新日本プロレス:Complete Inoki V.11 Disc 2の分析
名勝負 | なし |
好勝負 | なし |
約1時間55分です。
@アントニオ猪木vs.エル・カネック(7/6/82)
カネックがどうすれば分からないと様子見。
しかしその答えを見つける訳でもない。
結局何の見せ場も埋めないまま卍固めで終了です。
ひどい試合。
Aアントニオ猪木vs.サージェント・スローター(9/19/82)
サージが流れを持ったスタイルで試合に望むも
猪木は何もリアクションを返さず攻防時の意思疎通もいまいちです。
サージがコーナーに振られて場外転落するスポットで「らしさ」をアピールしたけどそれだけ。
途中で現れたラッシャー木村に見せ付ける形で一蹴されています。
悪い試合。
Bアントニオ猪木vs.エイドリアン・アドニス(12/9/82)
こちらもロープ際で殴られ一回転、ロープに絡まり「らしさ」を見せるもそれ1回だけ。
アドニスの動ける所を活かす気は猪木にはなく、
早い段階で試合を動かし、フィニッシャーまで持って行きます。
最後の猪木の技に対する受身も見事だったんだけどねぇ。
悪い試合。
Cアントニオ猪木vs.キング・コング・バンディ(2/6/85)
ボディ・スラムを決めれば賞金を獲得できるが、
試合の勝利条件ではないというルールが通常とは違っていて面白いですね。
勝利と賞金、2つの目的を焦点に据えながら試合が出来ていました。
バンディも動ける所、意外に基本を守って試合を運べる所を見せ良かったですね。
平均レベル。
DIWGP優勝決定戦:アントニオ猪木vs.ディック・マードック(6/19/86)
前田相手に素晴らしい働きを見せた事が印象に残っているマードックだけど
この試合でも素晴らしいストーリー・テリングを見せています。
序盤の打撃の印象化は優れているし、腕攻めも理が通っている。
猪木もマードックに頼る部分は頼りつつも
80年代らしく技を要所に配置して構築に貢献。
マードックがロープを使ったネック・ブリーカーという
印象的なスポットから2度目の一極攻め、首攻めに入り
30分弱の試合という無茶な要求に見事答えていきます。
終盤に入る前の猪木がリスト・ロックをロー・キックで振りほどこうとするシーンが印象的ですね。
あの鬩ぎあいがあるからこそ試合に入り込んで、
終盤の多段階クライマックスを迎え入れる事が出来たのです。
マードックの素晴らしい技術が堪能できるロング・マッチ。
好勝負に少し届かず。
EIWGP王座戦:アントニオ猪木(ch)vs.バンン・バン・ビガロ(8/2/87)
ビガロは適当な行動で何も意味合いがありません。
猪木は要所の反撃部分のみ動きますがこれまでと違って
衰えから生まれた弱さが試合の中で意味を持ってきます。
弱みを抱えながら巨体のビガロを倒す事は盛り上がるだけのものはある。
少し悪い試合。
FIWGP王座戦:アントニオ猪木(ch)vs.スティーブ・ウィリアムス(10/25/87)
猪木は肩にテーピングを巻いた状態で登場。
ウィリアムスがそこを殴り、いきなりバック・ドロップを決める、という展開です。
猪木は顔芸こそしていますが適切なセールもしていないし、ひどいサボりです。
終盤も双方何の効果も持たせていない得意技を途切れないように安売りしているだけです。
決着の付け方も救いようがありません。
ひどい試合。
(執筆日:6/25/10)
Gアントニオ猪木vs.ベイダー(7/29/88)
最初の場外戦で何故ベイダーが腕を痛めたのか不明瞭。
いくら一極攻めをしたってその基が不明瞭であれば論理性は中々生まれてきません。
低調な内容ながらベイダーが他ならぬ腕から流血した事実と、
猪木が腕に拘り続けた展開によって何か凄い試合だったと錯覚させる事には成功している。
悪くない試合。
総評
80年代という事でクオリティは一気に落ちていきます。
しかしだからこそマードックとの試合は貴重な試合でもある。
(執筆日:6/1/11)
DVD Rating:★☆☆☆☆
注目試合の詳細
なし試合結果
@アントニオ猪木vs.エル・カネック(7/6/82)Aアントニオ猪木vs.サージェント・スローター(9/19/82)
Bアントニオ猪木vs.エイドリアン・アドニス(12/9/82)
Cアントニオ猪木vs.キング・コング・バンディ(2/6/85)
DIWGP優勝決定戦:アントニオ猪木(優勝!)vs.ディック・マードック(6/19/86)
EIWGP王座戦:アントニオ猪木(ch)vs.バンン・バン・ビガロ(8/2/87)
FIWGP王座戦:アントニオ猪木(ch)vs.スティーブ・ウィリアムス(10/25/87)
Gアントニオ猪木vs.ベイダー(7/29/88)