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新日本プロレス:Best of NJPW 1999の分析


名勝負 Jr.ヘビー級王座戦:獣神サンダー・ライガー(ch)vs.金本浩二(3/17/99)

IWGP王座戦:武藤敬司(ch)vs.天龍源一郎(5/3/99)

Jr.ヘビー級タッグ王座戦:大谷晋二郎、高岩竜一(ch)vs.金本浩二、田中稔(10/11/99)
好勝負 IWGPヘビー級王座戦:武藤敬司(ch)vs.天龍源一郎(12/10/99)

@Jr.ヘビー級王座戦:獣神サンダー・ライガー(ch)vs.金本浩二(3/17/99)
 (31分中15分放送)
 グラウンド・レスリングにおいては
 ライガーが足を痛めたり、
 ライガーが振り下ろした張り手で金本がダウンしたりと
 特異的な引っ掛かりを意図的に作っていますね。

 セカンド・ロープからの飛び技という
 中盤用の中間スポットを設定したのも上手い。

 アピール、仕草を伴わせながら
 場外ジャーマンなど過激にエスカレート。

 キレの良いカウンター、
 アンクル・ロックによるフォールとギブ・アップの見せ場の織り交ぜ。
 現代プロレスに繋がる名勝負論を見事にこなし、
 31分というロング・マッチをだれることなく貫徹しています。

 これはフルで歴史に残すべき試合だったように見えます。

 文句なしに名勝負。
 (執筆日:5/?/20)

A有刺鉄線電流爆破デス・マッチ 蝶野正洋vs.大仁田厚(4/10/99)
 3分経つまでは通電していない状況。

 そこを活かしながら、ただ無理に体裁作らず前段の攻防。
 投げた椅子がよけられてロープにぶつかり爆破という前振りもあります。

 とはいっても作りが粗雑でなんとも、という印象が強まっていきます。

 爆破の後を上手く大仁田が作り上げられていませんでしたね。

 執念は伝わるもののそれ以外で勝負できない内容で、
 レフェリーを巻き込む爆破はジタバタしていてコント見たいでした。

 少し悪い試合。
 (執筆日:2/?/21)

BIWGP王座戦:武藤敬司(ch)vs.天龍源一郎(5/3/99)
 まずは武藤の余韻が冴え渡るレスリング。
 天龍も間を持ったレスリングで同じ土俵に立ちつつ、
 刹那的に技を織り交ぜ自分の魅力を加えてきます。
 ロープにぶつける投げで主導権を掴んだ天龍。
 ダウンした武藤に対し技を一つ一つ見せていきます。
 そのハードさだけでなく反撃を許さずにカウンターを叩き込む姿勢から絶対的な厳しさを観客に実感させます。
 これに対し武藤は彼を代表する低空ドロップ・キック連発による脚攻め。
 間を使いこなしている武藤ならではです。
 ドラスクを狙ったところで天龍が耐えアックスを叩き込んでからのパワー・ボムの流れは素晴らしかった。
 その後も武藤のJrばりの緩急から天龍の迫力ある大技のコンボが大きな効果を挙げています。
 終盤も特別な技が幾つか見られましたね。
 武藤に関して相手を引き立て、自分も輝かせることに拘り
 少々短期的な視点からの試合構築になっていましたが
 年間最高試合納得の素晴らしい試合でした。
 ぎりぎり名勝負。
 (執筆日:3/?/12)

CG1公式戦:藤波辰爾vs武藤敬司(8/10/99)
 (後半残り5分から)
 じっくり腰を据えてプロレスを堪能できるカードなのに
 残り5分からの収録なのが残念でなりませんね。

 藤波の脚攻めを受けての悲痛な表現が素晴らしい。
 また攻めに転じれば鏡合わせのような脚攻め。

 間合いとタイミングが凛として切れ味鋭い。
 これはフルで映像を残しておかないとダメでしょう。

 雰囲気的には好勝負に届いてそうな感じです。
 (執筆日:7/?/20)

DJr.ヘビー級タッグ王座戦:大谷晋二郎、高岩竜一(ch)vs.金本浩二、田中稔(10/11/99)
 金本が試合が始まるやKO級の蹴り。
 ハード・ヒットが身上のレスラーですが、
 いつにも増して強烈でしたね。

 受ける/受けない違う感覚を持った
 4者が繊細に自分の価値観を提示しながら攻め合い。
 
 金本、稔は初めてのタッグでしたが、
 これは良いタッグと端的に思わせる連携技で大谷を孤立させます。

 稔単独としてもバトラーツ流を新日マットに持ち込んで、
 豊かな攻防に繋がっていますね。

 乱れ打ちからの終盤の演出もばっちりで
 Jr.タッグの中でも三本指に入るくらい気に入った試合です。

 ぎりぎり名勝負。

EIWGPヘビー級王座戦:武藤敬司(ch)vs.天龍源一郎(12/10/99)
 頂上対決としての余韻を醸しながらスタート。

 スピードを上げた攻防は
 タイミングが合わない可能性も見えましたが、
 それならばとスピード不要の攻防・構築。

 武藤のスペース・ローリング・エルボーに対し
 天龍がカウンターでチョップ。
 ただのチョップですが、
 武藤が重く扱ってダメージ表現。
 
 カウンターのドロップ・キックで脚を痛め、
 天龍に脚攻めを受けた際の表現力も素晴らしかった。

 転じて今度は武藤の脚攻め。
 天龍もそうですが、端的に技の使い所を見極め、
 前後のアピール・所作でも相まって最大効果を生み出しました。
 
 文句なしに好勝負。
 (執筆日:5/?/20)

注目試合の詳細

なし

試合結果

@Jr.ヘビー級王座戦:獣神サンダー・ライガー(ch)vs.金本浩二(新チャンピオン!)(3/17/99)
A有刺鉄線電流爆破デス・マッチ 蝶野正洋vs.大仁田厚(ダブル・カウントアウト)(4/10/99)
BIWGP王座戦:武藤敬司(ch)vs.天龍源一郎(5/3/99)
CG1公式戦:藤波辰爾vs武藤敬司(8/10/99)
DJr.ヘビー級タッグ王座戦:大谷晋二郎、高岩竜一(ch)vs.金本浩二、田中稔(10/11/99)
EIWGPヘビー級王座戦:武藤敬司(ch)vs.天龍源一郎(新チャンピオン!)(12/10/99)