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新日本プロレス:World Wrestling Peace Festival 6/1/96の分析


名勝負 なし
好勝負 レイ・ミステリオJr、ウルティモ・ドラゴンvs.ヘビー・メタル、シコシス

約2時間40分です。
@ジム・ナイドハートvs.ボビー・ブラッドリー
 ネイドハートは相手を意に介さず。
 緩い攻防を多少交えながらもその実体はスカッシュ。
 ひどい試合です。

Aブル中野、ネファーリーvs.レイナ・フブキ、レディー・アパッチェ
 共同開催らしいカードだが、そのせいで全女のスピード感はなし。
 特にマスクマン、レイナとして登場した北斗。
 慣れないダウン・ベースに手を出し、結果何もアクションを起こさず休む事になってしまっている。
 ブルのパワフルな動きや北斗のトペ・アトミコなどは
 LAが女子プロレスに見た事が無かった動きなので要所では盛り上がっていたけれど基本失敗している。
 少し悪い試合。

Bレイ・ミステリオJr、ウルティモ・ドラゴンvs.ヘビー・メタル、シコシス
 ミステリオとシコシスが素晴らしい絡みを見せています。
 蹴り上げた結果コーナー上にのったりと
 受けから創造する事によって序盤から雪崩式技を実現する事を可能にしているのです。
 マスクも特別性でしたし相当気合の入った動きでしたね。
 終盤のミステリオの動きなんて独創的過ぎて一瞬何が起こったのかと分からなくなります。
 ウルティモとメタル。
 ウルティモは与え荒れた役割を守り
 良いとこをきっちりかっさらっていきます。
 メタルは正直足手まといでしたね。
 余り良い所は見られませんでした。
 終盤は飛び技四重奏や連続ダイブなど単純且つ盛り上がりやすいスポットで〆。
 ぎりぎり好勝負。

Cネグロ・カサスvs.エル・イホ・デル・サント
 サントのスナップを利かせたレスリング・ムーブが美しいですね。
 カサスもそれに対し上手い受けを見せリズムを落としません。
 中盤は両者相手の頭部に激しい打撃を繰り出しヒート・アップします。
 いつもの3本勝負の内の1本目だけを取り出したような時間設定にブッカーをうらみますが
 カサスXサントというルチャ史上最高の遺恨を見せてくれた2人には只々感謝するばかりです。
 まあまあ良い試合。

Dシルベル・キング、ドクトル・ワグナーJr、グラン・マルクスJr vs.ヘクトール・ガルザ、アトランティス、ドス・カラス
 カラス、ワグナーのレスリングはリズミカルですね。
 尚且つ柔軟な対応力が光っていて素晴らしいですよ。
 キング、アトランティスもキレのある動きで流石です。
 ルチャ界のエイリアン・アドニスことマルクスは
 この試合に限ってはちょっとオーバーウェイト過ぎます。
 ガルザは若くてどうしてもこの一流陣の中では見劣りする。
 ハイ・テンポなアクションなので
 そのせいで1つ1つの動きがワン・オブ・ゼム化しているけど充実した内容で満足です。
 まあまあ良い試合。

E藤波辰巳vs.ブラック・キャット
 基本的なレスリングなのにキャットは格好をつけれていません。
 余りのレベルの低さにわざとしているのかと思うほどです。
 藤波はキャリーする気なし。
 まあこんな相手ならそうなるでしょうね。
 ブッカーが悪い。
 ひどすぎる試合。

Fラ・パルカ、ペロ・アグアーヨvs.シベルネティコ、ピエロスJr
 パルカの道化がストーリーに組み込めていないように緩い内容。
 特にアグアーヨがロートルっぷりを曝け出していてひどいですね。
 今すぐ打ち切りにして他に試合時間を与えたくなる。
 ひどい試合でした。

