新日本プロレス:Complete Inoki V.5 Disc 1の分析
名勝負 | アントニオ猪木vs.藤波辰巳(9/19/85) |
好勝負 | アントニオ猪木vs.藤波辰巳(5/30/80) |
約2時間です。
@アントニオ猪木vs.藤波辰巳(5/30/80)
一瞬一瞬を気を抜かずに体と体をぶつけ、
見かけ上膠着してもお互いを探りあって、”戦い”を続けていきます。
濃密度、レスリング技術、緊張感。
柔軟性に、それに付随して見せ方による美しさの演出。
リアルな感情と観る者の感覚のつぼをついた仕掛けのタイミング。
キング・オブ・スポーツを名乗れるだけの物がここにあり、
これぞ猪木の真骨頂というべき魅力が詰まっています。
残念なのは10分程という試合時間だけ。
88年まで待たず、80年代初頭にフルタイム戦が行われていたら、と思ってしまうなぁ。
ぎりぎり好勝負。
(執筆日:6/26/10)
Aリーグ戦:アントニオ猪木vs.藤波辰巳(3/19/82)
藤波の奇襲の連続ドロップ・キックや
猪木がロー・キック、鉄柱といった序盤の仕掛けが特に働いていないですね。
しかし相手が藤波という事で他よりはやはりレスリングに力が入っています。
特別な試合に位置づけていない割には終盤の締め方も良かったですしね。
まあまあ良い試合。
Bアントニオ猪木vs.藤波辰巳(9/19/85)
残念ながら猪木は80年の試合のようにトップ・スピードでレスリングの攻防を行う事は不可能となっています。
しかしながらこの日の猪木は高位な見得と感情と行動が完全に三位一体化している。
切り返し、急激な動きが出来ないならば、抵抗、防御でリアルな勝負の雰囲気を維持。
必死に残りかすを搾り出し、身体で不足する分は頭を働かせて観客への見得で補ってみせる。
そして何よりキャリア20年を超える一流レスラーが到達できる境地にある。
そのレスリングには相手への優しさがある。
優しい眼差しで藤波を見つめ、体を通して俺の屍を超えていけと語りかけます。
残念ながら藤波からは、猪木を殺すのか、もしくはそうせず別の道を取るのか、返答がまったく見えず、
その情熱はスポーツ的なそれを超えなかったけれども
ドラマ性以外の部分では最高級の仕事で猪木に応えて見せました。
猪木のキャリアにおいて3本指に入る名勝負です。
ぎりぎり名勝負。
CIWGPタッグリーグ優勝決定戦:アントニオ猪木、坂口征二vs.藤波辰巳、木村健吾(12/12/85)
ブロディの試合放棄によりこのカードに。
4人が試合の中で適切に配分されていません。
猪木X藤波、坂口の扱いはまずまずでしたけどね。
決勝としては十分ではなく、最後に藤波が猪木からドラゴン・スープレックスでフォールを奪った事実だけがそれに値する。
平均より少し上。
藤波が猪木に挑戦を表明するシーン(4/22/88)
Dアントニオ猪木vs.前田日明(5/27/83)
UWF勃興後から見ると特別なカードですが当時としては只の若手との試合。
ちょっと稽古をつけてやろうレベルで特に攻防に見るものはありません。
前田もUWFスタイルでないと輝けていませんね。
少し悪い試合。
(執筆日:6/25/09)
総評
80年以降で猪木が特別な関係を築けたのは藤波ぐらいのものですからね。
85年の試合含め手に入れる価値のある内容。
(執筆日:8/19/10)
DVD Rating:★★★★☆
注目試合の詳細
@アントニオ猪木vs.藤波巽(5/30/80)握手を交わすと同時に藤波が牽制の蹴り。
組むと藤波が頭を抱える。
ヒップ・トスを狙う。
防がれタックルを狙うも切られる。
猪木が牽制の蹴り。
藤波がバックを取りロープに逃げられるも軽く蹴り。
猪木が腕を取ろうとする。
藤波が足をかけて耐える。
ナックル・ロック。
藤波が切って足を取って倒す。
猪木が足をかけて倒し背にかぶさる。
足を取り首を捻る。
藤波が回転して逃れる。
猪木が距離をつめガット・レンチ。
足をかけて倒し頭部をおさえアーム・バーへ。
藤波が体を起こすも倒される。
藤波が体を起こそうとするも倒される。
