ロックを繰り返す。
イエロー・カードが出される。
ボックがエルボー・スマッシュ連発。
ボディ・スラム。
コーナーに振る。
ボックがタックルで倒しボストン・クラブ。
9R。
ボックがロープに押し込む。
猪木がベリー・トゥー・ベリーを狙いもつれて両者場外転落。
ボックがエルボー・スマッシュ。
フロント・ヘッド・ロック。
レフェリーがリングに戻るよう言う。
ボックが先にリングに戻る。
猪木がリングに戻る。
猪木がヘッド・バッド。
ロープに押し込み脳天チョップ。
ボックがパイル・ドライバー。
ボックは流血している。
猪木をロープに押し込むとロープを猪木の首に絡める。
10R。
ボックが猪木をロープに押し込み場外にほうり捨てる。
猪木がリングに戻る。
猪木がロープに押し込まれるもベリー・トゥー・ベリーで場外にほうり捨てる。
ボックがリングに戻る。
ベリー・トゥー・ベリー。
猪木は脳天から落ちるもカウント2で返す。
ボックがエルボー・スマッシュ連発で倒す。
起き上がった所に再び叩き込む。
起こすとボディ・スラム。
ボディ・プレス。カウント2。
猪木がドロップ・キック。
ボックがブレーン・バスターを狙う。
猪木がロープに逃げたところで最終Rも終了。
試合結果
@NWF王座戦:アントニオ猪木(ch)vs.パク・ソンナン(リングアウト)(10/10/76)Aアントニオ猪木vs.アクラム・ペールワン(12/12/76)
BNWF王座戦:アントニオ猪木(ch)vs.タイガー・ジェット・シン(2/10/77)
Cアントニオ猪木vs.グレート・アントニオ(12/8/77)
Dアントニオ猪木vs.ローラン・ボック(10R終了:判定)(11/26/78)