G3ウェイ・ダンス:クリス・ジェリコvs.コナンvs.バン・バン・ビガロ
 ジェリコ、コナンが、俺こそが奴を倒すとビガロに向かう構図。
 しかしビガロは2人相手に強さを見せ付けないので構図が活きない。
 コナンはガタガタな動きで崩すしジェリコもやや手抜き。
 ひどい試合です。

H獣神サンダー・ライガーvs.グレート・サスケ
 安心のレスリングですね。
 やっている事はたいした事ないのですが
 両者の完成度の高さが伝わってきます。
 中盤はいまいち。
 強烈なスポットがあった訳でもないのに
 サスケがぐったりし始めライガーが一方的に攻めるシーンが長々と続きます。
 終盤は見応えのある一進一退。
 それぞれ要所でダイブを決めますし、サスケは場外へのダイビング・サイド・キックも披露。
 しかし不要な細かい行動が散見され試合にノル事を阻害している。
 フロー感、特別なスポットに欠ける内容。
 平均的な良試合。

Iアントニオ猪木、ダン・スバーンvs.藤原嘉明、オレグ・タカタロフ
 観客不在のレスリング。
 そしてその世界に引きずり込むには絶対的に魅力が足りません。
 微妙な格闘ごっこでしたねぇ。
 フィニッシュまでアーム・ロックで締め上げているのにカウント3という弱すぎるもの。
 ひどすぎる試合。

総評
 Jrを除いた新日勢を始めとして惨憺たる試合が半分以上を締める。
 しかし図らずやルチャ・ファンにとっては嬉しい大会になりました。
 (執筆日:8/1/11)
DVD Rating:★★☆☆☆