足を猪木の脚に絡めるとロックを押し上げて外す。
ロープ・ブレイク。
組むと猪木がヘッド・ロック。
猪木がロープに走りショルダー・タックル。
スナップ・メアからチン・ロックへ。
藤波がハンマー・ロックに切り返す。
もう片方の手もつかみ両肩をつけにいく。
ブリッジした猪木の上にのる。
猪木が耐え起き上がると押し込む。
藤波がブリッジ。
足を腕にあて蹴り飛ばす。
足を取り押し込む。
アーム・ロック。
腕にストンピング。
猪木がすぐに場外に出て間をおく。
リングに戻る。
組むと藤波が腕を取る。
猪木が足を取って倒しインディアン・デス・ロック。
起き上がり倒れる。
弓矢固め。
藤波がロープに逃れる。
猪木は藤波をロープに振るとコブラ・ツイスト。
藤波がロックを外して逃れようとする。
猪木が対応し藤波の腕を取る。
藤波は起き上がるとロープに押し込む。
離れる。
猪木が張り手。
張り手。
グー・パンチ。
チョップ。
ロープに振りショルダー・スルー。
フロント・ヘッド・ロック。
藤波がロープに逃げる。
組むと猪木が藤波をロープに押し込む。
藤波が押し倒してストンピング。
猪木を起こすとアッパーカート。
アッパーカートで倒す。
起こしてフルネルソン。
猪木がロープに逃げる。
猪木がダブル・アーム。
両脚で頭部を挟みガット・レンチ。
藤波がリバース・スープレックス。
猪木はカウント2で上げるとブリッジで起き上がる。
強引に持ち上げると弱いながらもパワー・ボム。カウント1。
藤波が先に距離をつめフロント・ヘッド・ロック。
猪木は起こすとロープに押し込む。
ヘッド・バッド。
ヘッド・バッドで倒す。
ロープに走りショルダー・タックル。
ロープに走る。
藤波は担ぐと場外に落とす。
ロープに走りドラゴン・ロケット。
リングに戻る。
カウント17でエプロンに上がってきた猪木にドロップ・キックを決め落とす。
ブランチャで追撃。
猪木がかわして自爆させる。
猪木がリングに戻る。
エプロンに上がってきた藤波を殴りつけようとする。
藤波が防ぐようにヘッド・ロック。
猪木がすぐリング内へのバック・ドロップを決めカバー。
藤波が肩をあげるもぎりぎりでカウント3!
猪木の勝利!
Bアントニオ猪木vs.藤波辰巳(9/19/85)
握手を交わす。
組むと猪木が首を抑える。
藤波がフロント・ヘッド・ロック。
猪木が下に落としてハンマー・ロック。
藤波は起き上がるとバックを取りジャーマンを狙う。
猪木が耐えロープに逃げる。
猪木が足を取りに行く。
けんけんする藤波に足をかけて倒しレッグ・ロック。
藤波がチン・ロックを決めようとするも無理。
反転する。
猪木が移行しようとするも逃げられる。
ナックル・ロック。
藤波が押し込む。
猪木がブリッジから起き上がる。
足をかけて倒し上にかぶさる。
藤波はブリッジで耐える。
猪木が上にのる。
藤波が起き上がる。
猪木が下から投げようとする。
耐えられるや両脚を取って倒しボストン・クラブ。
インディアン・デス・ロック。
ムタ・ロック。
ロックを外されるもレッグ・ロックは外さない。
藤波がロープの外に足を出す。
藤波が顔に張り手。
ナックル・ロック。
猪木が回転して足を取りレッグ・ロック。
そのためにロープを掴んでしまう。
ブレイク。
猪木がアーム・ロック。
藤波がバックを取る。
猪木が伏せて取れないようにする。
藤波が体勢を変えフロント・ヘッド・ロック。
猪木が後ろにそらそうとする。
藤波はロックを外してしまうも上にかぶさりレッグ・ロック。
猪木が蹴りを入れ外させる。
蹴り返そうとした藤波に対し猪木は場外に転がり出て避ける。
すぐリングに戻る。
組むと猪木がヘッド・ロック。
回転してバックに回り足を取り倒す。
藤波が後ろにすり抜けヘッド・ロック。
起こしてグラウンド・ヘッド・ロック。
猪木は起き上がる。
藤波が足をかけてバック・ドロップに返されないようにする。
腰が落ちた猪木にクラバート。
猪木が起き上がりボディ・スラム。
しかし藤波がクラバートを離さない。
回転して両者場外転落。
離れて両者リングに戻る。
猪木が下に入りスープレックス。
藤波がブリッジで起き上がる。
猪木が再びリバース・スープレックス。
藤波がブリッジで起き上がりバック・スライド。カウント2。
上にかぶさりにいく。
猪木が回転しハンマー・ロック。
アーム・ロック。
藤波が押し込み拳を構える。
ロープ・ブレイク。
藤波が足を取ろうとする。
猪木がかわし張り手を狙う。
藤波がかわし足を取って倒しレッグ・ロック。
背中を蹴りつけ反転させようとする。
中途半端ながらハーフ・ボストン・クラブ。
中央に引っ張り反転させると弓矢固めを狙う。
猪木が耐える。
藤波がインディアン・デス・ロックの体勢。
やめて弓矢固めを決める。
やや中途半端。
猪木が逃れアーム・バー。
藤波が逃れアーム・ロックへ。
猪木がロックして耐え体勢を変える。
アーム・ロック。
藤波が起き上がる。
猪木が飛びついて藤波を転がす。
上にかぶさる。
藤波が返す。
藤波が両足を取ろうとする。
猪木は防ぐとダブル・アーム。
腰を落とす藤波の下に入り担ぐ。
ファイヤーマンズ・キャリー。
首4の字。
藤波が回転しロープに逃げる。
そのまま場外に出る。
リングに戻る。
猪木がロープに走り止る。
藤波も横のロープに走るが止まる。
手四つから猪木がボディ・スラム。
チン・ロック。
藤波は起き上がるとロープに振りドロップ・キック。
猪木が近づいてきた藤波を蹴り飛ばす。
藤波はすぐ起き上がらない猪木に対し、ならばとシャープ・シューターを決める。
外すと4の字へ。
猪木は完全には決めさせていない様子で締めろ、締めろ、と挑発。
猪木が反転する。
藤波が戻す。
猪木が反転しようとするも戻される。
猪木が苦しんでいる。
25分経過。
猪木が何とか反転させる。
藤波が戻す。
猪木が折れ、と言う。
猪木が何とか反転させる。
戻されるもその際足を押し上げて半減させる。
戻させるもその際に転がってロープを掴む。
そのまま場外に出る。
猪木がリングに戻る。
藤波はコーナーの猪木に歩み寄るも中々仕掛けられない。
手4つ。
藤波が外してロー・キックにいくも外される。
アリ・キック。
もう1発。
崩れた猪木の足にストンピング。
シャープ・シューターを狙う。
猪木が防ぐ。
ならばと藤波が4の字へ。
30分経過。
猪木が足を抑えて決めさせない。
ロープを掴む。
藤波が距離をつめロープに押し込む。
エルボー。
ロープに振りドロップ・キック。
起こすと延髄切りへ。
猪木がかわし延髄切り。
猪木は脚の痛みに耐えて起き上がると藤波に近寄りアーム・バー。
藤波がロープを掴み場外に出る。
エプロンに上がる。
猪木が待ち受けている。
距離をつめるとリング内へのブレーン・バスターへ。
藤波が後ろに着地しヘッド・ロックへ。
猪木がロープに振る。
組み付くとロープに振る。
藤波がラリアット。
起こすと延髄切り。
バックに回る。
猪木がバックを取り返しジャーマン。カウント2。
ボディ・スラム。
コーナーに上って行く。
藤波が起き上がりコーナーを上る。
猪木が殴り倒すとダイビング・ニー・ドロップ。
藤波を起こすとブレーン・バスターへ。
藤波が後ろに着地しドラゴン・スープレックス。カウントは2。
ロープに振りショルダー・スルーを狙う。
猪木が殴り倒す。
卍固め。
藤波がヒップ・トスに切り返す。
猪木がロー・キックから再び卍固め。
藤波がロープを掴む。
レフェリーがカウントを数える。
猪木はカウント4で外し崩れる。
起き上がると三度卍固め。
レフェリーがチェックすると藤波の腕が下がる。
レフェリー・ストップとなる!
猪木の勝利!
上田が入り藤波の腕を上げる。
猪木の腕も上げる。
猪木と藤波が握手を交わしハグ。
試合結果
@アントニオ猪木vs.藤波辰巳(5/30/80)Aリーグ戦:アントニオ猪木vs.藤波辰巳(リングアウト)(3/19/82)
Bアントニオ猪木vs.藤波辰巳(9/19/85)
CIWGPタッグリーグ優勝決定戦:アントニオ猪木、坂口征二vs.藤波辰巳、木村健吾(優勝!)(12/12/85)
Dアントニオ猪木vs.前田日明(5/27/83)