注目試合の詳細

Bレイ・ミステリオJr、ウルティモ・ドラゴンvs.ヘビー・メタル、シコシス
 ミステリオ対シコシス。
 ミステリオが腕を取って倒す。
 シコシスは跳ね起きると脚をかけて倒す。
 ミステリオが腹に脚を当てて飛び上がりボディ・シザースからアーム・ドラッグ。
 ニール・キック。
 蹴り付けて行きコーナー上にのせる。
 雪崩式ハリケーン・ラナ。カウント2。
 突進。
 シコシスがカウンターでけり。
 エプロンに出たミステリオをセカンド・ロープの上に横にし殴りつける。
 そしてセカンド・ロープからレッグ・ドロップでカバー。
 ウルティモがカット。
 メタルがウルティモに突っかかり張り手合戦。
 ウルティモがソバットで下がらせる。
 シコシスがミステリオにパワー・ボムを狙う。
 逃れられたのでロープに走る。
 ミステリオが側転から肩車の状態にもっていきハリケーン・ラナ。
 コーナーに振る。
 回転してエプロンに出たシコシスに三角飛びドロップ・キック。
 コーナーに上るとエプロンのシコシスに飛びつきヘッド・シザース。
 ウルティモ対メタル。
 ウルティモが蹴りを連打しソバットで倒す。
 メタルがウルティモの脚を取って倒しレッグ・ロック。
 腕を取る。
 ウルティモは前転からアーム・ドラッグ。
 スナップ・メアを着地するとアーム・ドラッグ。
 メタルがクローズラインで倒す。
 コーナーに振り返されるもけり倒す。
 両手を取る。
 ウルティモは飛び上がってコーナー上に着地。
 そこからムーンサルトで着地しヒップ・トス。
 蹴りを受け止められるもジャンピング・キック。
 両者タッチ。
 シコシスがウルティモを突き飛ばし下がるな、と挑発。
 ロープに飛ばされたウルティモがショルダー・タックルを決めるも倒せない。
 ロープに走る。
 ショルダー・スルーを着地するとソバット。
 ロープに振ろうとする。
 シコシスは振り返すとリープ・フロッグ。
 殴りつけてコーナーにもたれさせると殴り、けりを狙うもかわされる。
 シコシスはコーナーに振り替えされるとハイ・ニーへ。
 かわされ場外転落。
 慌てて柵の外に避難。
 ミステリオ対メタル。
 メタルが張り手からロープに振ろうとする。
 振り返されるもハンド・スプリング・エルボー。
 ロープに振る。
 股下へのくぐりぬけに対応しロープに振る。
 ミステリオが回転してアーム・ドラッグ。
 背にのると前に回りヘッド・シザース。
 ロープに走ったメタルをけり払いロープにぶつける。
 ロープに走るとロープを飛び越えてメタルの喉をロープに打ち付ける。 
 リングに戻ってきたミステリオにシコシスがドロップ・キックを狙う。
 ミステリオはかわすとコーナーに振りクローズライン。
 メタルが入りミステリオにクローズライン。
 ウルティモが入りメタルにクローズライン。
 ムーンサルトを狙うもかわされ自爆。
 シコシスがウルティモにダイビング・ボディ・プレスを狙うもかわされ自爆。
 ミステリオがシコシスにスプリングボード式ボディ・プレスを狙うもかわされ自爆。
 メタルがセカンド・ロープからムーンサルトを狙うも自爆。
 ミステリオはロープに走ったメタルをヒップ・トスで場外に落とす。
 ダイブで追撃。
 シコシスがミステリオにダイブ。
 ウルティモが619のフェイク・ダイブからロープ越しにシコシスを蹴り飛ばす。
 コーナーに上り2人にスワントーンを放つもメタルにはかわされる。
 シコシスとウルティモが入る。
 シコシスがロープに走る。
 ウルティモがハンドスプリング・エルボーを狙う。
 シコシスがキャッチ。
 バックを取り返してきたウルティモにバック・エルボーをいれロープに走る。
 ウルティモがドロップ・トー・ホールドからラ・マヒストラル。
 メタルがカット。
 コーナーに振りモンキー・フリップを狙う。
 シコシスは回転してコーナー上にのせると雪崩式ハリケーン・ラナへ。
 ウルティモは前転して衝撃をやわらげるとクローズライン。
 雪崩式ハリケーン・ラナを狙う。
 抵抗され崩れるももう1度狙い雪崩式ハリケーン・ラナ。
 カバーするもメタルがカット。
 2人でウルティモを振りクローズラインを狙う。
 かわされたのでけりへ。
 受け止められたのでシコシスが延髄切りにいくも避けられ誤爆。
 タッチしたミステリオがロープに走る。
 シコシスのスピン・キックをかわすと腕を取り投げる。
 ロープに振ると滑らせて場外に出す。
 エプロンに出るとセカンド・ロープからスワントーン。
 ウルティモとメタルがリングに入る。
 ウルティモが蹴り払いメタルをロープにぶつける。
 バックを取る。
 取り返してきたメタルをバック・エルボーで倒す。
 ラ・ケプラーダ。
 ドラゴン・スープレックスに繋げカウント3!
 ミステリオがリングに戻ると10カウントでシコシスも脱落しウルティモ、ミステリオの勝利!
 

試合結果

@ジム・ナイドハートvs.ボビー・ブラッドリー
Aブル中野、ネファーリーvs.レイナ・フブキ、レディー・アパッチェ
Bレイ・ミステリオJr、ウルティモ・ドラゴンvs.ヘビー・メタル、シコシス
Cネグロ・カサスvs.エル・イホ・デル・サント
Dシルベル・キング、ドクトル・ワグナーJr、グラン・マルクスJr vs.ヘクトール・ガルザ、アトランティス、ドス・カラス
E藤波辰巳vs.ブラック・キャット
Fラ・パルカ、ペロ・アグアーヨvs.シベルネティコ、ピエロスJr
G3ウェイ・ダンス:クリス・ジェリコvs.コナンvs.バン・バン・ビガロ
H獣神サンダー・ライガーvs.グレート・サスケ
Iアントニオ猪木、ダン・スバーンvs.藤原嘉明、オレグ・タカタロフ